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釣りガールの異世界スローライフ ~釣りスキルで村を大きくします~  作者: いかや☆きいろ
第三章 釣りガール、大陸を釣る。

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釣りガール、皆でお祭りを楽しむ

 若干反則なカイリちゃん介入があったものの、料理大会は無事に私の優勝で終わった。

 明日はこの料理を皆に振る舞わないといけない。カイリちゃんとノット君、カイル君とナミエの五人でお祭りを盛り上げるための戦略を話し合う。


「シズクが大きい魚を釣って私が料理すればお客なんていくらでも来るわよ!」

「そんなに簡単じゃないよカイリ」

「カレーライスは皆で作れば良いよね」

「私たちは準決勝と決勝のメニューだけで良いかも知れませんわね」


 こうやってわいわいと計画を練るのは楽しい。皆楽しそうだ。

 私の料理はタタキサラダと海鮮ハンバーグカレーで良いのかな? エビを釣りに行こうかな~?

 ザリガニは釣ったことあるんだけど。


 まあ釣りスキルでターゲッティングして引っこ抜けば良いか。相変わらず反則気味な釣りスキルだ。


「料理人スキルも鍋スキルで瞬間調理とかあるけど?」

「スキルはやっぱり凄い威力があるんだね~」


 料理人スキルであっと言う間に烏賊を柔らかく煮込んだのは凄かったな。カイリちゃんたちがもらった料理人のスキルに感心する。


「まあちょっとずるいよね。低温調理で温度指定とかできるし」

「魔法で調理できるのはズルいかも知れないわね。ノットはそれでも負けたけどね!」

「カイリが全力で手を貸してたから……。いや、普通にやっても負けたかも知れないけど」

「往生際が悪いわよっ!」


 兄妹喧嘩を始めた二人を見てると何かほっこりする。ナミエが生暖かい目で見ているのに気付いてカイリちゃんは、こほん、と咳をして話を変える。可愛い。


「まあカレールーはノットもいるし二人でしっかり召喚しておくわよ」

「皆でカレー作るとかなんだか学園祭みたいだね」


 カイル君が言うとおり、カレーを作るとお祭りと言うより学園祭の気分だ。


 そう言えば村人のケイくんもどこかで明日の準備をしているんだろうか。誘ってみたら良かったな。

 明日を楽しみにしておこう。





 翌日、朝から屋台を設営して回る。一応村の代表だからいろいろ仕事があるのだ。

 釣りがしたいが仕方有るまい。今日はお祭りを楽しもう。

 カレーはすでに出来上がった物をお皿に盛るだけなので巫女のアミさんや宿屋の女将さんのタマリさんが手伝ってくれることになった。

 アミさんとはカレーを孤児院に提供する約束になっている。

 でも……その話をしている時によだれを拭ったのを見逃さなかったよ。……アミさんが食べたいだけかも知れない。

 でもお陰でフリーになったので他の皆の料理を食べて回る時間が出来た。たくさん食べるぞ!


「お姉さま一緒に回りましょう!」

「ナミエの屋台は?」

「図書館の部下に任せましたわ!」


 ナミエって何気に人使い荒くない?

 図書館の人たちもだが研究も鍛冶屋さんやオシモさんに押し付けているらしい。空いた時間で私のストーキングをしている。


「カイル君も人に任せて来ると言ってましたわ」

「誰に任せるんだろ?」

「エルフのシラサさんですわ」


 カイル君も人使い荒いな。シラサさんも久し振りに会うしあとで見に行こう。

 フライパンでお魚を焼くエルフか……。シュールだ。


「たまには一緒に遊びましょ、シズちゃん」

「あ、マンサ様」


 マンサ様も暇だな。上位貴族のはずなんだが。

 たまにって言うけどしょっちゅう一緒に釣りしてるよね。

 後ろからニッケル様たちがぞろぞろとついてくるので群衆が自然に分かれる。あんまり畏まられたらやりづらいな。


「あ、あそこでサラダ売ってますよ」

「ケイくんだね~。なんか野菜も売ってるわね」

「はい、いらっしゃいいらっしゃい……。ああ、あんたらか……」


 マンサ様とナミエと野菜を見てみることにする。ケイくんもこちらに気付いたようだが接客に忙しそうなので勝手に見ることにした。

 トマトとかの野菜にも「魔物トマト」とかあるらしい。


「マンドラゴラみたいな物かしらね?」

「ジャガイモを抜いたら絶叫したり?」

「収穫するのに邪魔くさ過ぎですわ!」


 私たちが野菜をいくらか買っているとマンサ様はケイくんに契約を持ちかけていた。さすがは商人だ。いずれはカソレ村にも新鮮な野菜が並ぶかも知れないな。

 引き続き野菜を弄っているとカイル君とカイリちゃんが来た。カイリちゃんも屋台に何品か並べていて忙しそうだったのだが……。


「もちろんノットに押し付けてきたわ!」

「あ~、やっぱり」


 なんとなくカイリちゃんの行動パターンが読めてきたな。彼女は基本的にノット君に対しては辛辣なようだ。


 ここでマンサ様たちとは別行動、四人で回ることにした。


「ダブルデートですわ~!」

「えっ、ナミエってカイリちゃん好きなの?」

「えっ」

「えっ」


 ダブルデートってことはそうじゃないのか……と、そこまで考えたところで顔面が燃え上がった。顔熱い。

 カイル君も意味が分かったようで赤くなっている。無意識にカイル君とデートするつもりになってた。


「ぐぬぬ……やはり抹殺すべきか……」

「止めなさい」

「なに、ヤンデレなの? いるのねヤンデレなんて」


 ナミエはツンデレが珍しいって言ってたけどね。まあカイリちゃんあんまりつんつんしてないけど。

 そう言ったらカイリちゃんが真っ赤になった。可愛い。


「ぐぬぬ……またライバルが……」

「あ、あ、あっちお菓子売ってるわよ! 行きましょう!」


 カイリちゃんに引っ張られてお菓子の屋台を回った。ナミエに反対側の手を引っ張られて振り回される。

 結局カイル君とあんまり話が出来ないままお祭りが終わってしまった。

 ちなみにカレーを持って帰るアミさんは終始よだれを垂らしていた。……聖女可愛いのに残念過ぎる。

 最後はいつも通り私の家に皆が集まり、宴会になった。






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