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終末ゾンビと最強勇者の青春  作者: 緑豆空
第六章 青春の冒険編

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第635話 核を消す次元の刃と青春の絆

 スパイを尋問して分かったのは、新たに何かを狙っていること。その何かをなかなか吐かなかった為、また俺が尋問する事にした。ベギン! と頭蓋を割り、またヒールで直す。その上で、魔力と闘気と殺気をぶつけた質問をする。 


「あ……あう」


「吐け」


「アビゲイル……と、研究員……」


「なに?」


 ガクッ、と気絶した。そこで俺は、気付けにボールペンを刺す。


「うが……」


「それが、いったいなんだ?」


「そいつ……は……ゾンビを、終わらせる……力を持ってる……」


「だから何だと言うのだ? 終わらせて当然のこと」


 だが、余りに強烈すぎたようで朦朧としてきた。


「狙いは、博士」


 アビゲイルを見ると、青い顔をして下を向いた。


「大丈夫だ。アビゲイル」


「で、ですが、私がいれば市民を巻き込んでしまう」


 そこで俺は、アビゲイルの両肩をがっちりつかんで言う。


「俺が、いるのにか?」


「ミスター……ヒカル」


「そんなことは絶対にさせん」


 すると、タケルも笑って言う。


「そうだぜ、博士。あんたに指を触れるつーんなら、ぶっとばしてやんよ」


「ミスター武も……」


 エイブラハムが、ニッコリ笑って言う。


「かわいい、アビーよ。今までもそうじゃったろ。安心せい」


「お爺ちゃん」


 そんな話をしていると、カナダ諜報部員のリーダーが言う。


「だが、彼女がいれば、狙われるのも事実。彼女一人を抹消するのに、敵は核基地を占拠した。恐らく、あんたらの力が強大だからだ。それが敵に伝わり、あんなバケモノをオタワに放しやがった。そのうえ、このトロントまで狙われるとなると……」


 それを聞いて、クキが答える。


「敵が元凶を消したいという一点に集中しているからだ。だがな、博士が殺されればどうなると思う?」


「……そうか……そういうことか」


「そうだ。人類が生き延びるためには、全員が彼女を守らなきゃならないんだよ」


 ミオも言う。


「だから、命がけで守って来たの。博士は私達の大事な仲間なの。世界は彼女の手にかかっているのよ。だから世界中を敵に回しても、博士だけは守らなきゃならないの。人類のために」


「お嬢さんの言う通り、すまなかった。彼女がいるから危険なんじゃなく、彼女はどこにいても危険で、それを人類が守らないと、絶滅してしまうという事なんだな」


「そういうこと」


 その尋問の最中だった。ドアが思い切りあけられて、軍人が飛び込んで来る。


「緊急です! マイノット空軍基地より、核弾頭が発射されました。目標はトロント! 残り時間十分」


 キュイキュイ! と、非常のサイレンが鳴り響く。それを聞いて、縛られたスパイが嘲笑し始めた。


「くははははは! 土台無理なんだよ! 核がみんなを焼く! そうすれば、その女も一緒に蒸発だあ! あははははは! あははははは!」


「狂ってやがる」


 諜報部のリーダーが、ガンとデスクを蹴った。


「黙れ!」


「どうする、あと、十分だってよ! トロントは消滅する!!」


 それを聞いて、俺が言う。


「そうか。まあまあ余裕があるな。みんなも見に来るか?」


 タケルが、頭をかきながら言う。


「おりゃ、何度も見たよ」


「わたしもー!」

「私もね」


 そして、ミオが言う。


「日本から一緒だったもの、もう何回も」


 スパイが、キョトンとした顔で言った。


「と、とうとう、狂っちまったか! あと、十分だもんなああ! あははは!」


 だがオオモリが言う。


「いや、正確にはあと、八分二十秒です」


「ひゃっは! 正確に言ってどうする?」


 ガン! と俺はそいつを気絶させた。


「見たいものは、ついてこい」


 そして俺と仲間について、デル、研究員、諜報部員全員が、俺と一緒にそのビルの屋上に登って来る。次に、通信機を持った諜報部の女が言う。


「着弾まで後三分!!」


 オオモリが画面を見ながら言う。


「こっちの方角ですね。ヒカルさん」


「お前はいつも正確だな」


 俺はそっちの方を向いて、腰の村雨丸に手をかけた。


 諜報部員のリーダーが言う。


「な、なにを。もう、核が来るんだぞ。とはいえ、既に逃げる場所もない、せめて地下に!」


「ヒカルさん。後、二分十八秒です」


「待ちくたびれる。随分、ノロく感じてしまうものだな」


 諜報部の女が言う。


「一分三十秒 二十九、二十八、二十七……」


 するとその時、タケルが言った。


「あ、喉乾いたな」


 諜報部のリーダーが言う。


「あんた……こんなときに何言ってんだ」


「一分きりました!!!」


 そこで俺が言う。


「見えた」


 皆が俺を見る。


 そして剣技の構えに入った。


「空接瞬斬! 次元断裂!」


 俺の意思気の中で空間が割れ、そこにミサイルが吸い込まれて行った。そして次元の裂け目が閉じて、ミサイルの気配は消滅する。


 すると、諜報部の女も言う。


「ミサイル……ロスト……どこにも見当たらないそうです」


「なんだと……」


 そこで俺が納刀しながら、振り向いて諜報部員たちに言う。


「言ったはずだ。問題ないと」


「あ……あんた……核を消せるのか?」


「もちろんだ」


 皆が唖然とする。


「い、言っている事がさっぱりわからん」


「言葉通りの意味だ」


「じゃあなにか? あんたと一緒に居るアビゲイル博士は、絶対に安全と言う事か」


「そうだ。仲間達は全員、俺が守る。まあ、彼らもおんぶに抱っこじゃないがな」


「……バケモンだな」


 するとミオが言う。


「あら、失礼しちゃうわ」


「いや、いい意味で」


 デルが諜報部らに言う。


「わかる。あんたらと同意見だよ。シールズなんて厳しい軍に属してたが、こんなバケモノ見た事無い。と言うか、まるで神様だよ」


 だが俺は、激しく拒絶した。


「神を軽々しく言うな。俺が、神な訳がない。ただの男だ!」


「す、すまん。そんなに怒る事か?」


「神を冒涜してはならん」


「いや、冒涜しているうちには入らんと思うが」


 そこで、またミオが言う。


「いろんな国の考え方もあるし、世界によっても違うわ。それに、ヒカルは神様じゃない。私達の一番大切な人よ」


 するとタケルが、茶化すように言う。


「あっ? いま、一番っつったか? 美桜。おまえ」


「な、なによ!」


 すると、ツバサが言う。


「私だって! 一番よ!」


「つ、翼!」


「あたしもよ!」


「南!!」


「私だって!!」


「愛菜!!」


 それを聞いていた、オオモリが言う。


「いや、僕では?」


「あんたなわけないでしょ!」


 だがそこで、アビゲイルが言う。


「私は、ミスター大森がいちばん……」


「「「「えっ?」」」」


 女達がアビゲイルを振り向く。


「い、いや、そうじゃなくて、あの!」


 それを見ていた、諜報のリーダーが言う。


「そうか。仲がいいんだな。羨ましい限りだ。守護神に愛されるなんて、あんたらは本当に幸せ者だ」


「「「「でしょー!」」」」


 そこで、諜報の女も言う。


「いいなあ……」


「は? お前……」


「いや! こっちのこと!」


 諜報部のリーダーが苦笑して言う。


「核での破滅の直前だったと思うがなあ、あんたらといると、なんだかバカらしくなってくる。まるで、青春模様を見せられているようだ」


 そこで、タケルが言った。


「青春と言えばよ。オタワからここまで何も飲んでねえんだ。コーラでも飲ませてくれよ」


「そうしよう。皆も、是非一緒に。ここの自動販売機のホットドッグは、まあまあ美味い」


「食いてえ」


 そうして俺達は、部屋へと戻っていくのだった。歩きながらクキが言う。


「むしろ、アビゲイル博士狙いでよかったよ」


 それに俺が頷いた。


「ああ。無駄に市民が焼かれずに済む」


「オリバーや大統領が……どうなったか」


「そこに、俺がいなかったことが悔やまれる」


「お前のせいじゃないさ」


 それを聞いていたタケルが、頭の後ろに手を組みながら言う。


「ヒカルが、この世界で、いっちばん頑張ってっと思うぜ。てか、ヒカルより頑張ってるやつ探すのが、めっちゃムズイ」


 それを聞いて、アビゲイルも言う。


「そうです。恐らく人類が、本当に守るべきは私では無く、ミスターヒカルだと思います」


 だが俺は首を振る。


「違う。仲間達全員だ。必ず俺が守る」


「分かってます……」


 そして休憩室に入り、皆にコーラとホットドッグが配られて、しばしの休憩に入るのだった。

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