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終末ゾンビと最強勇者の青春  作者: 緑豆空
第六章 青春の冒険編

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第642話 再びアメリカ国内へ

 カナダを離れた俺達は、標的としている三人を、どうやって探し出し、追い詰めるのかを話していた。GOD社テッド・グローバー、ファーマー社モーガン・ウイリアム、国務長官マーガレット・ブラッドリーの三人。


 テッド・グローバーは、カナダファーマー社のデータセンターに侵入した時、突然アクセスしてきた。通常時で考えれば、サンフランシスコの本社にいると思うのだが、ゾンビパンデミックが起きた以上は、既に姿をくらませていると考えていた。


「もちろん、モーガン・ウイリアムもマーガレット・ブラッドリーも、表には出ないだろう」


 クキが言い、皆が腕を組んで黙り込む。


「九鬼さんの言う通りでしょうね。ワシントンDCが破壊された以上、通常のルートで尻尾を掴むのは、難しいと思います」


「まあ、大森のいう通りだな」


 そこで、デルが言う。


「米軍でも信頼のおける筋が分からんしな、俺がいた基地は壊滅。他も、状況が分からない」


「ああ。むしろ、生き残った米兵は、ワシントンで核に焼かれた可能性が高い」


「見えてきた。あそこが、ネブラスカの戦略航空軍団基地だ」


 見た限り、基地敷地周辺にはゾンビがうろついており、完全に機能していない事が分かる。


「燃料補給するために着陸する。そして、一度休息しよう」


 そこで、俺が言った。


「先に降りて、着陸で来るように綺麗にしておく」


「了解だ」


 俺はハッチを開けて飛び降り、着地と同時に剣技を繰り出す。


「飛空円斬!」


 見える限りのゾンビは、バタバタと倒れていった。フェンスの外のゾンビたちも、ヘリコプターの音につられて寄って来たので、直ぐに外に出て行って片っ端から切り捨てていく。振り返れば、空港にヘリコプターが下りて来たところだった。


 デルが下りてきて言う。


「ヒカル。通信と、食料を確保しよう」


「指示をしてくれ。俺が片付ける」


「わかった」


 館内のゾンビを駆逐しながら、進んでいくと食堂があった。俺達がそこに入るが、腐った匂いがする。


「電気が来てないから、もう腐ったか。だが保存食がある」


 棚を探すと、食料が見つかった。真空パックになったパンや、果物や肉の缶詰などがある。


「おっ、ピクルスもある。サンドができるぞ」


「炭酸が無いですかね」


「あったあった!」


「適当に袋に詰めて持って行こう」


 俺達はその辺りにあった袋に、食料を詰めデルの誘導で、ゾンビを処理しながら管制室に辿り着いた。中にいたゾンビを始末して、ドアの外に放り投げ鍵を閉める。


 クキが言う。


「まずは食事だ。それから、非常電源の復旧だな」


「そうしよう」


 皆が乾いたパンと、缶詰の肉と果物を口にしていく。だが、その時だった。


「……食べられません」


 研究者が言う。


「私も……」


 するとアビゲイルが言った。


「無理に……食べなくても大丈夫よ」


「「「「はい……」」」」


 ゾンビ化された研究員たちは、暗い影を落とす。食料を必要としないという事は、細胞の死滅が始まった可能性があるからだ。ビスク製剤で崩壊を止めているといっても、進行しないわけでは無いのだ。


 すると、デルが言う。


「博士……俺は、逆に、かなり食欲が強くなっている。これも、あの影響だろうか」


「そうですね。テロメアを消費して、驚異的な力を得ている。細胞が栄養を極度に欲しているのです」


「そうか……」


「とにかく食べてください。飢餓は良くありません」


「わかった」


 俺達は、食べないという選択はしない。食べれるときに食べておかねば、いざという時に戦えない事を知っているから。彼らには気を使いつつも、栄養補給の為に食料を口に放り込んでいく。


 それから地下の緊急電力を発電させ、管制塔の機械に命を吹き込んだ。


「他の基地に通信してみるべきか」


「そうだな。どこも機能していないだろうが、むしろ繋がるところがあれば、そこが怪しいかもしれん」


「なるほど」


 そしてデルが、周辺の米軍基地に通信を始める。だが通じる事は無く、次々に通信先を変えていった。


 ガガ! 


「ん?」


「こちら、ピーターソン宇宙軍基地」


 やっと、つながるところがあった。皆静かに聞き耳をたてる。デルが言う。


「こちら、ネブラスカ戦略航空軍団基地」


「……生存者がいるのか?」


「そちらは?」


「こちらは、何とか維持している」


「他の基地の状況が分からない」


「他は機能していない」


「生存者は?」


「ここでは、市民を救出をしていない。そこは、しばらく通信が繋がらなかったが?」


「生存者だけで逃げてきた」


「階級と名前は」


 そこで一瞬、デルが躊躇したが、タケルがゾンビの死体からネームをとって渡した。


「サミュエル・リース少尉。戦略航空軍団基地所属だ」


「了解だ。リース少尉。基地は機能していないんだな?」


「そうだ」


「すぐに救助を出そう」


「了解だ」


 そして、通信が切れた。


 クキが言う。


「さて、どうなるか」


「ああ」


「ここまで、ジェットでどのくらいだ?」


「一時間はかからんだろう」


「じゃあ出るぞ」


 オオモリが慌てる。


「えっ! 休むんじゃないんですか?」


「ここでじゃない」


「そうですか」


 そして俺達はすぐに司令塔を出て、ヘリコプターに燃料を詰め込む。そしてすぐにその地を出発して、数キロ先に飛び着陸した。ゾンビを仕留めつつ、ヘリコプターを降りる。


 聞き耳を立てている、ツバサが言った。


「ジェット機の音が聞こえる」


 皆が意識を集中させたとき、俺達がさっきまでいた基地の方から、爆撃音が聞こえてきた。


ドン!


「なるほど。ピーターソン宇宙軍基地は黒だな」


「そのようだ。どうする?」


 クキが、周りを見渡して言った。


「いいところにモーテルがある。あそこで休むとしよう」


「わかった」


 俺達はゾンビを殺しながら歩き、一軒のモーテルに辿り着いた。皆で、周辺のゾンビを全て駆逐する。そしてミオ達が、フロントに行き鍵を探して取る。


 俺が言った。


「俺が見張る。みんな、好きな部屋で寝ればいい」


 そこで、クキとデルが言う。


「いや、交代でやろう」


「わかった」


 長閑な何もない場所だが、休むには丁度良さそうだった。明日からの戦いに備えて、仲間達はしばしの休息を取るのだった。

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