8-10
/^o^兵\「……そんな。いくら関係が良くないとはいえ攻めて来るなんて」
門兵長は「なるほど」と手を叩く。
(・(エ)・)「最近、文鳥でのやり取りがほとんどできなくなっています」
大げさに声を小さくし、耳打ちをするように顔を近づける。
(・(エ)・)「先々週から少しずつ。先週の終わりごろには一割が通せれば良い位にまでになってしまいまして」
lw´- _-ノv「文食いだろう」
それを嫌ったシューが下がった手ぬぐいをしっかり口元まで上げ直して言った。
(・(エ)・)「えぇ。私も部下を連れてできるだけ文食いを狩ってはいるんですが……。数は減るどころか、増える一方でして。なぁ」
/^o^兵\「明らかに人の手で、辺りに文食いが撒かれています」
目を向けられた兵士が続けた。
(・(エ)・)「ツダは今、孤立しているわけです。何かあってもすぐに気づけないし、知らせることができない」
(^ω^ )「だから、私たちが行くんだお」
(・(エ)・)「えぇ。文鳥が使えないとなれば、急ぎ情報を伝えることができるのは馬。つまり騎士様。それは明らか、わかっております」
lw´- _-ノv「なら、すぐにでも門を開けてくれ」
(・(エ)・)「……承知しました。一応騎士証を確認させてください。緊急時こそ必要な事をしなくてはいけませんからね」
二人が懐から騎士証を取り出し、門兵に手渡した。それをそのまま門兵長に渡し、代わりに松明を預かる。
(・(エ)・)「えぇと、公家十位ジョーンズ様。武家十位ネーヨ様ですね。……お二人はなぜツダへ」
lw´- _-ノv「各地を周って事態を伝えている。多くの町や村でもここと同じように文鳥が使えない状況だ」
(・(エ)・)「おぉ、それは大変だ」
門兵長の言葉は驚いているようだが、口調は変わらない。
lw´- _-ノv「先を急ぐ、門を開けよ」
(・(エ)・)「しかし、急がないといけないのは分かっているんです。ですがね、少し。いや、大分気になることがありまして」
やりにくい。二人の中にある思いがどんどん大きくなっていく。成功するならすぐに門が開くと考えていた。だが、今の状況が失敗かとなればそうでない。そうは感じない。
判断のできない無能が決まりと異なる動きを嫌がっているのか、違和感を感じとり偽装を見破ろうとしているのか。
おそらくは後者。だから、まだできる。その違和感を払拭し、本物であると錯覚させれば、門は開く。騎士として、馬を連れて外へ出られる。




