28話 爆発
今まで敵が墜落しても爆発する事はなかった。今回の敵は岩を運ばず何か箱のような物を運んでいた……もしかして爆弾?
とりあえず自分だけで考えていても仕方ないので基地に報告した。
「こちら97複座敵3匹撃墜しましたが、地面に接触した辺りで敵が爆発するのを確認しました」
「こちら基地、了解しました。至急墜落した敵の調査を開始します」
「97式帰投します。調査お願いします」
基地との通信が終わるとエナが話かけて来た。
「敵は何で爆発したのかな?」
「これは間違っていて欲しいが、もしかしたら敵が爆弾を持っていたかもしれない」
「爆弾を?何で?」
「分からない。もし爆弾を持っていたとしたら敵は虫ではないのかもしれない。まあ憶測で話しても解決しないので調査結果を待とう。とりあえず帰って休憩したいかな」
その後は適当に話しながら基地に戻った。
翌日、調査の報告の一部が届いた。墜落した敵が持っていた箱の中に爆発しなかった物が有り、中身を確認すると火薬類が使われていたみたいだった。
隊長達は対策を話し合っていたがそこに何故か僕も呼ばれた。
「カケル、君は色々新兵器とか考えるの得意だろ、何か意見は有るか?」
「基地の数を増やすことは出来ませんか?」
「基地をか?」
「はい。もし今この基地に敵が接近してきて爆弾を落とされたら航空戦力の大半を失う事になります。もう少し戦力を分散させて、96式戦闘器による迎撃も出来る様に。後は各機体の重武装化と機体数が欲しいと言いたい所ですが、予算や時間のことも有ると思いますので出来たら離着陸できる場所の確保をお願いします」
「離着陸は少し平らな場所が有れば出来るがそんな場所の確保だけでいいのか?」
「そうですね。その場所に少数の兵士と燃料と弾薬を置いて頂けましたらそこを補給基地として使い航続距離を伸ばせたり出来ます」
「そう言う事か。前線付近で休憩と補給が出来たら長く戦えると……。適合者は忙しくなるかもしれないが、その案を採用しようと思う」
「お願いします。あとできたら対空砲の開発も……」
「前から聞いているやつだな。もう少しで完成するみたいだぞ」
僕の発言後少ししたら会議は終わった。この後は98試複座の開発の相談だ。
今回は97式と違い長い主翼と発動機を工夫し速度を上げる予定だ。まだできるかは分からないが。
96式も2型への改造も進んでいる。
その後数週間敵襲は有ったが敵の数が少なかったため被害なしで全機撃墜できた。




