第16話「館での甘々タイム！ 25歳OL、膝上で子猫モード！？ 〜アレクセイ公爵の優雅な甘やかし〜」

館の中に入るや否や、アレクセイ様の表情はすっかり柔らかくなり、目の前のミレイを見つめる視線は甘さで溢れていた。

「……もう、離さないぞ」

言葉少なに、しかし力強くミレイを抱き寄せると、そのまま膝の上に座らせ、優しく頭を撫でる。

ミレイはまるで子猫のように体をすり寄せ、ゴロゴロと喉を鳴らすかのように甘える。

「アレクセイ様……もう、やめないでください……」

小声で抗うように言いつつも、身体は完全にアレクセイ様の腕の中でくつろいでいる。

その仕草に、アレクセイ様は自然と微笑みを浮かべ、撫でる手を止める気配はない。

食事の時間も、仕事の合間も、ミレイは膝の上。

お皿を運んで口元まで差し出すと、「はい、召し上がれ」と、優しい声で世話を焼く。

書類に目を通すときでさえ、ミレイを膝に載せたままペンを走らせ、時折頭を撫でる手が止まることはない。

「……もう、アレクセイ様……こんなに甘やかされるなんて……」

ミレイの頬は赤く染まり、だがその目は嬉しそうに輝いている。

思わずアレクセイ様も頬を赤らめ、微笑む。

そんな二人の様子を見守る使用人やマリー様は、最初こそ唖然とした。

「……これは、どうしたことでしょうか……」

「まさか、ここまで大胆に……」

しかし、日が経つにつれ、驚きは徐々に呆れに変わる。

「……まあ、もう慣れてきましたね……」

マリー様も諦め顔で書類を片手に苦笑するしかない。

ただ、仕事の時間になるとさすがに問題が出る。

「公爵様、そろそろお仕事に集中を……」

「ミレイ様、膝の上はお控えください」

執事やマリー様から注意されると、アレクセイ様は少し困った顔で膝の上のミレイを見下ろす。

「……わ、分かった。仕事の間だけだぞ、少し待っていてくれ」

ミレイは小さく頷き、名残惜しそうに膝から降りる。

しかし、目の奥にはすでに「次はもっと甘えさせてもらおう」という子猫のような期待感が光っていた。

その後も館は、甘さと微笑ましさが入り混じる不思議な空気に包まれ、使用人やマリー様はため息混じりにその様子を眺め続けるのだった。

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