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lw´- _-ノv「なら、あだ名でいいんじゃないかしら。一つくらいあると助かるんだけど」
( ^ω^)「ないお」
(^ω^ )「ないお」
ブーン達が即答すると、シューは三人には分からない程度に不満な顔を見せる。
それからすぐに顎に手を当て黙り込む。僅かな時間そうしていると、思いついたように「あぁ」と言い男を指す。
lw´- _-ノv「ニシカワね」
(^ω^ )「え、いや。ちょっと待つお」
シューが半歩、男の方へより小さな声で話し出す。
lw´- _-ノv「良いじゃない、ニシカワの名前知っているのってほとんどいないでしょう」
(^ω^ )「それはまぁ、馬房守が勝手に馬に名前付けたなんて知れたら大変だお」
lw´- _-ノv「なら問題ないわね」
二人が小声でやり取りをしている間、向かい側でも別のやり取りが行われている。
(´∀`)「あだ名なんてなかったモナ。ブーンはブーンって呼ばれてたモナ」
ブーンは何も思いつかなかったので、モナーに聞いてみたが答えは同じだった。
オトジャにも何かあだ名を付けてくれと言ったが困るだけで答えは出ない。
ブーンは忙しく頭を左右に傾け、小さく唸りながら再び過去の記憶を遡っていく。
( ^ω^)「ナイトウ」
ブーンが空中を見つめたまま言った。
( ^ω^)「ナイトウで良いお。そういえばブーンは村でそう言われていたお」
(´∀`)「……ブーン」
ブーンはモナーにだけ見えるように少し笑って見せた。
lw´- _-ノv「なら、とりあえずの呼び名はそれで良いかしら」
ニシカワとナイトウが頷く。
lw´- _-ノv「それじゃあ、色付きを着て来てちょうだい」
シューは二人が納得したのを確認すると一つ息を吸って言う。
(^ω^ )「え、いやだお」
lw´- _-ノv「良いから」
ニシカワは何か言おうとしたが諦めた様に開いた口を閉じると屋敷へ戻っていった。
その後姿からは、少し前に突如現れ短剣を振り回していた男は消えている。
(´∀`)「……シューさんはニシカワには結構言うモナ」
( ^ω^)「ちょっと怖いお」
しばらくして、屋敷へ戻ったがニシカワが再び姿を見せると恥ずかしそうな様子で近づいてきた。
(´∀`)「おぉ」
( ´_ゝ`)「正装ですか」
向かってくるニシカワは上等な鎧を身に付けていた。しかし、表情はさっきよりもずっと浮かない。
(^ω^ )「一目でばれるから嫌だお」
左胸をトンと手のひらで叩く。
そこには白地の鎧に一際目立つ赤で紋があった。
lw´- _-ノv「こっちへ」
三人が良く分からないと表情を浮かべるのとほとんど同時にシューが言うと歩き出す。
(´∀`)「あぁ、なるほどだモナ」
シューが向かった先は屋敷の出入り口である巨大な門の前だった。
開かれたままの門には半円が描かれている。両方をつなげると綺麗な円になり、中の模様はニシカワの左胸のものと一致する。
lw´- _-ノv「鎧の色は白、つまり公家。胸の門はここ、二位の騎士。公家の二位の騎士に仕えているって事がこの姿を見るだけですぐに分かるわ」
シューがニシカワを指で指す。
(^ω^ )「あぁ、ほらもう。明らかに警戒されてるお」
上総から下総の区画へ移動してすぐにニシカワが肩を落として言う。
シューが急に他の区画へ行こうと言い出した。ニシカワはかなり嫌がったが結局押し切られ、先頭を歩かされている。
(´∀`)「たしかに、門を越えた辺りから妙な雰囲気だモナ」
周囲は平静を装ってはいるが、時々ちらりと一行に向けられる視線には明らかに否定的な感情がこめられていた。
そんな中をニシカワはしっかりと前を向き、瞳を忙しそう動かして進む。その様子は一行を警戒させ、それがまた周囲を刺激していく様に向けられる目の数が増えていく。
少し前まで気の良い若者という印象だったニシカワが今ではすっかり兵士になっていた。
lw´- _-ノv「さっきも言ったとおり、鎧を見ればすぐに素性が分かってしまうの。だからどこかの兵士が他の区画に行く時なんかはまず着ない」
ニシカワが何か言いたげに口を開いたが諦めた様に閉じる。
一行の進路から人が消え、周囲ではヒソヒソと何かを話している声が聞こえてくる。耳に入らなくとも、その内容があまり良いものではない事は彼らの表情からすぐに分かった。
そしてそれは奥に行くほど顕著になり丁度区画の中央のあたりではすでに、聞き耳を立てる必要の無いくらいの大きさになっていた。
( ^ω^)「ブーン達って何か悪いことしているのかお」
( ´_ゝ`)「いえ、多分問題ないと思います」
( ^ω^)「でもさっきからものすごい罵声が飛んできているお」
lw´- _-ノv「何も悪い事はしていないわ。ただ、これがここの、ツダの普通なの」
シューは向かいから来る商人風の男とすれ違うのを待ってから続ける。
lw´- _-ノv「まだまだ民族間の溝は深い。他の場所じゃここまで表に出てくる事はそうないでしょうけど、特殊な経緯の、ここだとすぐに表に出て来てしまうわ」




