第15話「寂しかったです……アレクセイ様に抱きしめられて」
馬車で王城を訪れたミレイ。庭園で王子フェルナンドに褒められ、少し気まずさを感じつつも館へ戻ると、待っていたのは、普段は冷静な心優しいアレクセイ様でした。
甘えた声を漏らすと、思わぬ豹変が……!
甘々でドキドキな館での再会シーンをお楽しみください。
館に馬車が到着すると、門の近くでアレクセイ様が待っていた。
先に知らせを受けていたのか、心配そうな表情で、少し駆け寄るようにこちらを見つめる。
「具合が悪いと聞いたが……大丈夫か?」
その優しい気遣いに、ミレイの胸はじんわり温かくなる。
安心と、さっき王子のそばにいたことで芽生えたもどかしさが重なり、思わず甘えた声で口を開いた。
「アレクセイ様と離れてしまって、とーっても不安でしたわ……凄く寂しかったです……」
言いながら、ミレイは勇気を振り絞ってアレクセイ様に抱きついた。
大胆すぎたかしら、と見上げると、普段の冷静さとは真逆の、赤くなったアレクセイ様の顔があった。
――あれ、これはどういう反応?
迷っている間に、アレクセイ様は力強く抱きしめ返し、頭を優しく撫でる。
「そ、そうか……寂しかったのか。すまなかった」
普段は絶対に見せない感情が、今だけは溢れ出しているようだった。
驚きつつも、ミレイはその温もりに身を任せる。
さらにアレクセイ様は、そっと足元に手を回し、ミレイをお姫様抱っこした。
「きゃっ! アレクセイ様?」
館の奥からこっそり見ていた使用人やマリー様も、思わず目を見開く。
赤くなりながらも、抱きしめ続けるアレクセイ様と、甘えたまま顔を上げるミレイ。
そのまま二人は、静かに館の中へと運ばれていった。
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王城での出来事を経て、少し気まずさを抱えながらも館に戻ったミレイ。
そこで待っていたアレクセイ様の温かい抱擁に、思わず心が溶けてしまった……。
甘えた声に応える豹変ぶりと、お姫様抱っこ。
甘々でドキドキな館での再会シーンをお楽しみいただけたでしょうか。




