マネージドバイワンダリングアラウンド
システム:ラララ・ベルフェが入室しました。
ラララ☆「お主ら、何つぅことをしているんだ――!」
キャロル「こんにちは? どなたでしょうか?」
ラララ☆「おやおや。私の名前を知らないとは! まだまだ世界は広いと見える」
キャロル「え!? えぇぇぇぇ! まさかの魔王ラララ!? なんでこんなところにゴーストラリア魔王国の魔王さまがいるのです?」
キャロルはあまりの場違い間に目がくらくらする気がした。
なぜにそんな世界の重要人物がこんなチャットに出てくるのか。
ラララ☆「そりゃぁお前、四天王の一人だから? 要は相談役みたいなものだな」
キャロル「ほへー」
ため息しかでないとはこのことだろうか。
お鍋の宴会部長とは訳が違う。なにしろ一国の王である。こんなところに現れるのは絶対におかしいだろう。
それはまるで、場末の飲み屋でハイボール片手に赤ら顔の内閣総理大臣が現れたり、そこらで食用カエル用にザリガニ放流して侵略的外来種化し天然自然を破壊して悦に入る大統領が現れたりするようなものではないだろうか。
しかし――、アリスの錬金術師としてのレベルの高さを考えればあり得ない話でもないだろうとキャロルは思い至る。
運営A☆「あー。ごめんなさい。やっぱり経験点を売ったのが悪かったか……」
アリス☆「ワシは遊ぶ金が欲しかっただけなのじゃ」
ラララ☆「アリスよ。遊ぶ金が欲しいならジュエルを集めてどうするのだ」
運営A☆「ほら、ジュエルを一気に集めれば、そのうちお金をジュエルに変える所とか出てくるんじゃないかと思ったわけで。ほら、パチン〇屋ってあるじゃない? あの3点方式をイメージして……」
ラララ☆「なぁそれ、ちゃんと調べようよ。うちの国でやって"いた"からな。お金からジュエルへの課金は。その逆もだ」
アリス☆「そ、そうだったのか――」
ラララ☆「そうだよ。
回数3回限定ジェル7、500個100,000円、
それ以降はジュエル5、000個100,000円、
ジュエル500個と毎日ジュエル50が貰えるパックを9、800円、
で売っていたのだが、昨日今日で、なんとそのジュエルでいきなり100百万円分の取引が発生したとか担当から報告があったぞ。うちの担当をビビらせるな。普段は研究用に年100,000円くらいしか出ていかないものなのに。すぐにサーキットブレーカーを発動させて市場閉鎖したから良いようなものの……」
アリス☆「うは。いくらなのじゃ、それ」
運営A☆「なにその10kgのお米を買って、持ち帰り時に「クソ思てぇ。いったいこの米何キロあるんだ」とかいうような発言は。100百万円なら1億円に決まっているだろ」
ラララ☆「と・に・か・く! そのせいで国家間がいま絶賛問題になっているのだよ! 主に外為法で! ついでに先物とか言われていていま現在調整中だ」
運営A☆「少額ならともかくその桁になったらそうなるだろうな」
ラララ☆「まったく。国家間の争いをお前らのお笑いネタで生み出すな、と私は言いに来たんだ」
アリス☆「すみません……」
運営A☆「あぁ、それでオークションでの経験点のジュエル価格が突然あがったのか。今や経験点1点あたり、1,500,000ジュエルもしているからな」
キャロル「なにか次元が違う争いが起きているのですが……」
運営A☆「最初は100ジュエルくらいの争いだったからなぁ。効能が知れると15,000ジュエルくらいに高騰して、そこからドーンだぞ」
キャロル「15,000ジュエルも相当だと思うのですが。もう学生で出せる額じゃないです」
運営A☆「1日1回のログインボーナスで1ジュエルだろ? この異世界の1年がうるう年は無視して360日で、40歳の大人が0歳から換算すると14,000ジュエルが得られるとすると、15,000ジュエルはぎりぎり1人経験点1点は取れるくらいか? 後は――、事情を知らない情報弱者から安価で巻き上げる方向だろうなぁ」
別にニュース等で報道されていないからには、国民全てがEXPアッパーのことを知っているわけではない。そこで今まではただ当然のジュエルを高く――だいたい1ジュエル1円とかで――買うと言われれば喜んで手放すヒトもいることだろう。
アリス☆「維持費がスライム消費すると1日10ジュエルで、村人Bの生産力が1,000点/日の経験点を稼げるから――まさにぼろもうけじゃな」
運営A☆「供給不足過ぎるんだよ。なんとか増やさないと暴動が本気で起きるぞ」
ラララ☆「いやいや、供給自体やめなさい! あなたのところはダンジョンでしょう! ダンジョンならダンジョンらしく冒険させなさいよ! こんなこと前代未聞よ!」
アリス☆「冒険ならたくさんさせているのじゃ! ワシは村人Bがいつも御池にハマってるのを見て、さぁ大変とゲラゲラ笑っておるのじゃ!」
運営A☆「あー。今日村人Bがチャットに沸いてこないのはそういう……」
キャロル「あのぉ。経験点を配るのは別にわたくしたちだけじゃないと思うのですが……」
ラララ☆「ほほう。そんなことあるわけがないであろう。私も魔王だ。もしもそんな例があるのなら、この経験点の配賦を認めてやろうではないか」
キャロル「この前、『上座空想坊主黒蟲絵巻』を我が国に提供しましたわよね?」
ラララ☆「あ」




