第18話:予期せぬ婚約の知らせ 〜甘やかされる幸せと王城からの試練〜
館での甘やかな日々を満喫していたミレイとアレクセイ様。
膝の上で寄り添い、静かに愛を確かめ合う時間――
しかし、そんな幸せな日常に、王城から思いもよらぬ知らせが届く。
果たして二人の関係は、そして王子との間に生まれる三角関係は、どのように動くのか――。
翌朝、館の中にはまだ甘い余韻が漂っていた。
ミレイはアレクセイ様の胸に寄り添いながら、昨夜の幸福を噛みしめて目を覚ます。アレクセイ様も、静かに微笑みながら彼女の髪に手をやり、優しく見つめていた。
「…すぐにでも、婚約の手続きを進めるとしようか、ミレイ」
アレクセイ様の言葉に、ミレイは目を細める。
しかし、その直後、執事が控えめに声をかけた。
「公爵様、王城から急ぎの知らせが届いております…」
アレクセイ様は眉をひそめ、手紙を受け取る。内容を読み進めるにつれ、表情は次第に硬くなる。
その書簡には、なんと王子フェルナンドからミレイとの婚約の打診があったことが記されていたのだ。
ミレイは驚き、思わず声を上げる。
「えっ…私、王子よりずっと年上なのに…どうして？王様は納得してるのかしら？」
書簡の文面を読み進めると、年齢の差は問題視されておらず、何よりも王族の血筋に愛し子を迎えることが重要だと記されていた。
ミレイは眉をひそめ、考え込む。
「…だったら、アレクセイ様と婚約しても問題ないのでは…？」
その言葉を聞いたアレクセイ様は、静かに息をつき、目を真剣に細める。
「どうやら、何か行き違いがあるようだ。すぐに王城へ知らせに行く。」
ミレイは少し戸惑いながらも、頷く。
甘く穏やかだった館の空気は、一瞬にして緊張に包まれた。
この知らせが、二人の関係、そして王子との間に新たな波を生むことになる――。
---
今回は、甘さと緊張が交錯するエピソードとなりました。
アレクセイ様とミレイの穏やかな幸せが、一瞬にして揺らぐ瞬間。
これから二人の前に立ちはだかる試練や、王子フェルナンドの存在が、物語をさらに複雑で濃密なものにしていきます。
次回もどうぞお楽しみに。
