76/79
終章 帰ってきた日常①
次の日の学校はいつもと変わらない日常を催していた。
校内では特に怪しい噂話もなく、奴隷として操られていた生徒たちも、何事もなかったかのように友人と談笑していた。中にはケガを負っていた者もいたが、特に気にしているようには見えなかった。
「…………」
孝二は不思議でならなかったが、こういった情報操作もCWAの仕事だと真から教えられた。
鍵山の処遇はどうなったのかは聞かされなかったが、
「大丈夫。もう彼は君の前には現れないよ。永遠にね」
という緋川の言葉に安堵すると共に、どこかうすら寒さを感じた。




