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おいしさが最良のサービスとして良質吟味の肉を提供している最高の会社、肉肉苑



  肉肉苑(にくにくえん)とは、エセ大日本帝国が誇る高級焼肉店である。全国展開するチェーン店だ。


 『高級』という形容詞が付く通り、少々お値段がお高い。しかし、おいしさが最良のサービスとして良質吟味の肉を提供している最高の会社の一つでもあった。


 もちろんのこと、全室個室の密室だ。

 その焼肉によって生じる煙対策、空調処理も万全である。


「あはははは――。それで女装癖と勘違いしたその痴女に絡まれて服選びまでさせたのか?」


「もう大変だったからな! サイズ調整とか考えたら紐で縛れるようなやつが良いと考えて、ひらひらなのを――、とか言ったらホントにピンクのゴスロリした、ひらひらのたけー服を何着も買わされることになってだな――」


「うむ。それだけあってかわいいのじゃ」


「彼女のセンスだけは認める。やっぱり僕じゃ女性服のコーディネートは無理だ。彼女自身も目の覚めるような美少女だし。しかもでかい。これで、痴女でなければ最高なのだが」


 黒髪のウィッグを被ったアリスは、前述のゴスロリ風服を来てご満悦のようであった。


「一度村人Bが試着していると言うのは多少気にいらんのじゃ。しかし、こんな面白画像が取れるならそれも良いのじゃ。ほれ『ステータス』なのじゃ。運営Aもみるのじゃ」


「あー。僕が撮ったやつじゃないか。運営Aに見せたらダメだよー」


 アリスがウィンドウシステムの画面を開き、映像を拡大すると、そこには同じ服を来た村人Bの姿が綺麗に映っていた。村人Bが試着したときに撮ったのを、アリスが問いただして圧を掛けて入手したのである。


「どれどれー。ぶははははー(爆笑している)」


「お前! 笑いすぎだろー」


 それをみた運営Aは盛大に笑っていた。


「服の建て替えた金を出すのも俺だ。なら、多少は笑う権利もあるというものだろ?」


「く。出資者に反論できないのが悔しいぃぃぃ」


「おっと、肉が焼けたようじゃよ。異世界の焼肉とやらを堪能しようじゃないか――」


 アリスは焼肉の網に自分の陣地を構築して焼肉を楽しんでいる。


「しかしあれだな――、この横に映っているのがその彼女さんか? かわいいな。この顔立ちから言って現地の人だろう? それに、でかい」


「彼女じゃねーって。少なくとも女装癖のある男に興味がある痴女と付き合う気はねぇよ。羞恥に塗れながら、しかし女性モノ、しかもアリスさんに似合いそうな、超絶かわいい服を買わなくてはいけないというこの崇高なミッションを(こな)さないといけなかった俺の努力を買ってもらいたいものだね。でも彼女の存在は非常に助かったよ。僕に女服選びのセンスはないって今回はっきり分かったよ」


「なんじゃ。興味を持たれているのであればモノにすればいいのに。案外、女装とかでなく村人Bの魔力にあてられて興味を持ったのかもしれんぞ? お主に近づくためにな。なにしろレベル20じゃ。今の異世界では普通おらんじゃろ?」


「なにそれ怖い。分かる人にはレベルの高さがすぐにバレる、ってこと?」


「それが嫌なら《隠蔽》スキルを取得することじゃ。白スキルじゃ。3スキルポイントなど、いま20レベルの村人Bならば誤差じゃろ? 取得しても残り17スキルポイントある」


「普通ならば無理ゲーだろ、それ……」


 レベル5やレベル6が最大とか言っているこの異世界において、おいそれと《隠蔽》スキルに手を掛けるようなニンゲンはいない。


「その反面、取得さえしてしまえば効果はばつぐん! じゃ。ワシも持っとるのじゃ」


「なるほど――」


 村人Bは理解したと頷く。

 逆に青い顔をしているのは運営Aであった。

 彼もレベル3保有者なのだ。

 魔力の漏れなどは気になるところだろう。


「俺は大丈夫なのか?」


「そんなもの、レベル1~5程度であれば漏れる魔力など誤差なのじゃ」


「つまり裏を返せばそれ以上となると――、《隠蔽》スキルは必須となるわけか。こりゃ計画が狂うなぁ……」


 運営Aは追加の肉を頼みつつ、焼けた肉を頬張っていく。

 その真っ赤な肉が熱を帯びて良い感じになっていくのはある種の感動を呼び起こすものであった。


「なんじゃ? なにか計画しておるのじゃ?」


 そういいながらも肉を焼く手を休めないのはさすがの一言である。

 アリスは欠食児童のように、村人Bの肉を奪い口にいれていた。

 真っ黒な秘伝の焼肉のタレは、まさに秘伝としかいいようのない絶品である。


 それにレモンを掛ける――肉に染みわたる姿は至高だ。


「ははーん。アリス総帥! 我ら悪の秘密結社セヤロカーの四天王幹部としては、ワルだくみの一つも考えるわけですよ」


「むむ。言うてみぃ!」


 そこで運営Aはその計画したという目論見を話し始めるのである――




















「な、なんじゃと――」




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