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終末ゾンビと最強勇者の青春  作者: 緑豆空
第六章 青春の冒険編

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第654話 追い詰められた、マーガレット・ブラッドリー

 俺は隣の潜水艦にも飛び乗り、ミサイル射出口を推撃で潰す。そしてハッチも同様に、推撃で潰した。これで、中の奴らは出て来れないだろう。


「これでよし」


 潜水艦に敵を閉じ込めた俺は、最初の潜水艦に飛び乗り、ハッチに手をかけて、思いっきり引き抜く。中にゾンビ化した兵士の気配がするが、俺は無造作にそこに飛び込んでいった。


「さてと」


 閉鎖空間に、ゾンビ化した兵士が待ち構えていた。すぐに縮地で消え、ゾンビ化兵の真ん中に立つ。


「悪いが、掃除させてもらう。屍人斬! 鴉影縫あえぬい!」


 あちこちの暗がりから、俺の陰が飛び出して影の剣を振るう。影という影からつぎつぎに剣が生まれ、ゾンビ化兵を斬り裂いていった。


「うがああ」

「ぎゃあああ」

「ぐあ!」


 人間の思考があり逃げようとするが、潜水艦の中は影だらけで逃げ場はない。次々バラバラになって、人間の戻り死んでいく。そこら中に兵士の死体が転がり、気配感知を手繰りながら館内を全て掃除した。


「ここにはいないか……」


 全ての船員を切り裂いて、俺は潜水艦を出た。もう一隻の潜水艦に飛び移ると、どうやらハッチの下にゾンビ化兵が集まっているようだった。


「待ち伏せか」


 俺はすぐに足元の甲板を丸く切り裂き、ストンとそのまま中に入る。


「隠形、認識阻害」


 気配のする方に向かって歩き、音もなく最初の扉を開ける。なるほど、もうこの船を捨てるつもりで、全員がハッチのところに集まっているらしい。


 いた。


 俺は、ハッチを見あげている奴らの後ろに忍び込み、話しかけてみる。


「どうだ?」


「ハッチがまだ開かない。外から、何かされたんだ」


「そうか。ブラッドリーは無事か?」


「どうだろうな。長官は、一番艦にのっているからな」


「分らないか」


「なぜ、船が制御不能になったかが分らん」


 俺が声をかけていた奴が、なにかに気が付き、こちらを振り向いた。


「……おまえ……誰だ? なんでパンツ一丁なんだ?」


「ああ。泳ぐときに服が濡れるからな」


「侵入者!」


 全員が、こちらを向いて唖然としている。


「どこから?」

「いつ進入したんだ?」


「ああ、今、入って来たばかりだからな」


「つ、捕まえろ!」


 一斉に飛びかかって来るが、俺は既にそこには居なかった。マーガレット・ブラッドリーがいない事が分かった段階で、この船はもう用済みだった。


「屍人斬! 鴉影縫!」


 無数の影の剣が、全てのゾンビ化兵をまとめて切り裂いた。俺はその上のハッチを破壊して外に出る。米軍艦隊の方に手を振ると、ゆっくりと近づいてくる。俺が船に飛び乗ったところに、艦長が出てくる。


「ラッキーボーイ! どうなった?」


「二隻とも、中のゾンビは倒した」


「今の短い時間で?」


「そうだ。この二隻の潜水艦は頼む。俺は、もう一隻の方に行く」


「あの、鏡で囲まれた……?」


「そうだ。逃げ場を塞いでいる」


「君は……いったいなんなのだ……」


「じゃあ、行く」


 そう言って、村雨丸の仕込み杖を口にくわえ飛び込んだ。あっという間に、最後の一隻が見えて来て、俺は水鏡絶海を消し去った。鏡が水に変わって、ジャバーっと海に帰る。


「少し上にいるな」


 すぐ潜水艦の甲板に登ると、兵士が突然現れた俺に驚く。


「な、なんだ!」


 シュパン! ボトボトボト。


 誰かが叫ぶが、俺は飛空円斬で全てを斬った。死体が甲板の上に転がり、血が広がっていく。


「まだ、ゾンビ化していないようだな」


 キィン!


 ハッチの上から狙撃され、村雨丸で斬り落とした。


「なっ!」


 パンパンパン!


 連射して来るが、それを全てかわし、すぐにハッチの上に立ってそいつを引きずり出す。


「この船に用がある」


 そいつの首根っこを持ってぶら下げていると、ミサイルの射出口が開きかけた。


「推撃」


 射出功を片手で潰し、捕まえている奴に聞く。


「マーガレット・ブラッドリーはここにいるな?」


「貴様! マザー・レギオンを狙って来たのか!」


「マザー・レギオン?」


「新世界の母だ! 新しい秩序だ!」


 狂信者……と言う奴か。こうなってしまっては、もはや助けようがない。そのまま、そいつを片手で空中へと放り投げた。


「乱波斬!」


 そいつは空中でバラバラになり、海にばら撒かれた。気が付けば、甲板で斬った奴らの血を嗅ぎつけ、周りに大量のサメのヒレが動き回っている。今、水中に堕ちた肉片を、サメたちが食い荒らし始めた。


「掃除を手伝ってくれるのか」


 俺は甲板に飛び、次々に蹴り飛ばして死体を海に放り込んでいった。すると次々にサメがやってきて、落ちた人間達を食い散らかし始める。


「ゾンビじゃないから、いくらでも食っていいぞ」


 すぐにハッチに飛びつくと、下から登って来た奴と目が合う。


「なっ!」


 俺はそいつの顔に飛び降りて、そいつごと下に落ちた。


 ドン。


「し、侵入者!」


 すると慌てた奴が、いきなり銃を撃った。だがその銃弾は、中を跳弾し一人のこめかみにめり込む。


「う、撃つな! 仲間にあたる!」


 俺は、そいつらに聞いた。


「もし、マーガレット・ブラッドリーを差し出すならば、お前達は見逃してやらんでもない」


「捕まえろ!」


 聞いてないようだ。


「鴉影縫!」


 ジャキ! 


 瞬間で兵士達が斬り落とされ、俺は人の気配が多い方に向かって歩き出す。この艦は、まだ全員が人間のまま。ゾンビ化兵に変わる事は無さそうだ。すると突然、館内放送で声をかけられる。


「止まりなさい!」


 俺は、無視して進む。今の声は、間違いなくマーガレット・ブラッドリーのものだ。やはりこの船に乗っていたらしい。監視カメラもあるが、俺は壊す事も無く進む。


 シュッ! と横の入り口にいた奴が、ナイフを突き入れて来た。俺は瞬間でそのナイフを取り上げて、そのままそいつの心臓に差し込んだ。


「なっ」


「鋭い、いい突きだったが、相手が悪かったな」


ブシュゥゥゥ! 血を拭いて倒れた。


「特殊部隊がやられた! ただ者ではないぞ!」


 その部屋の、奥にいた奴が叫ぶ。その部屋を覗くが、マーガレット・ブラッドレーはいなかった。


「真空乱斬」


 部屋を血まみれにして、俺はすぐに先に進む。


「だ、だれか! その裸の男を止めなさい!」


 次々に部屋から飛び出して来ては、兵士が俺に飛びかかって来るが、首を折り、蹴り飛ばして潰した。そして重厚な扉の前に立つ。中には、まだ十人ほどがいるようだ。


 扉に手をかけるが、鍵がかかっていて開かない。


「なるほど」


 俺はそのまま、分厚い鉄の扉に手を当てて、奥へと押し込んでいく。分厚い鉄の扉はひしゃげ、そのまま折れ曲がって内側に倒れる。


 ガガン!


 そこに、三人の兵士が飛びかかって来たので、今まで同様に敵の武器を避けて蹴り殺す。


「な、なにをしてるの! 早く殺すのよ!」


 その中央に、マーガレット・ブラッドリーを見つけた。数人の兵士に囲まれ、青ざめた顔をしている。俺は、ようやく敵の幹部に、巡り合えたのだった。

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