大量の日本人を異世界に送り込みたいな! せや! 山手線で衝突事故でも起こそう!
いままで、だれもおかしいとは思ったことはないのだろうか?
日本の人口は減っている。
なぜ減っているのか?
それは、異世界転生が継続して起きているからに他ならない。
日本の総務省統計局の情報では、2021年(令和3年)10月1日現在の日本の総人口は1億2550万2千人で、前年に比べ64万4千人(―0.15%)の減少となり、減少幅は比較可能な1950年以降過去最大となっている。
そう、64万4千人だ。とても尋常な数ではない。
そんなニンゲンの多くが、この日本では毎年異世界転生する。
当然だろう。なぜならここは、「小説家になろう」なのである。
――で、あるならば逆に異世界転生をしない方がおかしいというものだ。
小説家になろうではそう、ありとあらゆる異世界転生が小説的に行われていた。
あるときの異世界転生者はスライムになったり、ある異世界転生者は自動販売機になったり、ある異世界転生者は悪役令嬢になったり、とそのパターンはいろいろだ。
だが、人数についてはどうだろうか。
せいぜいが、クラス単位くらいなのではないだろうか?
あとはせいぜい、部屋単位だろう。
具体的には、居酒屋とか? レストランというパターンもあったか?
しかし気にはならないだろうか?
何千万人という日本人が異世界転生したら、その異世界はどうなってしまうのかと?
なにせ、日本人とはネタに走らせたら他の追随を許さない民族性なのである。アッという間に令和化するのではないかと。
だが、そこで疑問が生じるだろう。
そんな大量のニンゲンをどうやって異世界に送れば良いのかと。
異世界転生物の小説の場合、異世界にニンゲンを飛ばすことは小説の冒頭で行われ、異世界転の話を惹きつける魅力の一つになっている。
多くの場合、それはトラックで轢かれることで行われるだろう。
だが、トラック一台で轢ける人間というのはそう多くない。最近の自動車はクラッシャラブルボディというものを採用しており、事故の衝撃から運転者を守るためにわざと壊れやすい造りとなっているのだ。
したがってトラックが轢き殺せる数はせいぜいが1人か2人であり、それ以上となるとなかなか難しい。
そして、トラックの車種も問題だろう。
果たしてそれは、いす〇なのか、とんとんとんとんしの〇にとんなのか? それが問題だ。スポンサーがなくなるかも知れない問題という、とても深刻な問題をはらんでいるのである。
もしも大量にニンゲンを轢き殺すトラックなどの評判が出てしまえば、トラック企業から苦情が来るかもしれない。そう、企業から批判などきたら人生生きていけないのである。
ならばクラス単位で各市町村1つずつ異世界転生させるのはどうだろうか? そしてバトルロイヤルを行わせる。グンマ―とトチギ―の争いは心踊るものとなるだろう。
なにしろ時代は少子高齢化である。
何人もいなくなったとして、そいつらを異世界転生させたとしても、「あ、少子化だから、さーせん」とかなんとか言えば大量の子供を異世界に送り込めるに違ない。
だが、たかがガキごときを多少異世界に送り込んだとしてどうということはないだろう。どうせ送り込むなら、そうもっと大人も巻き込んだ方が酷い物語ができるだろう。技術者だ。もっと技術チートができる技術者を異世界に送り込むのだ。
そんなことを思いながら作者が旧国鉄の山手線に乗っていると、なんとその山手線が15分の永きに渡り遅延を発生させたのである。
黄緑色の電車は止まり、駅から走りださない事象が何分も続く。
そんなことですら不満をあらわにする乗客たち。
謝る黒の制服を来た職員からの放送が聞こえる。
その話を聞くと、どうやら人身事故だという。
なんてことだ。人身め! 天下の旧公務員の手を煩わせるなんて!
きっとその人身は、はた迷惑な鉄のヒトに違いない。
しかし、人身の事故にたったの15分とは、多いのか少ないのか。いや――、それほどまでに職員の能力が高いのだろう。
しかし、そこでふと思った。
もしかして、電車同士がぶつかりあえば、大量の異世界転生が生じたことにできるのではと。
そこで作者は確認した。
JR山手線と、JR京浜東北線をなんとか衝突させることはできないかと。
上野で山手線に乗ると、1つのプラットフォーム上では同じ方向のJR山手線とJR京浜東北線に乗ることができる。
しかし、しかしである。
品川で山手線に乗ると、1つのプラットフォーム上では互いに違う方向のJR山手線にしか乗ることができないのだ。
これはおかしいだろう! 絶対にだ!
ユークリッド幾何学の平行線は無限遠点で交わるかのように、内側のJR京浜東北線は外側のJR山手線とどこかで必ず交わっているに違いない。
――となれば、年に何回かはずっこん、ばっこんと、JR京浜東北線とJR山手線は衝突事故が発生し、大事件へと発展しているのに違いないのだ。そしてそれはゴシップとして何者かの手によって政治的に抹殺されるのだ。
いや、まて!
そんな難しいことを考えるまでもない!
もっと単純に衝突しそうな路線があるではないか!
JR山手線は、な、なんとそのど真ん中をJR中央線が走っているのである。
伝説的な量販店の唄にもそのレジェンドがある。真ん中を通るのは中央線であると!
新宿西口に構えるその量販店の名を告げることはできないが、確かにJR山手線の真ん中を通るのはJR中央線だとそのレジェンドな唄では吹聴していたのだ。
今では秋葉原にも店を構えている量販店なのに、である。
――もしかして関西側のヒトは知らないかもしれないので補足しておくと、だいたい中央線と山手線のイメージとしてはこんな感じである。
―Θー
この〇がJR山手線で、―――がJR中央線だ。この〇と―――の交わっている交点ところ、例えば左側の交点である新宿西口駅前にある有名量販店の近くなどでは、年に何回かはずっこん、ばっこんと電車が衝突する大惨事が発生し、そして15分くらいの遅延で片付けるに違いないのである。
大惨事に発展すれば量販店のでかいカメラは大量に売れることだろう。
そうだ。違いない!
一年に64万4千人などという大量の人命が無くなるのだ。これくらいの大規模災害くらいであってしかるべきではないか。
いや――、本当は違うかもしれない。
もしかしたら、鉄の人が正しい答えを知っているかもしれない。
だが、鉄の人は怖い。
「鉄の人」「悪行」そんなワードで検索すると幾らでも怖い話題が出てくる。
・あるときは電車撮影の景観確保のために数々の木を切り倒し。
・あるときは水面に反射するきれいな黄緑色の電車を撮りたいと田畑を水浸しにして地域農家の作物を全滅させ。
・あるときは緊急停車する電車が撮りたいと線路に置き石をして脱線させ、ときには発煙筒を線路に投げ込みまくる。
何億円もの被害総額を出す彼ら鉄の人。
そんな彼らに近づいたら、それだけで西川口駅で起きた中学生障害事件と同じく暴行して来るかもしれない。
鉄のヒトの一部は、実際に反社とつながっているというツイッ〇ーのコメントまで掲載しているのだ。
いや、とにかくそんなことはどうでもいい。
とにかく大量の日本人が異世界転生した。
そうしないと、この小説の物語は始まらないのだから――




