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49 記念すべき25作品目(百獣戦隊ガオレンジャー)

 平民のひろろさん様のリクエストです。

 「百獣戦隊ガオレンジャー」は、2001年放映のスーパー戦隊シリーズ25作品目です。

 番組冒頭に「スーパー戦隊シリーズ」のマークを入れ、「○作目」というのを押し出すようになったのはこの作品からです。

 といっても、「超獣戦隊ライブマン」は「スーパー戦隊10周年」、「五星戦隊ダイレンジャー」は「スーパー戦隊15周年」と、それなりに大々的にアピールしていたんですけどね。

 挿絵(By みてみん)

 挿絵(By みてみん)


 ここで、「数が合わない」と思った方、鋭い! そして詳しい!

 実は、「ダイレンジャー」当時は、スーパー戦隊シリーズは「秘密戦隊ゴレンジャー」からではなく、「バトルフィーバーJ」から数えていたのです。ですから、「ライブマン」最終回の翌週には、「高速戦隊ターボレンジャー」の1話として、10周年記念の特番「頼むぞ!ターボレンジャー」が放映されています。バトルフィーバー~ライブマンまでの48人+ターボレンジャー5人の合計53人がテレビ画面に並びました。

 今でこそ、仮面ライダーもウルトラマンもプリキュアも二桁三桁当たり前ですが、当時は仮面ライダーが11人、ウルトラマンが13人しかおらず、プリキュアはまだいなかった時代です。想像を絶する大人数でした。

 今は、最終回の後に特番が入ったりして途切れていますが、ほんの数年前までは、「バトルフィーバーJ」からずっと連続でシリーズが放映されていたのです。連続で、というのは、最終回の翌週には新番組の1話が放映されるという意味です。そのために、特番である「頼むぞ!ターボレンジャー」が「ターボレンジャー」の1話としてカウントされているのです。まぁ、ちょっと小狡いですけどね。




 この辺は、色々と事情があるのですが、当時は石ノ森章太郎原作である「秘密戦隊ゴレンジャー」「ジャッカー電撃隊」と、八手三郎原作名義の「バトルフィーバーJ」以降の作品は別シリーズとされていました。東映には、「忍者キャプター」のようなカラフルな集団ヒーローものがほかにもありましたから、不思議でもなかったのです。

 企画としても、「バトルフィーバー」は「スパイダーマン」に続くマーベルヒーローもの(キャプテンアメリカ×5人+巨大ロボ)としてスタートしていますので、「ゴレンジャー」とは別シリーズです。

 バトルフィーバーだけがゴーグル系でなく目があったり、5色の色分けをされていなかったり(ジャパン、フランス、アメリカは体が白い、コサックはオレンジ、ケニアは黒と緑)するのは、戦隊として企画されたわけではないからです。むしろ「アクマイザー3」の方が近いでしょう。

 結局、放映された「バトルフィーバー」にはマーベル的なところはほとんど残っておらず、5人の強化服ヒーローが巨大ロボを操縦するというフォーマットだけを残して「電子戦隊デンジマン」が製作されました。そのデンジマンがゴレンジャー的な色分けを持ち込んだことから混同が始まったのです。続く「太陽戦隊サンバルカン」は男性3人のみの構成であり、決してゴレンジャー的なフォーマットを目指していなかったことがわかります。

 元々、特撮に興味のない一般の人には、“赤青黄桃+αの5人組はゴレンジャー”という印象があるので、「デンジマン」を見ても“ああ、ゴレンジャーの同類ね”とか思うわけです。「超星神グランセイザー」を見たって“ああ、ゴレンジャーね”です。興味のない人には、見分けなんかつきません。

 「ゴレンジャー」をスーパー戦隊の初代と数えるようになったのは、1995年放映の「超力戦隊オーレンジャー」からだったと記憶しています。

 詳しい事情はわかりませんが、後楽園遊園地野外劇場(今の東京ドームシティ・シアターGロッソ)の1月期公演「復活!伝説の戦士ゴレンジャー」での、ゴレンジャーとオーレンジャーの共演でした。「オーレンジャー」に、アオレンジャー(新命 明)ビッグワン(番場壮吉)を演じた宮内洋さんが司令官役でレギュラー出演していたことも関係しているかもしれません。


 そして、「ガオレンジャー」が「ゴレンジャー」から数えると25作品目とキリが良かったことから、それを前面に出すことになったのでしょう。

 前年に「仮面ライダークウガ」が放映され、仮面ライダーシリーズが復活したことも影響しているかもしれません。

 個人的には、「バトルフィーバー」からの“全く中断することなく続いている長期シリーズ”の方が価値があるような気がしますが。

 「仮面ライダー」も「ウルトラマン」も、シリーズとしては何度も中断を挟んでいますからね。




 それはともかく「ガオレンジャー」です。

 この作品は、オルグと呼ばれる鬼と、パワーアニマル(精霊)に選ばれた戦士ガオレンジャーとの戦いを描く物語です。

 特徴としては、巨大ロボが「精霊王」という生物であること、ガオレンジャーはお互い仲間の本名を知らず、変身前から「レッド」などと色で呼んでいることが挙げられます。

 レッド=獅子走のように最初から明らかだった者もいますが、それでも色で呼び合っていたわけです。だから、最終回でいきなり自己紹介合戦が始まったんですね。

 もう1つの特徴が、精霊王の合体パターンの複雑さです。

 「百獣武装」という、手足を換装するシステムで、数え切れないほどの合体パターンを生み出しました。

 作中に登場する精霊王は4体(劇場版オンリーのガオナイト、ガオレンジャーが乗り込まないガオゴッドを入れると6体)。

 ガオライオンを核とするガオキング、ガオゴリラを核とするガオマッスル、ガオフェニックスを核とするガオイカロス、ガオリゲーターを核とするガオハンターの4体となりますが、実は4体揃い踏みは不可能です。というのは、上半身と下半身の数が合わないからです。

 ガオリゲーター1体で上半身と下半身を構成しているガオハンターは別ですが、上半身を構成するパワーアニマルが3体いるのに対し、下半身になるパワーアニマルはガオバイソンとガオライノスの2体しかないからです。


 玩具的には、パワーアニマルの商品を全部持っていれば、イカロスの上半身に巨大ガオライオン(本編中、おにぎりを食べて巨大化していた時期がある)を合体させることで、ガオキング、ガオマッスルストライカー、ガオケンタウロス、ガオハンターという形で4体揃い踏みが可能ですが、この場合、ガオライオンが2体いることになるので、本編では不可能です。

 何やらわかりにくくなってきましたが、この複雑さこそが「ガオレンジャー」最大の特徴なのです。

 ガオキングはセット売りなのに、その後のパワーアニマルはバラ売りされました。ガオマッスルを完成するには、ガオキングのセットのほかにバラ売りのガオゴリラ、ガオポーラー、ガオベアーが必要、そうかと思えばガオイカロスはセット売りもされたため、先にガオジュラフを買っていた人は、ガオイカロスセットを買うとガオジュラフがダブるのでバラ売りで揃えなければならないという…。

 こうした商品展開の複雑怪奇さは、おもちゃ屋さんでも把握しきれず、親は何を買ったら子供の欲しいロボットになるのかわからないという恐ろしい状況になったそうです。なにせ腕を交換すると別の名前になるんですから、把握できなくて当然ですよね。

 一番ひどかったのは、前述の巨大ガオライオンで、これはクリスマス商戦用の大型商品であるにもかかわらず、ガオケンタウロスの下半身としてしか使用されず、しかも登場回数もわずか2話と少ない上、これ1体では何もできないのです。

 わけもわからずこれを買い、孫にプレゼントしてがっかりされた祖父母が結構な数いたとかなんとか。


 「ガオレンジャー」がターニングポイントとなった点として、“巨大ロボの合体コードが統一された”ことが挙げられます。

 どういうことかというと、これ以降、巨大ロボの合体コードは「○○合体」に統一されたのです。「○○」には、戦隊名が入ります。「百獣戦隊」なら「百獣合体」というわけです。

 それまでの戦隊では、同じ番組中でもロボが違えば合体コードも違っていたのです。

 例を挙げれば、「超獣戦隊ライブマン」では、ライブロボは「ライブディメンジョン」、ライブボクサーは「ボクサーディメンジョン」、スーパーライブロボは「スーパーライブディメンジョン」となっていました。

 「ガオレンジャー」の前番組である「未来戦隊タイムレンジャー」では、タイムロボαになる時は「3Dフォーメーション、タイムロボα」、シャドウαになる時は「デルタフォーメーション、シャドウα」、ブイレックスロボの変形は「ボイスフォーメーション、ブイレックスロボ」でした。

 それが、「ガオレンジャー」では、ガオキングだろうとガオマッスルストライカーだろうと全部「百獣合体」、腕などの換装は「百獣武装」で統一されました。

 あまりに多い合体パターンのせいなのか、戦隊シリーズが続きすぎて巨大ロボが増えすぎたせいなのか、合体コードを増やすのも大変だったのでしょう。

 ま、覚えやすくていいですけどね。





 「ガオレンジャー」では、前年放映の「仮面ライダークウガ」のお母さん人気を受け、お母さん向けのキャスティングもしています。ガオブルーがそうだったんですが、あいにく人気は出ず。中盤登場のガオシルバーを演じた玉山鉄二さんが人気を攫っていきました。計算どおりにはいかないものです。

 玉山さんは、その後、洗剤ボールドのCMを経て、NHKの朝ドラ「マッサン」で主人公を演じましたね。

 後は、ガオブラック役の酒井一圭さんは、純烈のリーダーとして活躍していますね。純烈のメンバーは、ガオブラック、カブトライジャー(ハリケンジャー)、仮面ライダーゾルダ(龍騎)と、4人中3人がヒーロー出身なんですよね。以前は、更に仮面ライダーギルス(アギト)もいました。酒井さんはあばれはっちゃくだったりもします。




 番組的な特徴としては、手袋に爪がついていること、アクションや名乗りの際に「牙吠!」などと漢字のエフェクトが出ることなどが挙げられます。

 それと、ガオズロックという空飛ぶ岩を基地にしているため、本拠地が一定していないというのも特徴でしょうか。毎回のように違う町で事件が起きるわけです。序盤はパワーアニマル探しをしていましたから、手がかりを求めてあちらこちらに出掛けていた感じですね。




 「ガオレンジャー」の敵は鬼で、怪人に当たるオルグは1本角、幹部であるデュークオルグ(ツエツエとヤバイバ)は2本角、戦闘員に当たるオルゲットは角の代わりにコブと、外見で差を付けています。

 大幹部であるハイネスデュークは3本角で、酒呑童子(シュテン)温羅(ウラ)羅刹(ラセツ)と、日本で割とメジャーな鬼の名前でした。

 デザイン的には、シュテンは目、ウラは鼻と耳、ラセツは口と、人の顔のパーツをモチーフにして統一感を出していました。

 個人的には、ラセツの声を柴田秀勝さんがやっていたのが嬉しかった。特撮で声を聞くのは随分久しぶりでしたね。




 正義側の服が年間通して替わらなくなったのもこの作品からですね。

 理由は、5人の普段着が「ガオジャケット」という大人向けのアパレルアイテムとして売られたことです。

 これ以前にも、「ゴーゴーファイブ」で救命服が、「タイムレンジャー」で5人の仕事用のユニフォームが、それぞれ商品化されていましたが、普段着そのものが商品化されたのは初めてでした。

 ここから数作にわたって普段着が発売されていたと記憶しています。



 あと、大きなポイントとして、「VSシリーズ」に新しいパターンを生んだというのもあります。

 「超力戦隊オーレンジャー」以来、オリジナルビデオ(Vシネマ)で、前年の戦隊と共闘する「VSシリーズ」が続いていましたが、「ガオレンジャー」では“過去の複数戦隊と共闘する”という新パターンが生まれました。

 その後、5年ごとに「VSスーパー戦隊」になるというパターンになっています。

 で、初となった「ガオレンジャー」では、5人それぞれに過去戦隊のヒーローが1人ずつついて導くという展開になりました。

 ガオレッドには「ジャッカー電撃隊」からビッグワン、ブラックには「星獣戦隊ギンガマン」からギンガブルー、ブルーには「救急戦隊ゴーゴーファイブ」からゴーイエロー、イエローには「ライブマン」からレッドファルコン、ホワイトには「電磁戦隊メガレンジャー」からメガピンクです。

 それぞれが絡むペアには共通点とか意味はほぼないのですが(多分、出演可能な役者の都合)、怪しい虚無僧姿で登場するビッグワン=番場壮吉など、とてもらしい(・・・)姿を見せてくれました。

 番場は、「ジャッカー」本編でも、怪しい変装で敵を煙に巻いていましたし。

 メガピンク=今村みくが、できないことを気に病む必要はないとガオホワイトを慰めたり。みくは、「メガレンジャー」において、唯一何の取り柄もない戦士でしたから。

 中でも、鷹羽的にとても嬉しかったのが、レッドファルコン=天宮勇介でした。

 ガオイエローとヤバイバが戦っている時、勇介が墓参りしていた墓石を踏んだヤバイバに怒るという流れでした。

 その墓は、武装頭脳軍ボルトの幹部にして勇介の親友:Dr.ケンプこと如月剣史のものでした。

 元々ボルトの幹部中3人は勇介達の友人であり、Dr.オブラー=尾村豪は途中でボルトを離反、Dr.マゼンダ=仙田ルイは最期に改心して死亡しています。

 ルイの墓は、「ライブマン」本編中に登場していますが、ケンプ=剣史は、最終回にしてようやく「俺もやり直したい」と言って死んだため、作中では墓は描写されていませんでした。

 その墓がまさか見られることになるとは…。

 これだけで、見る価値のあるVシネマです。

 クライマックスには、過去戦隊のレッドの操るメカが総突撃するのですが、ちゃっかり宮内洋さんが1人3役しています。

 新命明アオレンジャーがバリドリーンを操り、番場壮吉がスペードエースに、三浦参謀長がオーレッドに、それぞれ指示を出しています。

 ちなみに、メカの中でゴレンジャーのみアカレンジャーでなくアオレンジャーなのは、「ゴレンジャー」では飛行メカ操縦はアオの役割であり、アカレンジャーはバイクしか持っていないからです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 子供とVS.見ましたが 宮内洋が美味しいとこさらっていった記憶が
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