【番外編】『幼いアリスにメロメロの公爵』

出産からしばらく経ち、屋敷には穏やかな日常が戻っていた。

小さなベビーベッドの中で眠るアリスを見つめ、アレクセイ公爵は自然と微笑む。

「……なんて愛らしいのだ、我が娘よ」

小さな手をそっと握るアリスの仕草に、公爵の目は優しく細められ、普段の落ち着きとは違う父としての喜びで胸がいっぱいだった。

ミレイはその様子を微笑ましく見つめ、そっと公爵の手に自分の手を添える。

「アレクセイ様、アリスはとても元気です」

「うむ……だが、この子の全てを守る責任を、改めて痛感する」

公爵の声には、いつもの威厳ではなく、純粋な愛情と感動がにじんでいた。

日々は静かに、しかし幸福に流れていく。

アリスは昼も夜も泣き声を上げるが、公爵は慌てるどころか、嬉しそうに抱き上げる。

「……ほら、アリス、泣いても可愛いものだな」

ミレイも思わず微笑む。抱っこされるアリスの小さな顔は、まるで天使のようだった。

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アリスが少しずつ歩き、言葉を覚え始める頃、屋敷の空気はますます和やかになる。

公爵は毎日仕事の合間をぬっては、アリスに読み聞かせをしたり、庭で一緒に遊んだりして、メロメロになっていた。

微笑むミレイは、公爵の愛情深さに安心し、屋敷の中には温かな笑い声が絶えなかった。

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アリスとの穏やかな日々が続く中、やがてミレイのお腹に新たな命が宿る――。

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