67話
「まず、服を着ません」
うん、クマさん長靴履いてるけど服は着てないんだよね。
この間街で見た獣化した二足歩行の多分獣人族は洋服着てたよ。
戦闘などの緊急事態に獣化して一時的に洋服を着てない事はあるが、人前に出る時など日常生活では着るのがマナーらしい。
そうなんだー…この国マッパでも逮捕は無いのね。
だが、それもまだギリギリ獣人種特有の習慣で許されるが………
「まさか獣人族なのに結婚名を名乗ってやらかすとは思いませんでした…すみません」
別に他種族の人がフルネームを獣人族に名乗っても「知らなかったんだな」で済まされるが逆はアウトだと。
ただでさえ細かい習慣やらがあるのだから、こちら側(獣人族)が自分達のコトを間違えてどうするんだ、と。いらぬ混乱を招いてしまう。
「今回はウェルエルがカイザス国で未成年扱いだったため大事にはなりませんでしたが、獣人族の国で求婚していたら賠償金請求されても文句は言えません。最悪詐欺で捕まります」
そっか、日本で言うところの婚約破棄や結婚詐欺とかに該当するのか………確かに配置換えしなくていいのか聞かれる訳だ。
私は「間違って求婚しちゃったんだ。お互い気をつけようね」の感覚だったが、クマさん側はそうはいかなかったのか。
「では、配置換えが無しの代わりに、私からクマさんにちょっとした罰を与えてもいいですか?」
「はい、煮るなり焼くなりして下さい。私が責任持って処罰致します」
「クマさんには服を着てもらいましょう」
「!!っ…はい、わかりました。」
クマさん毛皮があるから今までは何とも思わなかったが、スッポンポンで長靴履いてると思うとちょっとシュールだよね。
まぁ、お子様使用のパンツ着用してる私が言えた義理ではないかもしれないけど。
正直な話し、獣化…熊型クマさんが服を着てなくても私は気にならない。
けど、ウルスラさんが相当お困りの様なので、申し訳ないけど服を着用してもらよクマさん。




