未来編「ルルの祝言—それぞれの小さな話—」
【リル】
子供ができた疑惑だけど、体調は良くて元気いっぱい。
また眠くないから、家にいる家族と夜更かしする予定。
義母が起きていたら「お嫁様!」みたいになって、寝るように言われてしまうが、もう孫たちと寝ている。
ロカも義母たちと寝たから、居間にいるのは私と母とルカとレイ。
私はお酒を飲めなくなったけど、楽しい晩酌——と思ったところで、お腹がギュルギュル、ぐにぐにした。
ん?
厠へ行ったら快調で、そういえばお腹の中が珍しく渋滞していたことを思い出した。
居間に戻って報告したら、全員に呆れ顔をされた。
「リル、あなたはもう」
母に手招きされたけど、背中を叩かれる気がしたのでルカの隣へ。
「月のものはきてないんでしょう?」
ルカの問いかけに首を「うん」と縦に振る。
「喜ぶと騙しだった時にガッカリするから月のものは信じない」
「リルの場合はそうだよね」
「そうよね。月のものはないんだから、まだ本当に違ったのか分からないわね。リル、妊婦の気持ちで過ごしなさい」
「そっか。『違った』も違うかもしれないね」
今日から私は宙ぶらりん女。
お嫁様になると疲れるから、家族をがっかりさせないために黙っておこう。
妊婦に悪そうなことは今のままでも避けられる。
私以外はお酒、私は紫蘇甘水で乾杯。
レイが用意してくれたおつまみを堪能しながらお喋りに花を咲かせる。
今のレイの新しい生活のこと、レイに私とルカの子、末っ子ララの成長の報告など話題は尽きない。
しんみりするからか、みんなが避けていたルルの結婚、引っ越し話になった。
最初に話題を出したのは母だ。
「あの子、これでもっと家族親戚離れができると思ったのに、もう『誰から来る?』って計画を始めてるのよね。聞いた?」
全員が首を縦に振る。
母は産後の体を労るために、早めに温泉に入りに来るべきだ。
兄夫婦は妻の実家へ行く時に必ず泊まるから、他の家族親戚と時期をずらすように。
ルカ夫婦は行商でひくらしと彩屋が助かるから四季ごとに一回は決まり。父も同じ理由だけど時期はずらす。
テルルの湯治や療養も四季毎に一回は必要だ。
私とロイは、ロイが休みを取れる時に。
ロカはどれかにひっついてきたらいい。
「育児は順番に誰かが出来るからええねって、あの子、自分は帰ってこないで私らを通わせるつもりだよ」
母は呆れ顔を浮かべた。
「年間予定を組み始めているもんね。本当、あの子はちゃっかりしてるよ」
ルカが肩をすくめる。
「レイは自分ばっかって言う口で、ルルも自分ばっかりじゃん。ったく」
ルルはちゃっかりしている、我儘だけど憎めないみたいに盛り上がる。
大きくなったこの実家に、子供たちを任せてロイと一泊二日か二泊三日の旅行ができそうとは楽しみだ。
☆★
【ロイとジン】
火消しの飲み会に巻き込まれたら、朝まで帰れなそう。
今回は義妹の祝言が理由だから、明日の朝で帰れるかも分からない。
そう身構えていたけど、ハ組が「ロイさんもジンも祝いの準備でお疲れだ!」と俺たちを大宴会場から避難させてくれた。
父とレオはイオの実家で、何人かで集まり、孫自慢会をしているらしい。イオに「あれは放置でええでしょう」と言われたので俺とジンも賛同した。
飲んで騒いでを何時間も続けていたので、さすがに疲れた。
ジンと二人で並んで歩きながら、どちらともなくルルの話に。
ルルは、引っ越ししたら会いに来て、いつ来る? バラけるべきだから年間計画が必要だと言い始めている。
「本当、ちゃっかりしてますよ。自分は新しい土地と火消しの妻の仕事を覚えないといけないからって言うて、俺らにばっかり来させようなんて」
「ルルさんらしいですよね」
酔いも回っているから、すこぶる気分が良い。
ジンも酔っているのか肩を組まれた。なんとなく揺れてみて、ジンが小さく歌い始めたので俺も参加。
夜なので迷惑にならない程度の声量で歌いながらレオ家に帰宅した。
前のリルの実家——長屋もそうだったけど、レオ屋敷は俺の第二の家。鍵はリルしか持っていないけど、リルの許可があれば俺も使えて自由に訪問可能だ。
基本的にはエルがいるから、「お帰りなさい」か「いらっしゃい」と迎えてもらえる。
この時間だと迎えはいないので、静かに家の中に入らないと。門の脇にある扉から入って鍵を閉めたので、玄関へ向かう。
「大きな大きな家になりましたね〜」
酔っている自覚はある。普段通りには振る舞えない。
屋根まであんなにあると、片手を夜空に伸ばした。
「親に捨てられたら大きな屋敷で大家族って強運ですよね〜」
ジンが俺の真似をして片手を伸ばした。背伸びまでしている。今のジンの発言で、体から少し酒が抜けた。
「ご両親とはもう連絡を取っていないんでしたっけ」
「向こうから連絡が来た時だけ、なおかつ金の無心じゃなければって決めました。で、特に連絡を取る理由は無いです」
平家でも親子の縁を結ぶ公的制度はある。
わざわざ調べて『息子』にしてくれたレオとエルが自分の親。
ルカともしも離縁しても、自分は親に縁切りされるような行為はしないからそれはずっと続く。ジンはそう言って破顔した。
「まっ、ルカさんとは死ぬまで夫婦ですけどね」
「自分も死ぬまでリルさんと一緒です」
「ということは、俺らはずっと兄弟ですね。今日、久しぶりに増えました」
「妹バカのネビー兄さんは元気ですかね」
「しんみりしたくなくて仕事を入れた男だから、今頃嫁によしよしされてそうですね」
二人でゆっくり飲もうと言いながら家の中へ。戸締りをして居間へ行くと、リルはまだ起きていた。
エルとルカとレイと四人で晩酌していたようだ。
ルカが壁に俺とジンの札をかける。彼女は「そうだった」と笑いながら居間から出て行った。ジンが何も言わずに追いかけていく。
二人はすぐに戻ってきた。壁に「ティエン」の名札が掛けられた。俺の家族は『客』のところだけど、彼は『家族 在宅』の列。
「年末までだけどええね〜」
ルカが嬉しそうに軽く手を合わせる。ほぼ同時にリルが似た所作をして笑った。
快活、大人しいとまるで違う姉妹は、たまにそっくりになる。
「春にはお兄さんたちの子の名前が増えるね」
「男の子かな、女の子かな。賭けようよ」
リルとルカに誘われて、みんなで円になる。ルカが「花札をして勝った順に賭けられる」と言い出した。
「えー! やだよ。リル姉ちゃんの一人勝ちじゃん!」
「そうだよ。リルちゃんが無双するからじゃんけんがええ」
レイとジンが騒いだので、じゃんけん大会になった。
俺以外はこの家は女系だから女に賭けた。
「女系ってジオ君がいますよね。自分は男児にします」
「ロイさんが一人勝ちするから俺も男の子にしよう。ルカさん、これ、勝ったらなにを得られるの?」
「早く抱っこできる権利」
「それ、毎回喜びでうやむやになるやつだろう」
「あはは。遊び賭けはそのくらいがええんだよ」
今夜もこの家は温かい。
親戚付き合いがなければ、レイスとユリアはわりと静かな家で育っていただろう。長子なのに『兄』みたいなジオとは、たまにしか会わない従兄弟同士で。
ルルとティエン夫婦はまもなく引っ越してしまうけど、俺たち家族親戚に新しい思い出を沢山くれるに違いない。
俺たちは良いことも、悪いことも、分かち合っていく。
【ネビー】
海蛇たちとそのうち喋れるなんて言われたけど、まだまだその気配はない。
二匹の海蛇はつわりでぐったりしている妻の顔の横のすぐそばを陣取り、たまに頬に身を寄せている。
妻を労わろうと手を伸ばすと海蛇たちに「シュー!」と威嚇されてしまう。
「俺は夫なんだけど、その反応はなんなんだ。目が赤くないから怒ってはないんだな」
あぐらに頬杖をついて、妻たちを眺め続ける。
妻の手足がやたら冷たいから風呂で足湯をしたら、顔色が良くなったし眠れたようで安堵している。
妻はララの時の母よりは辛くなさそうだけど、ピンピンしていたリルと比較したら重症。女性は大変だ。
自分のためにこんな思いをして宝物を贈ってくれる。一生、大切にしようとしか思わないのに……。
久しぶりにユミトに会ったから感傷的になる。彼を守れなかった母親は、さぞ無念だっただろう。
自分の見る目の無さで悪い男を家に入れ、息子を不幸のどん底に突き落とした。
ユミトには親友ができて、レイもくっついていった。
恩人の俺に手取り足取りでは一人前にならないと背中を向けられてしまったので、見守ってたまに手を貸すくらいしかできない。
レイは当初の目的を忘れてエドゥアールの料理や厳しい修行に夢中。
ユミトに「君のその気持ちこそ、愛と呼ぶ」とは言わず、レイは君の妹分みたいに刷り込んだから、二人に縁があるとしたら何年も先だろう。
二人とも、並んで前を向いて走っているから隣を見る余裕がない。
ルルの祝言日に違うことでしんみりするとは思わなかった。
汗を拭いてあげたくて、手拭いを持ってそっと額に当てる。海蛇たちにまたシューっと牙を向けられた。
「威嚇するな。ウィオラさんは俺の妻だぞ」
妻のまつ毛が少し震えて、ゆっくりと目が開いた。
「……すみません。明日もお仕事ですのに、ご迷惑をかけて」
この妻はまた……と呆れながら布団に横になった。
「立場が入れ替わったら迷惑だと思うんですか?」
妻はとても嬉しそうに笑った。
「いえ、全く。すみませんが口癖のようになっていて、良くないですね」
「そうですよ。喉が渇いたからお茶、水って命令するくらいが丁度ええです」
「ふふっ。くすぐったいです。ネビーさんはまだお喋りできないのですよ。私もまだまだですけれど」
二匹の海蛇たちに頬をつつかれた妻が軽やかに笑う。
「セルアグはなんて言うてますか?」
「水はまだか、この役立たず。腹を満たすものも持ってこい。だそうです」
「相変わらず偉そう。まっ、この国では『龍神王様』ですからね」
妻と守護神たちに水と食べ物。夜遅いから、その発想はなかった。立ち上がると妻に「りんごがあったと思いますのでお願いします」と頼まれた。
「お湯で温まったら急にお腹が減ってきました」
「二人分、食べないといけませんからね」
灯りを持って台所へ行き、りんごはどこだと探し、俺の料理用の小刀はどこだと動いていたら、皿が割れた。
リルの「何してるの!」という大きめの声が響く。
「ウィオラさんの調子が少し良くなって、腹の子にりんごが必要になって」
「荒らさないで!」
家事関係だと俺はポンコツで被害を拡大させるから動くなと命じられた。
情けない気持ちで、リルがりんごを剥くのを眺める。
師団長になって、順調に番隊隊長への道を突き進んでいるけど、家での立場は最下層。身重の妻にりんごも用意できない情けない男だ。
「リル、大丈夫?」と母も顔を出した。
「ネビー、あなたまだ起きていたの。さっさと寝なさい。ウィオラさんが自分のせいであなたが寝れないってメソメソするから寝な!」
「そうなると困るから、寝なくても困らないように明日は休む」
「毎日のようにそう言って、無職になるつもりなの? 今すぐ寝なさい。あなたはもう自宅に戻るの禁止」
「ウィオラさんにりんごを運んでくる」
「リル、あなたの顔はネビーっぽさがあるからウィオラさんと寝てきなさい。つわりでぼんやりしているから騙されるわよ」
「普段はお兄さん似は嫌だけどこういう時はええね」
こうなったら俺は夫婦の寝室どころか、夫婦の領域——自宅にも戻れない。
割った皿はロカが友達たちと陶芸体験で作って父に贈ったものだったので、母にガミガミ言われた。
明日、ロカと親父に謝らないと。
ロイとジンに引き渡されて一緒に寝ることになったので、これこそ明日の仕事に支障が出そうだと、ため息を吐いた。
【リルと姉たち】
ルカに兄のことを話したら、ウィオラと三人で寝ようと誘われた。
りんごを運び、「兄の代わりに来た」と声をかける。
「ウィオラさんは、お兄さんが眠れないと落ち着かないでしょう?」
「りんごと飲み物をいくつか持ってきました」
体を起こしたウィオラをルカが軽く支える。近くに畳んであった羽織りもかけた。
私はお膳を彼女の近くに置いた。
「このように遅い時間なのに、ありがとうございます」
その時、シュルシュルと何かが廊下へ向かって素早く這っていった。
我が家にたまに現れる幸運の兆し——こしょこしょ蛇だろう。
この家の庭やウィオラの周りにはもっと現れる。彼女は神職だから、蛇に化けた副神様の出現頻度が多い。
「ふふっ、うさぎ。愛くるしいですね」
りんごを串で刺すと、ウィオラは嬉しそうに笑った。
「お兄さんが台所にいたんで、母が『寝ないとウィオラさんが気にする』って言うて」
「お気遣いありがとうございます。実は気になっていて」
「リルも懐妊なのか、単にお腹が緩くなってグルグルしたのか分からないんですよ。子供がいるって思いながら寝るとええかなって」
ルカについさっきの笑い話をされてしまった。
「きたりこなかったりするから、月のものが信用できません」
ルカがウィオラのお腹に軽く手を添えて、「大きくなれ〜」と話しかける。続けて私のお腹も触った。
「どっちだー。ルーベル家がぬか喜びすると困るから、しばらくこの三姉妹だけの秘密ですよ」
ルカはウィオラに悪戯っぽい目を向けた。
「秘密にします。気持ち悪さが去ってきたら、余計なことを考えて気分が滅入ってきたので、来てくださって嬉しいです」
「分かる〜。こんなに食べられなくて腹の子は育っているのかとか、弱い母でごめんとか、わーって辛くなることがありますよね」
「そうなんです。それに、ネビーさんの『ごめん』っていう目が辛くて。呑気で楽しい話をしてなんて言えませんし」
「言えばええんですよ。歌って踊れとか。ウザくなったら『うるさい』って。ジンと同じで妻バカだから我儘を言うとええです」
「うん、そうですよ」
ルカに賛同しながら私もりんごを頬張った。
「梅甘水と紫蘇甘水、それにリンゴ酢を用意してみたんです。どれが今、美味しいですか?」
「そんなに色々ありがとうございます」
「要らないものは私とリルが飲むんで。どれも好きだから」
お猪口に三人分、まずは梅甘水を注いで配った。
三人で乾杯。ウィオラに飲み比べをしてもらい、リンゴ酢が一番落ち着くそうなので、私とルカは他のものを飲み始めた。
三人とも眠くないということで、赤ちゃんの性別の話を始めた。
私とルカは「女の子」だと思っている。母親のウィオラの勘はどうだろう。
「この子は男の子ですよ。そんな気がします」
「えー。じゃあ、賭け対象を変えないと。どさくさに紛れて先に抱っこするからええか」
「うん。そうだよ」
「私たちの子が男の子か女の子かで賭けをしているのですね」
「勝ったら早く抱っこできるんですけど、なんだかんだ無視します」
「産湯に入れるのは私です」
「私だよ」
「私」
「私!」
「みんなに取り合われて楽しいですよ。元気に育って無事にこの世に産まれてください」
ウィオラが自身のお腹を軽く撫でた。
「そうだそうだ。元気に育て」
「お兄さん似るなー」
「まぁ。私はちびネビーさんが良いです。きっと愛くるしいですよ。幼い頃はこんな感じだったと楽しそうです」
「ネビーも同じ理由で妻似になれって言いそう」
「もう言っています。女の子で私似でと。お嫁にいってしまうと話したら、男の子で私似って。おやめくださいと、お腹を触るのを禁じました」
兄を気遣ってくれるウィオラも、兄に文句を言うことがあるんだなとホッとした。あっちにこっちに気を遣っていたら疲れてしまう。
他愛のない話をしているうちに、ウィオラは眠くなったと遠慮せず教えてくれた。
私たちは前よりも姉妹らしくなっていると思う。
ちんまりめの私とルカは二人で一つの布団——兄の布団で寝ることにした。布団をもう一組運ぶのが面倒で。
三人で川の字で寝たら夢を見た。ウィオラと私の子、男の子二人と私たちがニコニコ笑う夢。
ルカに蹴られて目を覚ますと、ウィオラが私のすぐ近くで寝ていた。
むにゃむにゃ言って目を閉じているので、ぐっすり眠れて良かったとほっこり。
今日のつわりは弱いか、全く無いといい。
元気な子を産むために頑張れと頭を少し撫でた。
「ふふっ、ネビーさん。おはようございます」
薄目を開いたウィオラに鼻がつくまで近寄られたので驚く。
ん、と唇を寄せられたので慌てて「リルです」と告げた。
目の前で、ウィオラの顔が真っ赤になっていく。
「……おはようございます、リルさん」
「兄でなくてすみません」
「いえ……」
私たちはどちらも恥ずかしくなったので、ロイと兄がたまにする仲良し喧嘩にはならず。
「あはは」
「ふふっ」
自然と笑い声が出て、それでルカが目を覚ました。何があったか話して笑い、次はルカを間にしよう、また三姉妹で遊ぼうとさらに笑い合った。
【テルル】
「朝ですよ」とレイスが起こしてくれた。最高の気分だ。
ララはまだ寝ていて、寝る前はいなかったエルが増えている。
エルも起こされてロカも。ジオとユリアとララを起こしてみんなで居間へ。
孫っぽいルルが我が家を出て行ったけど、代わりに新しい同居人が増える予定で、レオ家に来たら子供が沢山。
従兄弟に会いたいとジオが来ることもあるし、そのうちララも。
体がこれ以上辛くならないまま、できるだけ長生きできたら、またかわええ子の祝言に参加できるので最高だ。
【ガイとレオ】
飲みながら寝てしまったようで、居間に敷かれた布団の上で目を覚ました。
隣にレオがいて、「んんー」と言いながら抱きついてきた。
「レオさん、朝ですし俺ですよ」
「ん? おお、すみません、ガイさん。枕を抱く癖があって間違えました」
笑い合いながら起きて、自分だけ布団が敷かれたことが分かった。他の人間——火消したちは床に転がっている。
昨夜、妻のサエを怒らせるわけにはいかない、男だけにすると聞いたので遠慮なく体を伸ばした。
レオが軽く片付けをしている。
「このくらいしたらええので帰りましょう」
「レオさんに任せます」
卿家の常識は通用しないのは随分前に学んだからレオ任せ。
二人で家を出て歩き出したら肩を組まれた。レオが歌い始めたので俺も。
空が晴れてて気分良しとはその通りだ。
【リル】
今日は大人数で朝食。レイと料理をできたし、みんなでご飯だからすこぶる楽しい。
この大きな家の代表は父だ。なので挨拶をしてと、ルカが父に促す。
引っ越したらルルはティエン家族と暮らすけど、私たちの家族にもなったから、今日からよろしくティエン!
父はそんな風に言ってから「今日も元気にいただきます」と手を合わせた。
ルルとティエンの結婚で、私たちに新しい世界が訪れる。既にそうで、これからさらに増えていく。
私たち家族親戚の未来には、どんなええことが待っているのかな。




