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亡国のレギオン  作者: 高井高雄
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完結篇 前篇 第8章 イージス対フリゲート

 みなさん、おはようございます、こんにちは、こんばんは、お疲れさまです。

[きくづき]が撃沈された事は、すぐに[やまと]にも知らされた。

「司令官。[きくづき]が撃沈されました!」

「何ぃ!」

 幕僚の報告に板垣は司令官席を勢いよく立ち上がった。

「第2統合任務隊は敵自爆船の猛攻を受け、旗艦[ながと]を守ろうと[きくづき]が盾になり、沈没したという事です」

 板垣は幕僚から通信文を受け取り、読み返した。

「[きくづき]艦長は春山2佐だったな?」

「はい。そうですが、それが何か?」

 板垣は春山の事をよく知っている。彼が護衛艦の艦長だった頃、春山は部下だった。

 責任感がとても強く、旧海軍の伝統を愛する人物だった。彼ならば上官と旗艦を守るためなら、そういう暴挙もとるだろう。

 通信文には、春山は部下と共に離艦したそうだ。

 そこまで読んで板垣は、ほっと息をついた。

 春山の性格を知っている板垣にとって、最も心配していた事にはならなかったようだ。

「春山は艦と運命を共にしなかったのか・・・自分で決断したのか、それとも、水島海将補が説得したのか・・・恐らく後者だろう」

 春山を説得するのは、至難の業だ。それをやったという事は彼女も相当やる。

 水島の海将補昇進について、第1統合任務艦隊の幕僚たちの反応は、見事に真っ二つに分かれた。

 幕僚としての能力は、誰も疑問を持っていないが指揮官としての力量には年長の者は疑問符を持ち、年少の者は納得していた。

 ただ、1つの事実としては、第1統合任務艦隊の若手幹部の大半は、水島が練習艦隊の首席幕僚だった頃に練習艦隊に配属されていた、という事だ。

 そして、この世界に飛ばされてきた頃は寄せ集め感の大きかった第2統合任務隊を、短期間で第1統合任務艦隊に比肩するレベルまで鍛え上げた。

 ただし、その人使いの荒さは相当だったらしく、時折意見を求められていた島村と佐藤がかなり青ざめていたほどだ。

 それにしても、経験不足の海将補だと思っていたが、防衛省・・・正確には海上幕僚長が彼女を指揮官に抜擢したのもわかる気がした。

「人は経験だけでは、わからないか」

「何かおっしゃいましたか?」

 佐藤が首を傾げた。

「なんでもない。気にするな」

 板垣は咳払いをした。

「艦長。[きくづき]の映像を出せ」

「はっ」

 立吉がモニターを操作し、[ながと]から発信されている映像を受信する。

 艦橋に設置されているモニターの1つが、[きくづき]の状況を映し出した。

 艦尾から沈み、どんどん沈没スピードが早くなっている。

 海上には、[きくづき]の乗組員たちが漂流していて、作業艇、救難ヘリが忙しく救助活動をしている。

[きくづき]は全乗員200名いる。戦死者がいたとしても20名から30名前後だろう。負傷者がいたとしても、救助活動はまだまだ時間がかかるだろう。

 その間、敵の攻撃がない、と言えない。

「第2部長。敵の第2波攻撃はあると思うか?」

 板垣の問いに笠谷はモニターを眺めながら、考え込んだ。

「その可能性は低いと思います」

「理由は?」

「[きくづき]が被弾した時、第2統合任務隊は平文でその状況を報告しました。敵にはドイツ連邦軍がいますから、彼らも[ながと]からの通信を傍受しているはずです。第2波攻撃があるとすれば、すでにしています」

 笠谷の言葉に板垣はうなずいた。

「確かに第2部長の言い分はもっともだ。だが、絶対にないとは言えない訳だな」

「はい」

 笠谷がうなずく。

「上空支援のため、F/A-18Jを現場海域に上空警戒として発進させるのは必要か?」

「念には念を入れる、という事なら必要でしょう。敵の第2波が絶対にこないと言い切れませんから」

 笠谷の意見を聞くと、板垣は副長兼飛行長の城嶋(じょうしま)七海(ななみ)2等海佐に振り向いた。

「副長。F/A-18Jを4機発艦させよ」

「はい!」

 城嶋は艦内電話に飛びついた。

 城嶋から発艦命令を受け、4機のF/A-18Jが[やまと]から飛び上がった。

「首席幕僚。我々にとっては初めてと言える損害を出したな」

「はい。しかし、これまでの事を考えれば、この損害もたいした事はないのではありませんか?」

「そうだな。我々は多くの人命を奪った。これからも奪うだろう。そのしっぺ返しと比べれば確かにとるに足らんな・・・」

 板垣はモニターに顔を向け、[きくづき]に挙手の敬礼をした。

 幕僚たちも板垣に続き、挙手の敬礼をした。



 ミレニアム帝国本土とバラカス諸島の中間地点の海域に[フロリダ]が海中に潜んでいた。

[ノースダコタ]がミレニアム帝国近海で監視任務につき、[フロリダ]は中間地点で哨戒と陸上部隊からの要請があったら、直ちにタクティカル・トマホークを発射する。

「ソナーより、艦長(キャプテン)。スクリュー音を探知しました」

 ベテランのソナー員であるコリンズ(チーフ・)曹長(ペティ・オフィサー)が報告した。

「デストロイヤー(護衛艦)?」

 艦長(キャプテン)ケイリー・エヴァンズ・タカガミ大佐(キャプテン)は艦内マイクを持って、コリンズに問う。

「ネガティブ(いいえ)。音紋が違います」

「どこの艦?」

 コリンズは少し間をあけた後、報告した。

「音紋はドイツ連邦海軍のフリゲート艦です」

[フロリダ]のデータには、元の世界の海軍艦艇のスクリュー音がインプットされている。

 西側諸国の海軍艦艇のデータは、すべてインプットされている。

「音紋はフリゲート艦[バーテン・ヴュルテンベルク]級とミサイル・フリゲート艦[ザクセン]級です」

 コリンズからの報告に、ケイリーと副長のクリストファー・ロジャース中佐(コマンダー)が顔を見合わせる。

「やはり、ドイツ連邦海軍の艦艇もこの世界に来ていましたね」

 クリストファーの言葉にケイリ―はうなずいた。

「ドイツ連邦海軍の艦隊が数年前に消滅した事件があったわね。確かあれは爆発事故だったと報道されていたけど・・・」

「はい、ドイツ政府は消滅してから、すぐに報道しました。どうやら、ドイツ首脳部内もネオナチス派の議員がいたようです」

「この状況を見たら、すべてが納得いくわ」

 元の世界で数年前、ドイツ連邦海軍は外洋で演習を行う事を計画した。演習に参加する艦はどれもドイツ海軍の最新鋭艦だった。

 ネオ・ナチス派が異世界に軍隊を送る手段を持っていたのなら、すべてのつじつまが合う。

「ソナー。数は?」

「3隻です。速力16ノットでクーリッタン島に向かっています」

 コリンズが報告すると、ケイリーは通信士官に顔を向けた。

「通信士官。[やまと]に連絡。ドイツ連邦海軍のフリゲート艦3隻がクーリッタン島に向かっている」

 通信士官が復唱し、[やまと]に通信した。

[フロリダ]にも魚雷は搭載されているが、これは自艦防衛用であり、攻撃型原潜のように戦闘航海はできない。

 フリゲート艦3隻を相手に[フロリダ]1隻では、とても荷が重い。

「艦内無音航行」

 ケイリーは静かに言った。

「艦内無音航行。静粛を維持せよ」

 クリストファーが復唱する。

「深度80まで無音潜航」

 ケイリーは、このまま、ドイツ連邦海軍の艦隊を追跡する事に決めた。

艦長(キャプテン)。第1統合任務艦隊は勝てると思いますか?」

 クリストファーの問いにケイリーは自信のある口調で答えた。

「勝てるわ。アドミラル・イタガキ、[ふそう]艦長(キャプテン)Rimpac(リムパック)の魔女までいるのよ」

 クリストファーは目を細めた。

「敗戦を経験したもの同士の対決ですか。現代の艦隊戦ではどちらも初戦」

「日本とドイツの海戦というのも、なんとも皮肉な話ね・・・」

 ケイリーは日独の海戦を想像し、複雑な気持ちになった。かつての同盟国同士が思想の違いで、敵と味方に別れる。

(人というものは、残酷な生き物ね・・・)

 ケイリーは心中でぼやいた。



[フロリダ]からの通報は[やまと]にすぐに届いた。

 板垣は通信員から通信文を受け取った。

 彼は通信文にすばやく目を通した。

「なるほど・・・」

 板垣は小さくつぶやき、幕僚たちに通信文を渡した。

 幕僚たちも通信文をすばやく黙読した。

「ドイツ海軍のミサイル・フリゲート艦ですか・・・」

 艦隊幕僚長の島村(しまむら)三郎(さぶろう)1等海佐がつぶやいた。

「ザクセン級ミサイル・フリゲート艦はイージス艦には及びませんが、防空能力が高いフリゲート艦です。航空攻撃を仕掛ければF/A-18Jにも被害がでるでしょう」

 航空団幕僚長の岩澤(いわさわ)(しげる)1等空佐が通信文を幕僚に渡して言った。

「第2部長、首席幕僚。君たちの意見は?」

 板垣が2人の幕僚に意見を求めると、笠谷と佐藤は顔を見合わせた。

 2人の幕僚がうなずくと、佐藤が口を開いた。

「幸いにも我々は敵艦隊を先に察知しています。現代戦であるミサイル戦を先に仕掛ける事ができます。SSM-2B(17式艦対艦誘導弾)の射程距離に入りましたら、[フロリダ]から送られてくるデータに従い発射すべきです」

 佐藤が言い終えると、笠谷が航空作戦を具申した。

「SSM-2Bの発射と同時にF/A-18J隊が低空飛行で接近し、ASM(空対艦誘導弾)を発射します」

 2人の幕僚の意見を聞いて、板垣はうなずいた。

「見事にセオリー通りだ。しかし、ドイツ艦隊の対空迎撃能力を甘く見るのは危険だ。ミサイル戦で勝負をつける」

 板垣の言葉に岩澤と笠谷はうなずいた。

 彼は司令官席を立ち上がり、艦橋の窓から海上を眺めた。

「ドイツ連邦海軍の艦隊と遭遇する時間は?」

「約2時間半」

 板垣の問いに島村が腕時計を見ながら、言った。

「各艦に通信、戦闘開始は2時間半後、交代で食事と休息をとるように」

「はっ!」

 通信士が復唱し、全艦に交代で休息が指示された。



 ヘリ搭載護衛艦[ふそう]も幹部、曹士は交代で食事と休息をとっていた。

 ようやく自分の番が来て、樹村慶彦(きむらよしひこ)3等海尉は同僚の3尉と士官室に向かっていた。

「1時間後に戦闘か、缶飯でもいいけど、縁起のいいものを食べたいな、樹村?」

「縁起がいいもの?」

「例えば、カツ、とか」

「ああ、なるほど」

 そんな事を雑談しながら、2人は士官室に到着した。

 士官室に入ると、士官係が忙しく缶飯を配膳していた。

「おう、樹村。先にいただいてるぞ」

 同僚の3尉がご飯を口に入れたまま話しかけてきた。

「ちゃんと、飲み込んでから話そうね」

 がつがつという感じで食事をしている幹部たちを見ながら、樹村は自分の席に着いた。

 多分、一般の隊員たちの食堂も同じだろう。

 食事に、幹部も曹士も関係ない。

 缶飯はすでに蓋が開けられており、おいしそうな匂いが士官室に漂っている。

 今の樹村にとっては、ルクティアと会っている時間の次に大切な時間の始まりだ。

「さあ、飯の時間だぁ」

 樹村はうれしそうな表情で宣言する。

 箸を持ち、ご飯を口に運んだ時、悲劇は起こった。

「対水上戦闘用意!これは演習ではない!繰り返す・・・」

 いきなり、水上戦闘を知らせるブザー音が鳴り響いた。

「水上戦闘?まだ、時間はきてないぞ」

 樹村と共に士官室に入った3尉が立ち上がる。

「・・・・・・」

 樹村は無言でご飯が入った缶をテーブルに叩きつけた。

 それを見ていた3尉は心中で泣き叫んだ。

(やばい!血の雨が降る!)

 3尉だけではない。ここにいる幹部たちの背中に悪寒がした。

「くっくっくっ、リムパックの魔女。私の食い物の恨みをはらしてください」

 樹村は悪魔のような笑みを浮かべていた。



 この時、イージス艦[あさひ]のCICで来島(くるしま)(あまね)3等海佐は妙な悪寒を感じた。

「どうした、風邪か?」

 艦長の稲垣(いながき)海夫(うみお)1等海佐が声をかける。

「いえ・・・ただ、とてつもない憎悪のようなものを感じたのですが・・・気のせいだと思います」

 そう言った後、つぶやいた来島の独り言を稲垣は聞き逃さなかった。

「ご飯、食べ損ねた・・・」

「・・・・・・」

 聞かなかった事にしておこう。

 想定外の出来事に、食事の時間を奪われた砲雷長は、無言で水上レーダーを睨んでいた。



 CICに移動した板垣はレーダー員から報告を受けていた。

「ドイツ連邦艦隊が速度を上げました!速度26ノット!」

 レーダー員の報告に佐藤が記憶を探った。

「フリゲート艦[バーテン・ヴュルテンベルク]級の最大速度ですね」

「ああ。[ザクセン]級ミサイル・フリゲート艦の最大速度は29ノットだったな」

 板垣もドイツ連邦海軍のフリゲート艦の記憶を思い出していた。

「司令官。この様子では[フロリダ]の存在は気づかれていると思います。ドイツ艦隊は我々の位置までは気づいてないと思われます」

 佐藤の推測に板垣はうなずいた。

 彼は[あさひ]の水上レーダーの画像が映し出されているスクリーンを見た。

「気づかれている様子はないな・・・」

「はい。[あさひ]の水上レーダーは最新型で探知距離は長いです。ドイツ連邦海軍の艦隊のレーダーでは我々を捕らえる事はできません」

 佐藤が言った。

「そう言えば、我々の世界であれば、この海戦はイギリスとアルゼンチンの紛争以来初となりますね・・・」

 笠谷が、思い出したようにつぶやく。

「そうだな、皮肉と言えば皮肉だ・・・まさか異世界で現代戦の海戦とは・・・」

 板垣が腕時計を見ながらつぶやいた。

 現代戦で大規模な艦隊戦は第2次世界大戦以降行われた事はほとんどなく、フォークランド紛争だけである。

 イラン・イラク戦争でも海戦が行われたとされるが、主として双方の通商破壊戦だったため、海戦とは言えない。

「各艦にSSM-2Bの使用を許可する」

 板垣の言葉に通信員たちが[あさひ]、[はつかぜ]に攻撃指示を出した。

 現代戦であるミサイル艦同士の対決が異世界の海で行われようとしている。



「艦長。[やまと]より、SSM-2Bによる攻撃を許可するとの事です」

[あさひ]の通信士からの報告に稲垣は伏せた目を開いた。

「対水上戦闘。SSM-2B、攻撃始め、目標、ドイツ艦隊。発射弾数2(ふた)つ」

 稲垣の指示を来島が復唱した。

 操作員たちがSSM-2Bのデータを入力する。

「SSM-2B。発射用意よし」

 操作員が報告する。

「SSM-2B。発射始め!」

 副長が叫ぶ。

「1番発射用意・・・()ぇぇぇ!」

 担当の士官が発射ボタンを叩く。

[あさひ]のSSM発射筒から轟音と振動と共にSSM-2Bが飛翔した。

 17式艦対艦誘導弾(SSM-2B)は90式艦対艦誘導弾(SSM-1B)の後継として開発された誘導弾で、陸上自衛隊が配備している12式地対艦誘導弾(SSM-2)を水上艦用に改良したものだが、地上目標も攻撃できるようになっている。

 前型のSSM-1Bと同様に一撃で現代艦を轟沈できる威力を持つ。

 SSM-2Bが高く飛翔した後、一気に高度を下げ、海面すれすれを飛翔する。

「2番発射用意・・・撃ぇぇぇ!」

 2隻の護衛艦から遅れて2発目が発射される。

 今ごろドイツ艦隊は対空レーダー等でSSM-2Bの接近を探知しただろう。

 現代戦である以上ミサイルの対処はいくらでもある。

 電子戦で接近するミサイルを攪乱し、海面に墜落させる。ハープーン対艦ミサイルならそれで防御できるだろうが、防御システムを搭載しているSSM-2Bには効かない。

 電子戦で効果がないと判断したら、敵は対空ミサイルによる迎撃を試みるだろう。

「ドイツ艦隊より、行動目標が分離、SAM(艦対空ミサイル)が発射された模様!」

 ドイツ艦隊から発射されたSAMが第1波のSSM-2Bと重なる。

「第1波、迎撃されました!第2波のSSM-2Bはまっすぐ目標に向かっています!」

 レーダー員の報告に稲垣はレーダースクリーンを睨む。

 SSM-2Bが命中10秒前になった。

「9、8、7、6、5、4、3、2、1、スタンバイ」

 SSM-2Bの光点がドイツ艦隊と重なる。

 2隻のフリゲート艦の光点が点滅し、光点が消えた。

「敵艦、2隻撃沈!」

 レーダー員の報告に乗員たちが、おお、と声を上げた。

「対空レーダーに注意しろ!ネオ・ナチスの連中を甘く見るな!!」

 来島の鋭い声が響く。

 一瞬でCICの空気が引き締まる。

(さすがだな・・・)

 まだ、姉には及ばないが妹の部下を掌握する能力も大したものだ。

 稲垣は、無言でうなずく。

 レーダー員が声を上げる。

「敵艦1、行動目標が分離!高速で[やまと]に接近!ハープーンが発射された模様!」

 レーダー員が操作し、[やまと]に向かっている高速目標の正体を掴む。

「目標確認!ハープーン、間違いなし!」

「目標再探知、まっすぐ[やまと]に突っ込んでいく!」

 次々と報告が入る。

「我々がいる限り、[やまと]には指1本触れさせない。対空戦闘!ECMをアクティブ・モードに切り替え!」

 来島が指示を出す。

「ECM(電子妨害)。アクティブ・モードに切り替えました!」

「照射!」

[あさひ]からECMが照射された。

 発射されたハープーン対艦ミサイルはECMより、コンピューターが狂い海面に激突した。

「[はつかぜ]、SSM-2Bを発射!ドイツ艦隊の残存艦に向かって飛翔中!」

 稲垣はうなずく。

[はつかぜ]から発射されたSSM-2Bはまっすぐドイツのフリゲート艦に向い、命中する。

 SSM-2Bの着弾で、フリゲート艦3隻は轟沈しただろう。

 レーダーから光点が消えた事でそれがわかる。

 おおっ、という声が上がる中、稲垣は自分の隣りに立っている来島の横顔を見た。

 来島は、無表情で光点の消えた水上レーダーを見つめていた。

(リムパックの魔女は、異世界で本物の魔女になったか・・・)

 稲垣にはそう思えた。

 完結篇前篇第8章をお読みいただき、ありがとうございます。

 誤字脱字があったと思いますが、ご了承ください。

 次回の投稿は今月の25日までを予定しています。

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