10話 初戦果(?)
「すまん方向そのまま10分位で敵が見える筈だ。数は5……5匹だ」
「こちらカケル、10分ほどで5匹ですね。了解!」
集まってた新人から質問があった
「匹って、何で敵の数が匹なんですか?」
「それはな、敵が巨大な虫だからだ」
「虫?虫ですか、そんなもの倒すのに戦闘器が要るのですか?」
「虫と言っても戦闘器より大きいぞ。小型で高速な蚊、少し大きくて装甲も厚い蝿等が敵だ」
「そんな敵と戦っているのですか?……カケル君は慣れてるようですがもう既に出撃したこと有るのですか?」
「それについては答えられないが、一応今日が初出撃って事になっている」
そんな会話を基地でしてる間に僕は例の嫌な感じがしてきた。
「敵が近そうです。攻撃許可貰えますか?」
「現在警報発令中だ。銃の使用を許可する」
「敵発見。1,2,3,4,5,6……蚊が6匹いますね」
「多分見落としだ。すまんな」
「やることは変わりません。迎撃します」
15mm機関砲2丁で攻撃する……機体にかかる反動が凄い。正直乗り心地は最悪だ、しかし2匹を落とせた。接近戦では20㎜を使うこれは威力が強く1撃当たれば殆どの敵は落とせる。ただ弾頭が重いため(?)射程距離は短い……短いと言うより早目に下に落ちていく。だから離れていると狙いにくい。
20㎜2門の攻撃は正直後ろに下がるのでは?と思うほど反動が有る。元々戦闘器は魔法で飛行し速度が出ない為空中で停止するのではないかと思うほど反動を感じる。更に弾丸数も少ない。直ぐに無くなったがまた2匹を落とせた。
残りの2匹は逃げようとしたが丁度真後ろに行けたので15㎜機銃で落とせた。
「敵6匹全機撃墜しました。帰投します」
「全部落とせたのか?一応今日が初出撃って事になるが……初出撃で我が国の最高戦果ってこれ発表できないのではないか?まあいい、よくやった。気を付けて帰ってきてくれ」
「了解!」
この後は何事もなく無事に基地まで帰り着いた。翌日から同期の僕を見る目が変わった。
まあ馬鹿にされるよりはいいのだろうが……何かまだ距離を感じる。
西宮君が近くに来た
「昨日は凄かったな!6機……6匹の撃墜って記録らしいし」
「まあ偶然だよ。武装とタイミングが良かっただけ。運が良かった」
「そうなのか?でも戦闘中の音凄かったぞ!こちらで聞いてるだけだったが凄く興奮した」
「えっ?ちょっと待って途中の音も聞こえてたの?」
「あれ?もしかして聞かせてたわけではないの?」
「空戦中に独り言とか言ってるし聞かせたくないよ」
「そう言えば反動がっとか言ってたな」
……聞かれてたのね……
今後の展開の参考にもなりますので評価、感想など頂けると助かります。
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