表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

23/34

最終話「愛は永遠に――そして物語は幕を下ろす」


ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます。

ついに、アレクセイとミレイの物語は結末を迎えます。

嵐を越え、想いを重ね、幸せを掴んだ二人の姿を――どうか最後まで見守っていただければ幸いです。


王子フェルナンドの暴走が収束してから、季節は幾度か巡った。

その後の出来事は、嵐の後の空のように清らかで、穏やかで、そして眩しいものだった。


アレクセイとミレイは、誰もが納得する形で正式に婚約を結んだ。

それは政略でも権力のためでもなく、ただ純粋に「互いを愛するがゆえ」の婚約だった。

二人が揃っているだけで自然と心が温まり、周囲の人々は微笑まずにはいられなかった。


婚約からそう間を置かず、二人は婚姻の日を迎える。

華美な披露宴ではなく、屋敷の中で行われた身内のみの小さな結婚式。

だがその場にあったのは、きらびやかな宝石にも勝る、深く、真実の愛の輝きだった。


王子フェルナンドもその場に姿を見せた。

一時は心を見失った彼であったが、今は清らかな眼差しで二人を祝福していた。

「……どうか、末永くお幸せに」

その言葉は、過去のわだかまりを越え、まっすぐに二人へと捧げられた祝福だった。


アレクセイはミレイの手を取り、誓いを立てる。

その姿に、参列した者たちは涙をぬぐい、口々に「これほどお似合いの二人はいない」と囁き合った。


そして時は流れる。


二人の間には、ミレイによく似た黒髪の女の子と、アレクセイに瓜二つの可愛い男の子が生まれた。

愛らしい子どもたちはすくすくと成長し、屋敷は常に笑い声と温かな空気に包まれていた。


だが、何より人々の目を引いたのは――時を経てもなお変わらない二人の仲睦まじさだった。

どれほど年月が過ぎても、ミレイとアレクセイは互いを思いやり、手を取り合い、まるで恋人同士のまま。

人目もはばからず微笑み合う二人の姿に、子供たちは顔を赤らめて呆れ声を漏らした。

「父上と母上は……もう、いつまで経っても……」

「仲良すぎて、見てるこっちが恥ずかしいんだよ!」

それでもその光景は、見守る全ての人々に「愛が永遠である」ことを信じさせる、揺るぎない証となっていた。


そして――天界。


雲の上からその様子を覗き込んでいた女神ルミエールは、頬杖をつきながら満足げに微笑んでいた。

「ふふん、なかなか良い感じにまとまったじゃない。二人とも幸せそうで何より♪」


けれども、彼女の視線はすぐに新たな方向へと移る。

「さて……次は誰にちょっかい出そうかな〜?」


キラリと目を輝かせ、彼女は空間を切り取るようにして、別の世界を覗き込む。

そこには、現代社会で平凡に暮らす一人の男子高校生の姿があった。

「うん、決めた!次はこの子にしよ〜っと! 女の子の体に転生させるとか……面白そうじゃなーい?」


無邪気で残念な女神の声が、天界に軽やかに響き渡る。


こうして一組の恋は見事に結ばれ、幸せな家庭として実を結んだ。

そして物語は、また新たな波乱の予感を秘めて――幕を下ろす。



---

最後までお付き合いくださった皆さま、本当にありがとうございました!


アレクセイとミレイ、二人の恋はささやかな出会いから始まり、数々の試練を乗り越えて幸せを掴みました。

彼らの愛はこれからも永遠に続き、子どもたちや周囲の人々に温かな光を灯し続けることでしょう。


そして天界の女神ルミエールは、次なるターゲットを見つけてニヤリ。

もしかしたら新しい物語が始まる日が来るかもしれませんね……?


ここまで読んでくださったすべての方へ、心から感謝を込めて。

本当に、ありがとうございました!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ