20話 修理
翌日97複座をよく見てみるとよくこれで無事に帰って来れたなと思うほど大きな穴が開き左の翼も半分以上が折れていた。
整備の方に謝ったが
「君たちさえ無事で戻ってきてくれたら良い、修理は俺達に任せてくれ」と言ってくれた。
隊長達ともこれからの事を話した。
「小型の敵は素早く小さいため接近すると弾丸を当てるのが非常に難しいです。対処として僕が考えたのは小型機銃を複数搭載して落とすか攻撃されてもダメージを少なくするための装甲版を追加する事を提案します。ただどちらにしても速度と旋回性能の低下は避けられませんが」
「そうか……まあ今この国で一番撃墜している君とエナ様が出撃して当てられないのならそうするしかないのかもしれないな」
「出来たらで良いのですが20mm4門を下ろして7.7mm6丁に変えられませんか?」
「出来るが大型の敵が来た時にそれで倒せるか?」
「その時は爆弾を使います」
「わかった。ではそれでやってみよう。駄目ならまたやり直せばいい。君達さえ生きていたら良い」
「ありがとうございます!」
修理には3日かかったがその間にも小型の敵が現れ、基地から迎撃に出た96式戦2機が小破した。
修理も終わり初訓練に出た時射撃訓練もしたのだが小型機銃合計8丁の攻撃は凄かった。これであの小型機が来ても倒せると思っていたら、我が国に対する敵襲自体が殆ど無くなったのだった。
これでもう虫との戦いも終わりかと喜んでいたのだが、こちらに来ない分は他国に行ってしまったみたいで今、近隣国への襲撃が増え武器が不足している状態らしい。
他国に軍幹部たちは何故わが国だけ攻撃を受けないのかと撃墜された大型の敵の確認をするために我が国に集まる事となった。その為の防空の任に僕たちも選ばれたが、一応僕たちの存在と機体は公表していないので攻撃を受けた時以外の飛行を禁止された。
各国の軍人が集まる……敵がその意味を理解できるのか分からないが軍人たちが集まる会場に向かって敵の大規模な部隊が移動してきた。
近くに居た他国の艦船から連絡が入った
「敵多数西方より接近中。来援を乞う」
別の基地で待機していた僕たちにも連絡が入り急遽出撃する事となった。
「97複座カケル出撃準備完了」
「基地了解。出撃を許可します」
離陸して敵へと向かっていった。ここの基地から飛べるのは現在僕たちしかいない。理由は簡単で航続距離が足りないから。もう少し近付いたら出撃できるのだが……
「空母が欲しいな……」
「カケル、空母って何?」
「戦闘器を乗せて移動できる船だよ。移動する基地みたいな物」
「それは有ったら便利だね」
「こちら基地。戻ってきたらその空母って言うのを詳しく頼む」
今後の展開の参考にもなりますので評価、感想など頂けると助かります。
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