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終末ゾンビと最強勇者の青春  作者: 緑豆空
第六章 青春の冒険編

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第602話 マサチューセッツでミサイル攻撃を受ける

 米軍服を着たゾンビ達がフラフラとやってきて、デル・フライトンが銃を構える。しかしそれを見て、クキがそっと手をかざして静止した。


「ゾンビが音で、寄って来ると面倒だ」


「な、何言ってるんだ? どうするつもりだ?」


 次の瞬間、タケルがモーニングスターをブンとふりまわす。


 べちゃぁぁ!


「は!?」


「行くぞ」


「ま、まてまて! なんでゾンビが集団で潰れた」


 それにタケルが言った。


「鍛えているからだ」


「きたえ……そんな訳があるか!」


「本当だ。俺はもうレベル十を超えてるらしいからな」


「その……さっきから、レベルって何の話だ?」


 それには、俺が答える。


「レベルが上がれば、力だけじゃなくスキルもあがり、やれることが増える」


「何を言ってる?」


 その時、ミオが言う。


「この扉の奥から六対近づいてくるよ」


 鉄の扉を指さしている。


「な、なんでそんなことが分かる?」


「えっと、その……分るから?」


「こ、答えになっていない……」


「格納庫に行くぞ」


 無視してクキが言うと、デルがハッとして言う。


「なら、こっちだ」


 俺達は船内に入り込み、格納庫に向かって走る。


「そんな、無警戒に走るのか?」


「問題ない。分る」


「わ、分るってなんだよ」


 俺が止まり、曲がり角にたって剣技で数体のゾンビを斬った。


「あんたら、あれが、怖くないのか?」


 全員が頷いた。


「麻痺……でもしてんのか?」


「いや、ただのゾンビは簡単に死ぬからな」


 タケルが言うが、デルは腑に落ちていないようだった。俺達は同じように進み、格納庫に到着した。


「ヘリが、あるな」


「いや、ミスター修平。それじゃない、救助用のシーホークなら全員が乗れる」


「わかった」


 デルの指示で向かうと、そこにも同じ型のヘリコプターが置いてあった。


「よし。これを甲板に出すぞ」


 それに対して、エイブラハムが尋ねた。


「動くのかの?」


「ええ」


 そしてデルが言う。


「みんな、乗ってくれ」


 全員が乗り込むと、デルが端にあるボタンを押した。するとヘリコプターが床ごと上に上がり始める。

甲板まで出て来て、クキがヘリコプターを起動させると、その隣りにデルが座った。俺達は後部の椅子に座り込む。


「行くぞ」


 畳まれていたプロペラが伸びて、ぐるぐると回り始める。そこでデルが言う。


「だが、これに武装はない」


 俺が答える。


「いらん。直ぐに飛ばしてくれ」


「よし。行くぞ」


 ヘリコプターのエンジン音で、あちこちゾンビが寄って来るが、そのままヘリコプターは大空に舞う。直ぐに西の海側に向かって、海上の進路を北へとる。街で煙が上がっているのが見えるが、もしかしたらまだ生存者がいるのかもしれない。だが、今はそれらに構っている暇はなかった。


「目的地まで一気に行けそうだが……」


「航続距離的には問題がない」


 二人が会話をして、周りの海を見渡していた。万が一があるので、俺も周囲を気配探知をしていた。

しばらく飛んでいると、突然通信が入る。


 ガガッ!


「アンドルーズ空軍基地 ヴィンテージ・タワーより、湾岸を飛行中のシーホーク航空機へ。当管制圏に侵入中。即刻、コールサインと所属を応答せよ」


 それには直ぐに、デルが答える。


「こちら、所属ノーフォーク・ネイビーシールズ、デル・フライトン中尉。ノーフォーク海軍基地からの緊急人員輸送だ。都市圏は危険なため、海岸線に迂回した」


「ノーフォーク・ネイビーシールズ。デル・フライトン中尉。確認した。こちら救助の体制が整っている。至急アンドルーズ基地へ、よくぞ生きて居てくれた」


 そこでクキが、パチンと回線を切る。


「なっ!」


 デルが唖然とする。


「何故切る!」


「すまん。デル、米軍内部にも奴らが入り込んでいる。敵が味方か分からない状態なんだ」


「なん……だと」


「なので、撃墜される可能性がある」


「……わかった。いきなりドカンでは割に合わんな」


 そして無線を入れる。


「デル中尉。無線が切れたようだが、大丈夫か?」


「調子が悪いようだ。オーティス空軍州兵基地に向かうよう指示が出ている」


「だめだ。あそこはもう壊滅している」


 そしてデルは、スイッチを入り切りしながら言う。


「良く聞こえない! とに、ガガ、オーガガ! 基地!ガガ! むかう!」


 そして、そのまま回線の電源を切った。


「うまいものだ」


「トラブルはつきものだ」


「味方ならば救援を出すかもしれんな。敵ならば放っておくか」


「そのときわかるさ」


「いずれにせよ。デルが居てくれて助かった」


「軍に逆らうのは初めてだが、修平、なぜかあんたは信じれる」


「俺は、自衛隊だ」


「おお、そうか!」


 そのまま通過し、二時間もしないうちに目的地が見えて来る。


「燃料も持ってくれた」


「空母に行って正解だったな」


 だがその時だった。俺が地上に動きを察知し、ヘリコプターから身を乗り出し、足の部分に足を絡めてさかさまにぶら下がる。


「ミサイルだ!」


 とデルが叫ぶが、俺は剣技を振るう。


「空接瞬斬」


 着弾するずっと前に、ミサイルが切れて落ちていく。それを見て、俺がクキに言う。


「ミサイルを撃った場所へ飛べ!」


 それを聞いてクキが反応するが、デルが大きな声で言う。


「おいおい! わざわざ撃墜されに行くつもりか!」


「ちがう。逃げる前に、捕えるためだ」


「と、捕えるって、こっちには武装が無いんだぞ」


「俺が武装だ!」


 直ぐに次のミサイルが飛んで来る。それで、確実に攻撃して来た位置を掌握する。


「空接瞬斬! クキ! 高度を下げるな!」


「了解」


 ヘリコプターはどんどん上空に上がっていく。何度ミサイルが来ても、俺が墜とした。


「うるさいやつらだ」


「警告なしで撃って来たんだ。アメリカ軍ではないだろう」


 クキが言うと、デルも答えた。


「間違いない。テロリストだ」


「ならいい」


 スッと息を吐く。


「剛龍爆雷斬!」


 俺の剣から、シュッとミサイルが発射された場所に向かって火の玉が走る。それが地上に到達した瞬間、閃光がきらめいて大爆発を起こす。


 ドゴォォォン!


 デルが驚いていた。


「は? 地上が爆発したぞ!」


 だがクキが俺に言う。


「このまま着陸するぞ! ヒカル!」


「そうしてくれ!」


 ヘリコプターは高度を落とし、クキはうまく見つけた芝生の広場へと着陸させた。俺達はすぐに地上へと降りて、デルもそれについて来る。


「あれは、ファーマー社か?」


「恐らくはそうだ。さっきの通信では、オーティス空軍州兵基地は壊滅したと言ったがな」


「確かに。このあたりにアメリカ軍はいないという事になるか……」


 俺達の視界の先には、剛龍爆雷斬の黒い煙が立ち上っていた。ミサイルを撃ってきた奴らはひとたまりもないだろうが、俺達がここに着陸したのは見ているだろう。


「直ぐに、待ち伏せできる位置を取るぞ」


 俺の号令で、一斉に高いビルに向けて走り出す。


「あんたら、本当に一般人か? 訓練を受けてるんじゃないか?」


「ちがう。実戦で動いているうちにこうなった」


「実戦で……」


「さっきの爆発で、ゾンビが全部むこうに向かったな」


 どうやら、このあたりのゾンビは一斉にむかったようだ。ゾンビのいない芝生を走り、道路に出て高いビルへと侵入する。だがビルの中にはゾンビが居て、皆がそれを処分しながらビルを登り始めた。既に手慣れたもので、皆はもう何をすべきか分かっているのだ。


「こんな若いお嬢ちゃんたちの動きじゃない」


「日本じゃ、これが当たり前だったわ」


「なるほどね……」


 そして俺達は、ビル上階層にある部屋に陣取りヘリコプターの方を監視した。双眼鏡で覗いていると、ぞろぞろと軍用車両がやってくるのが見えた。


「おいでなすった。ファーマー社だ」


「本当だ」


 どうやらここに来たのは正解だったようだ。


「ヘリコプターを見てきっと、アメリカ兵だと思ったよな」


「だろうな」


「米軍を無条件で撃つか。確実だな」


 もぬけの殻になったヘリコプターを、正体不明の兵士達が確認している。俺達はそれを見て、次の作戦のために周辺の地理を確認するのだった。

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