103話
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トランスジェンダーの人とかどうしてるんだろうとふと疑問に思って聞いたら、『性別不合』(旧、性同一性障害)の方は早い段階なら性転換は可能らしい。
ただ、20歳以上で性転換する場合はリスクもあるみたいだ。
「……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………性別について私が説明するのは難しいが………」
ユリエルさん戸籍上は男性となっているが、体の作りが女性でもあり、男性でもあると言われた。内緒らしい……え?
この大陸のエルフ族は確認されて無いが、ユリエルさんの故郷では半分はそんな感じのエルフ族だったとか。
身体の作りは両性でそもそも性が分かれていないが、成人する際に男性を選択したと。
ただ、他の人より性別の認識については感覚が曖昧だろうとユリエルさんは言っていた。
なんとも説明が難しいみたいだ……詳しくは女医の皐月先生か生物学に詳しいコンスタンティンさんに聞いてくれと言われたので、後で聞いてみよう。
ここで、エルフ族の緑色のローブについてサラッと説明を受けた。なるほど、男性エルフ族が主に着用するのね。
結婚は、エルフ族の国以外は細かな規定もあるが、同性婚が認められているみたい。
魔族と魔物の違いについては明日私が起きてる時間に教えてもらえる約束をして、ユリエルさんは仕事に戻って行った。
相変わらず冷めた(私的には)少量の食事を口にして、ベッドに入り2時間程昼寝して本を読んでまた疑問をメモしたり、早めにお風呂に入ってゆっくり体を温めた………お腹すいたな………ドアのノック音の後にカールさんが入ってきた。
「今大丈夫でしょうか?」
「はい、大丈夫ですよ」
なんと、オヤツを持ってきてくれた。喜びが顔にもろ出てしまたのだろう。「嬉しそうでなによりです」と言われた。
つばめオヤツ
さつまいもの蒸しパン
ほうれん草の蒸しパン
りんご
「美味しいですありがとうございます」
美味しい美味しい連発して食べたらまた持って来ると言われた。ごはんの量が少なかったので助かります。
「食事の量が少ない?増やしてもらっても大丈夫ですよ。お金の心配なんて不要ですよ、主が腐るほど持ってますから」
何か他にも要望などあれば遠慮せずに侍女に申しつけて構わないと…コンスタンティンさんすいません。働いたら食費その他もろもろ返しますね。
オヤツを食べ終わったら空の器を持って、カールさんは帰って行った。ごちそうさまでした。
また2時間程寝てリビングで本を読み返していると、皐月先生が来てくれた。
ユリエルさんから預かり物をしたとかで、本を数冊渡された。『エデン魔物図鑑』と『カイザス国法律全集』法律の本は分厚いのが2冊ある。
法律関係を先に読まなきゃいけないのはわかっているが、魔物図鑑とか凄い気になるので寝る前に流し読みしようかな。ワクワク。
いつもの検査をしているとコンスタンティンさんが入室して来たので、ごはんの量増やしていいですか?と、聞いてみたら「夜から5倍に増えるよ」と既に手配済みだった…すいません。検査を終えて雑談していると、コンスタンティンさんが思い出した様に言った。
「そうだ、ユリエルの話しをしに来たんだった」
「私も頼まれましたね」
「よろしくお願いします」
この国のトランスジェンダーの人の話は一旦置いといて、ユリエルさんの話を先にしてくれるらしい。
「何から話そうかな………トイレの話しからにしようか?」
何でトイレ?
ー
補足
『性同一性障害』は数年前に精神疾患の分類から除外されました。
今は『性別不合』と言うそうです。詳しい内容が気になる方がいたら、調べてみて下さい。




