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終末ゾンビと最強勇者の青春  作者: 緑豆空
第六章 青春の冒険編

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第644話 ピーターソン宇宙軍基地を襲撃する

 剛龍爆雷斬で出来たクレーターの側に、ヘリコプターを着陸させる。爆発の煙がまだ立ち込めており、あたりには飛び散った岩が散乱していた。全員でヘリコプターを降り、ピーターソン宇宙軍基地に足で向かう事にする。デルと研究員達が、あたりを見て呆然としていた。


「あの……、これ……日本刀でやったのか?」


「そうだ。剛龍爆雷斬だ」


「ゴーリューバクライザン?」


「そうだ。鉄やミスリルよりもずっと堅い外殻をもつ、龍を屠った時に編み出した技だ」


「ミスリル? リュウ?」


 脇から、タケルが言う。


「龍だよ龍。ドラゴン、アーユーオッケー?」


「ドラゴンなど居ない」


 俺は首を振る。


「いや。居た。奴らは火炎で村を焼く。だが、剛龍は山を吹き飛ばすほどの、エンシェント級の龍だ」


 そこで、デルが首を振る。


「もういい、わかった。そう言うものだと理解しておこう」


「ああ。では行こう」


 俺達は、ヘリコプターを離れて歩きだす。シャーリーンが基地方面を見ながら言った。


「執拗に攻撃してきましたよね?」


「そうだな」


「近寄ってほしくない何かがあるんでしょうね」


 それに、クキが答えた。


「もちろんそうだが、恐らく我々の情報が、既に伝わっていると考えて間違いないな」


「スパイがそれを、敵に伝えたという事ですか?」


「そうだ。能力までを正確には把握していないだろうが、未知の能力があるという事は伝わっただろう。これまで俺達が世界で行ってきた活動を踏まえたら、尋常じゃない組織が関わっていると考えられても、おかしくはない」


 オオモリが、自信たっぷりに言う。


「いやいや、正義の女帝の美桜さんがいますから。陰の実力者が絡んでいると思われてますよ。たぶん」


 すると、デルや研究員たちが一斉にミオに振り向いた。


「なんだと?」

「えっ?」

「うそ!」

「本当ですか?」


 声が揃う。ミオが狼狽えながら答える。


「えっ? なにが!?」


「いや、あんたが、あの伝説のジュネーブ演説の……ザ・ベール正義の女帝なのか?」


「あー、いや、あの……確かにあそこでしゃべったけど、それはその……流れと言うか」


「「「「「おおおおお!」」」」」


 皆が一斉に立ち止まって、ミオに羨望の眼差しを向けた。


 研究員たちが騒ぐ。


「素晴らしい! まさか、正義の女帝と行動していたなんて」

「そうか! だから、アビゲイル博士と一緒にいるのか!」

「と言う事は、あの時の映像は、やっぱり本物なんだ!」

「うん。いまなら、あのバケモノが本物だと分る!」


「いやいやいや! そういうんじゃないから! たまたまだから!」


 ミオは顔を真っ赤にして否定しているが、何も間違っちゃいないと思う。


 それを聞いて、デルが頷きながら言う。


「そうだったのか……俺達は、偉大な指導者と共に歩いて来たんだ」


「し、し、指導者? だれが?」


「それは、ミス美桜様ですよ」


「いやいや、指導者じゃないです」


「いいんですよ。もう、ここまできたら隠さなくても大丈夫。俺達はもう味方ですから」


「いや! 危険だからとか黙ってたわけじゃないです!」


 だが、もう五人の羨望の眼差しは変わらなかった。


「凄いなあ……」

「ぼくたちは奇跡を目の当たりにしてるんだ」

「まったくです」

「幸せです」


「いや! 聞いて!」


 だがそれを、タケルが制した。


「美桜。いいんだって、お前が生きる希望になるんだって」


「生きる……希望……?」


「そう。俺達も仲間でいながら、美桜の志の高さについてきたところもある。だよなあ?」


 それにツバサが答えた。


「そうよ。私は、あなただから東京でもずっと一緒に居た」


 ミナミも言う。


「私もよ美桜。あなたじゃなかったら、私はもう、どこかに行ってたかも」


 マナがダメ押しする。


「ほんとそう。どんな時も、何とかなるって言ってたじゃない」


「いや……それは、から元気みたいなものであって」


 タケルが、ミオの肩に手を置いて行った。


「マジだって。一番最初に、ヒカルを信じたのはお前だろ」


「それは、なんとか、言葉の壁を越えようとして」


 それは、その通りだった。あの時、訳の分からないこの世界に来て、一番最初に俺を理解しようとしたのはミオだった。ミオはとにかく、俺と意思の疎通を図ろうとしていた。


「タケルのいう通りだ。最初に、俺の言葉を知ろうとした」


「それは、そうだけど」


 それに対して、ツバサが言う。


「世界を救う救世主を見い出した人じゃない。正義の女帝に相応しいわ」


「やめてよ。翼、ぜーんぶ成り行きだったんだから」


 その一連の会話を聞いていた、デルが不思議そうに言う。


「そうか、ヒカルは最初から一緒じゃないんだな。国籍はフランスか?」


「いや、グレシアだ」


「……そんな国あったか?」


 だがそろそろクキが言う。


「まず隠れろ」


 俺達が茂みに隠れると、続けて言った。


「お話はそのくらいにしておこう。壊れたフェンスから、基地の内部に入れそうだが……問題だな」


 見れば、剛龍爆雷斬の影響でフェンスが壊れてる。岩が飛び散っており、基地内部まで散乱していた。その奥には、敵の装甲車両や戦車が集まっている。ヘリコプターがローターを回し、いまにも飛び出しそうになっていた。


 そこで俺が言う。


「問題はない。あれの、全てが敵で良いのだろう?」


「……だな。蹴散らしてくれるか?」


「ああ。だが、あの中にも使えそうなものがありそうだ。剛龍爆雷斬で吹き飛ばすのはやめておこう」


 俺がそう言うと、デルが首を振る。


「いやいや。あの技で、一気にやった方が良いだろう」


 だが、次の瞬間だった。


 基地からの砲撃が、俺達のヘリコプターの方向に飛んでいく。


 ドン! ドン! ゴゴゴゴ!


「ヘリコプターが破壊されたぞ。これから、身動きが取れなくなる」


「なるほどな……じゃあ、残した方が良いか。だがあの軍勢をどうする?」


「一旦、ここで待っていてくれ。あの大隊を敵にすれば、タケルにも荷が重い」


「だな。流石に無理だ」


 俺は皆にそこに残るように言った次の瞬間、縮地で基地の内部に立っていた。目の前には敵の大軍勢が待ち構えており、まだ俺に気が付いていない。


「さて、まずは、使えそうにもない戦車から行くか」


 俺達が使うとなれば、大型のヘリコプターか兵員輸送車になるだろう。その中でも、戦車は扱えるものがおらず使い道がない。


 シュン!


 俺が最初の戦車の前に立って、車体に手を当て押し返してみる。すると、戦車は前進をやめてズルズルと後退した。そのままダッシュで押し切って、後方のタイヤがいっぱいついた砲身の車に激突させる。


「おい! 何をやっている!」


 後部の方から、兵士が叫ぶと、戦車の上のハッチが開いて人間が顔を出した。


「申し訳ありません! 機器の故障でありましょうか!」


 それでも、キャタピラは前を進もうと必死に回っている。俺はその先を見て、必要そうな車両がないのを確認した。


「この列はいらんな」


 俺はそのまま、前に進もうとする戦車を猛スピードで、後ろの車両を弾き飛ばしながら、最後尾まで押し切ってみた。車両の一列が破損しながらひっくり返り、中から慌てて兵士達が出てくる。


 すると、兵士の一人が叫ぶ。


「スーツの男を一名確認! 部外者のようです!」


「排除しろ!」


 戦車に向かって銃撃が降り注いだが、俺は、もうそこには居なかった。瞬間的に真上に飛び上がって、五十メートル上空から車両と軍人がいる範囲を見渡す。


「あの一角はいらんか」


 落下しつつ剣を構えた。


「壊獄天墜斬!」


 俺が選んだ区画の車両が、この世界には無い強烈な重力で、人間もろとも数十センチの鉄板になった。次の瞬間、鉄板がぼこぼこと膨らむ。砲弾の火薬が、内部で爆発したようだ。


「よし」

 

 そのまま着地し、戦車に剣技を放つ。


「冥王斬」


 戦車を先頭に、数台の戦闘車両を内部の人間ごと斬る。するとようやく、人間の兵士が俺を確認した。


「敵は、あそこだ!」


 銃撃が開始される直前に、俺は、すでに敵の後方に立っていた。


「なかなかに手間がかかるな」


 そう言いつつ、人間の頭を狙って剣技を放つ。


「飛空円斬!」


 見える範囲の人間の首が飛んだ。


 すると、待機していたヘリコプターが飛び立ち始める。みんなで乗り込めるような大型の物ではなく、デルが戦闘ヘリと呼んでいたものだ。どれも小さくて、俺達を運ぶ事は出来なそうだ。


「大地旋風斬!」


 ヘリコプターが飛ぶ場所で、大きな竜巻が怒り、ヘリコプター同士がぶつかって爆発して落ちていく。確認しつつ、俺は選別をしながら各個撃破し始めた。人間が出てきたら、飛空円斬で斬り飛ばしていく。しばらく続けていると、敵軍は少しずつ沈黙し始めた。


「気配感知。なるほど、死にたく無くて車両に隠れている奴らが多数いるようだな」


 俺はすぐ、一台の兵員輸送車のハッチを開け、中に乗っている奴を殺害する。そこでようやく、基地内から大勢の兵隊が飛び出してくるのを感知するのだった。 

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