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第11話:王子の誘い、そして公爵のせつなさ

王子の突然の来訪に、館内は緊張の空気に包まれる。

予期せぬ告白、そして庭園への誘い――。

甘く胸キュンな展開の中で、アレクセイ様のせつなさが静かに漂う一幕です。

王子の突然の来訪に、館内は一瞬で緊張に包まれた。

執事が知らせた直後、アレクセイ様は微動だにせず、静かに口を開く。


「王子よ。今日の用件は何ですか?」


その問いに、王子は柔らかな笑みを浮かべて答えた。

「叔父上、そんなに畏まらないでください。貴方は父上の弟君、王弟なのですから」


その言葉に、私は思わず目を見開く。

――王弟だったのぉー!?


王子は少し照れたように視線を逸らしつつ、真剣な口調で続ける。

「急な来訪、申し訳ありません。しかし、日々募るこの想いが私を、こんな愚かな行動へと誘いました。今日はミレイ様をお誘いしたく――」


その次の言葉に、私は胸がドキリとする。

「王城の庭園では、今、薔薇の花が咲き誇っています。どうか私と見に参られませんか?」


その熱い視線は、明らかに私に向けられていた。

断りたい――でも、断ると失礼になってしまう。心の中で迷う私を、アレクセイ様は静かに見つめていた。


そして意外な一言が、部屋に静かに響く。

「せっかくだから、行ってきなさい」


――その言葉に、思わず目を見上げる。

しかし、彼の瞳には、どこかせつなさが宿っている。

まるで、自分の胸の奥にある何かを押し込めるかのように――。


甘く、けれど少し切ない空気が、部屋に静かに漂った。



---

王子の熱い誘いを受けるかどうか、迷うミレイ。

甘い時間の裏には、アレクセイ様のせつない想いが隠れていた――。

次話では、アレクセイ視点になります!

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