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つばめと学ぶ異世界生活事情  作者: とりあえずごはん(・ω・)
第一章 王都一人暮らし編
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78話


 お昼にしようとしたらウルスラさんが来客を知らせてくれた。透明な魔道具を回収しにきたらしい。


 ユリエルさんが入室を許可して、魔道具は厳重に保管、移動されて行った。ついでに翻訳して無いもう一つの魔道具も回収してもらった。


 最後に模写と翻訳した紙や手袋等と言付けを書いたメモを引き渡して終了だ。

 ロジャーさんの机の上スッキリだね。



 さて、今度こそお昼ご飯だ。



「ユリエル長官お茶飲みますか?」



「……いただこう」



 お茶を2人分入れて冷蔵庫からお弁当を取り出した。ユリエルさんは今日はお茶だけっぽいな。


 私はサラダの瓶を軽く振ってから器に出して枝豆もプラスしてモシャモシャ食べ始めた。



「もう一つの箱はよかったのか?」



「あー…多分大丈夫だと思います……いや、大丈夫じゃ無いのかな?」



「?」



「偽物っぽかったので………」



 ユリエルさんは黙ってしまった。うん、そうだよね。あんなに厳重な魔道具に仕舞われてる物が偽物だなんて誰も思わないよね。


 なのでメモに『小さい方は多分本物。大きい方は文字なし』と書いて渡した。

 人族の国の翻訳は何十枚か頼まれたが、ちゃんとした文字になっている紙は2枚しか無かった。


 貴重な2枚目に今日遭遇して、紙をひっくり返す時に手が震えそうになるのを何とか気合いで押し留めた私偉い。


 ちなみに今回の聖書のレプリカの暫定偽物は直ぐに見抜けたが、抽象的なそれっぽい内容が書いてある紙や本などは翻訳した内容の吟味と書かれた年代の特定をしなくてはいけない物もある。

 そこは私の仕事では無いので、ノータッチだ。


 司書長さんから回って来る仕事は出来高性だが、あの聖書レプリカ関係だけは謝礼みたいな支払い方になるので、あの紙1枚翻訳、模写して幾らになるかは早くて来週水曜日の給料日まで分からない。


 下手するとさらに先の週の支払いになるかも?何せ内容を吟味してから値段付けてくれるから。



 ちなみに、本物だと判定された人族の国最古の聖書レプリカ1枚目の翻訳と模写の代金は未だに払われて無いから2枚目も値段付けるの大変なんだろうな。

 内容もそうだし、書いてあった文字の癖は1枚目と一致したから2枚目も本物だと思うんだけどな……モシャモシャ。



 ハムとチーズのサンドイッチを食べて、ごちそうさまでした。



「仕事の話しだが…」



「はい」



「司書が君を貸せと……五月蝿い」



 ………ユリエルさんいくら2人とは言え「うるさい」なんて言葉ここで使うんだ。催促が過激すぎるのかも。

 私の手が空いたから、後回しにしていた解析依頼待ちの物を進めたいんだろうな。



「週に1回図書室に通ってもらう」



「わかりました」



 週の半ばの水曜日午前中だけ図書室に通う事が決定した。図書室に行く日の午後は休んでいいそうなのでお言葉に甘えて休ませてもらう。


 ただ、忙しくなったら午後も第7長官室の仕事を手伝ってもらうかも知れないといわれたが、多分それも大丈夫だろうと言われた。



「そろそろ瑞希みずきが帰ってくる」



「それは楽しみです」



 他の都市に出張中の瑞希補佐官が帰って来るらしい。お土産買って来てくれるって言ってたから楽しみだな。




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