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終末ゾンビと最強勇者の青春  作者: 緑豆空
第六章 青春の冒険編

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第623話 カナダ国内にも忍び寄る危機

 衛星からの映像では、車から銃を持った人間達が、ぞろぞろと降りてきていた。


 クキが、政府関係者に言う。


「アメリカ大統領府に連絡はついたか?」


「呼び出し中です」


 俺達が見ていると、銃を持った人間が基地の方に近づいて行くところだった。


「つながりました! 大統領補佐官です!」


「九鬼さん。どうかしましたか!」


「大統領は?」


「いま、別件で出ています」


 そして、クキが俺達を見た。それは、この補佐官は信用するに値するか? と言う事だ。


「オリバー・クレイトンかグレイブ・クレイトンをお願いしたい」


「わかりました」


 少し待つと、グレイブ・クレイトンが出た。


「どうしたね?」


「核ミサイル施設に、銃を持った人らが近づいているのを衛星映像で確認した。これは、アメリカ軍で間違いないのだろうか?」


「大統領に確認せんと分らん」


「すぐに確認してほしい」


「わかった!」


 映像では、どうやら次々に基地内に入り込んでいってる所だった。


 そしてクキが、政府関係者に聞く。


「……これは、何処の基地だ?」


「ノースダコタの、マイノット空軍基地です」


 クキが、地図を見た。


「ここから……どのくらいだ?」


「ヘリで八時間ほど。陸路なら二十四時間かかります」


「これが米軍ならいい。だが、裏切り者だとしたら……」


 大統領からの返答は、なかなか返ってこなかった。皆がそわそわして、衛星からの映像を見ている。

カナダの政府関係者も慌ただしく動いており、政府へも緊急通達したらしかった。


 すると衛星通信で、オリバーが出てきた。


「オリバーだ」


「オリバーさん。大統領からの連絡は?」


「まだだ。軍関係者に聞いたが、部隊は送っているようだ。君らが、見ている部隊かどうかは確認中だ」


 どうやら、アメリカのほうでも、情報が錯綜しているらしい。慌ただしく動いており、既に他の奴らに情報は伝わってしまったようだ。


 その時、カナダ政府の関係者が言う。


「見てください!」


 なんと、衛星からの映像で、ヘリコプターが数機、到着したのだった。


「また、来た。今度は、ヘリか……」


 オリバーが聞いて来る。


「どこの軍か、確定できるか?」


「いや、民間の衛星を借りてるんだ。そこまで鮮明には拡大できていない。豆粒のような人間が動いているのが、分かる程度なんだ」


 そこでデルが言う。


「ヘリは間違いなく、米軍のものだ。こいつらが、どっちかは分らんがな」


 ヘリコプターから、数人が下りたのが見えるが、確かに米粒にしか見えない。そして次の瞬間だった。いきなり、一機のヘリコプターが爆発し、他の機体が一斉に回避行動をとりはじめる。


 デルが言う。


「スティンガーだ。地上から撃墜されてる」


 タケルが拳を握って言う。


「どっちがどっちか、分からねえじゃねえかよ!」


 すると丁度、オリバーのところに大統領がやってきた。


「待たせたね」


 デルが答える。


「大変です大統領、ノースダコタのマイノット空軍基地にて、戦闘が行われております」


「なんだと!」


「至急、増援を送られたし!」


「時間がかかる……、まともに稼働している基地がないんだ」


 深刻な状況だった。カナダの政府関係者が言う。


「首相に伝え、アメリカ大統領との合意があれば、戦闘機を飛ばせます」


 すると向こうから、アメリカ大統領が言う。


「領空侵犯を許可する! そして、正式にカナダ政府に対し、援軍の要請をしたい!」


「すぐに!」


 管理官が動いて、すぐに向こう側とカナダ政府が繋がったようだ。アメリカの大統領の依頼を受けて、カナダ軍をノースダコタのマイノット空軍基地へ向かわせることになる。


 そして俺が言う。


「俺たちも、行った方が良いんじゃないのか?」


「時間がかかるが?」


「カナダ軍がけん制している間に、何とかならないだろうか」


「確かにな」


 それを聞いて、政府関係者が直ぐに連絡をする。事態は一気に険しくなり、俺達が慌ただしく動き出そうとした時だった。俺の耳に飛行機の音が聞こえてくる。


「ん?」


 俺では無く、ツバサが言う。


「なんか、ここに飛んで来てる?」


 カナダ兵が言う。


「飛行機ですか?」


 だが俺の危機センサーが警鐘をならす。脱兎のごとく部屋を出て、一気にガラスを突き破り外に出た。すぐに屋上に飛び上がると、こちらに向かって飛行機が飛んできているのが分かった。


 次の瞬間、飛行機がミサイルを撃ち込んでくる。


「空接瞬斬!」


 ミサイルと飛行機を同時に斬り落とし、飛行機はそのまま市街地に墜落して炎上した。


「くそ」


 すぐに、みんなの下に戻ると、オオモリが言う。


「通信を探知された可能性があります」


 アメリカと通信をした事で、こちらの状況がバレた可能性がある。すぐに、次の対策をうたねばならない状況に陥ってしまった。


 クキが政府関係者に言う。


「首相のところに、連れて行ってはもらえないだろうか」


「わかりました。少々お待ちください」


 俺達は、待たされることが多くなってきた。一刻も早く動かねばならないが、現場で判断して勝手に動くわけにはいかないらしい。だがその答えは、更に悪いものだった。


「大変です! カナダ官邸が襲撃されています」


「「「なに!」」」


 後手に回ってしまっている。ここに来て、ファーマー社は一気に活動を開始したらしい。


 クキが政府関係者に言う。


「どうなってる?」


「軍が防戦しているようです」


「すぐに向かおう!」


「ですが、返事が」


「かまわん。車両を貸してくれ」


「わかりました」


 そして俺が言う。


「ここも危険だ。皆で向かおう」


「そうだな」


 そして皆で外に出て、大型軍用車両に全員が飛び乗り、政府の車の後ろを首相官邸に向けて出発する。俺が先ほど撃ち落とした、飛行機の火災の為サイレンが鳴り響いていた。


 だが俺は、おかしな気配を感知する。


「ん? 殺気だ。車を止めろ!」


 ドゴン!!


 遅かった。先頭を走っていた、政府関係者の車が爆発して炎上した。


「くそ」


 俺が直ぐに車を飛び降り、剣技を繰り出す。


「刺突閃!」


 ビルの三階から狙っていた、敵の眉間に穴をあけた。


 クキが言う。


「武! 脇道に入れ!」


「おう」


 俺達が乗る車両に、銃撃が飛んで来たが、俺が剣で叩き落した。そして、撃ってきた奴の眉間に向けて剣技を振るう。


「刺突閃!」


 そいつが死ぬのを確認した。そして、車の中からクキが叫んだ。


「外部に情報が漏れている! どうやら……アメリカ軍だけじゃなかったようだ!」


「奴らが入り込んでいるという事か……」


「だろうな。敵の動きが早すぎる!」


「普通に生活している人達がいる。大規模な技は使えん」


 普通に車が走る都市、いきなり始まった銃撃。俺は車両の上で、気配感知を最大に拡大するのだった。 

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