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終末ゾンビと最強勇者の青春  作者: 緑豆空
第六章 青春の冒険編

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第580話 懸念事案の確認と対策

 衛星の事で俺達が微妙な顔をしていると、数枚のパネルに各都市の状況が映し出される。


「新しい軍事衛星と、民間の衛星からの共有映像だ」


「これが今のアメリカか」


 そこにはアメリカの国土が映し出されている。映像が次々に変わり、各都市から煙が上がっているのが見えた。それを見て大統領と、専門家たちが慌てている。


「これは酷い、ここまでとは」


「こんな状態になっていたのですね!」


「直ぐ対策を打たねばなるまい! アメリカ国内に残存している、兵力を調べる必要がある」


 そこで、クキが言う。


「まあ、いちおう言っておくが、マーガレット・ブラッドリーの存在は忘れちゃいけねえ」


「大丈夫だ、これは私と一部しか知らない情報網だ」


「ならいいんですけどね」


 軍事衛星の事もあったので、俺達はそっとしておく事にした。そしてアビゲイルが聞く。


「それで、私は薬品の開発に入りたいのですが」


「そうだったね。スミス博士。では、君! 彼らを案内してやってくれ」


「はい」


 そうして俺達は、大統領と専門家たち、オリバーとグレイブたちを残し、その係の人間について行く事にした。施設は広大な面積があり、廊下を歩きながらクキが案内役に聞いた。


「ここは、核攻撃は大丈夫なのかい?」


「地下二百メートルに位置しています。更に、地上までは防隔壁が何重にもあります」


「なるほどな。よっぽどじゃないと、ゾンビも来ないか」


「ぞ、ゾンビ? なんですそれ?」


「ああ、大統領が慌ててやってきたのは、地上がゾンビだらけになったからだ」


「嘘……ゾンビなんて、そんな映画みたいな」


「嘘じゃない。さっきの映像をみたろ? あれは暴徒じゃない。ゾンビの仕業なんだ」


「マジですか……」


 そして案内された先には、ガラス張りの広大な実験施設があった。


「ここは?」


「このシェルターの避難滞在期間は十年を想定しています。薬品などを作る工場や、様々な物資や資料が残されています。食料もそれだけ確保されているんです」


「へえ、流石はアメリカだ」


 それにアビゲイルが聞く。


「ということは、薬品の在庫もあるという事ですか?」


「そう言う事です」


「それは良かったです」


 そして再びアビゲイル達は、ゾンビ破壊薬の開発と増産に向けて動き出すことになる。ここならば、ファーマー社の核攻撃も受けないだろう。そこで、俺が係に聞いた。


「この施設の見取り図みたいなものはないのか?」


「それは分かりません。大統領に聞いてください」


「ありがとう。じゃあおまえは戻っていいぞ」


「わかりました」


そいつが出て行く。ここは日本で俺達が隠れた、国会図書館よりも遥かに堅牢な施設らしかった。それを聞いた、仲間達もホッとしたような表情を浮かべている。


 そこで俺の顔を見た、ミオが言う。


「ヒカルさあ。なーんか、考えてるよね?」


「ここなら、守りを気にせずに俺が出れる。思う存分戦えるんじゃないか?」


「……確かに。そうだけど」


 そしてクロサキが言った。


「そうですがヒカルさん。ホワイトハウスから来た、専門家は注意したほうがいいでしょう」


「敵側がいる可能性か?」


「ええ。国務長官や医薬品食品安全省局長の、関係者がいないとは限らない。あのとき、大統領が人払いをしたのは、そう言う意味合いもあるかと思います」


 それを聞いて、クキが言う。


「だろうなあ、大統領側の作戦が筒抜けだったらしいからな。それも含め、調べる必要があるか」


 そこで、オオモリがパチパチとスマートフォンを打ち込んで、俺達の前に差し出した。


《音声が聞かれる可能性もあります。出来れば、テキストでやりとりを》


 皆が頷いた。そしてみんなは、スマートフォンを取り出し文章を打ち込みながら、やりとりを始める。


 まずは、この施設に敵側が入り込んでいる可能性は無いか? を話合う。あの状況下では、敵側がいたとしても逃げる事はできない。むしろ、大統領から離れる事はないだろうと推測した。


「どいつかは分らんけどな」


「クキ、あぶりだす必要があるぞ」


「だな」


 そして俺が気にしている事を話す。


《あとは、施設の状況によっては試験体が入るぞ。あれらは、侵入経路など選ばんだろう》


《確かにその通りだ。ゴキブリみたいなもんだからな》


 この施設の見取り図が必要な事が確定する。


 そしてその懸念を払拭したあとの、全員の動きの確認をした。


 まあ、スパイがいるなら殺さねばなるまい。こちらには、アビゲイルがいる。四六時中誰かが、アビゲイルの警護に付く必要があるということになった。


「まずは、大統領とサシで話す時間を、オリバーに交渉してもらうことだな」


 クキが言うと皆が頷いた。既にアビゲイルとエイブラハム、オオモリとマナとツバサとミオの六人が薬品製造の作業を始めている。護衛は俺、クキ、タケル、ミナミ、クロサキ、シャーリーンの六人が、交代で守る事にした。


 それから数時間後、俺達のところに食事が届けられた。俺が口に入れてみるが、毒などの反応はない。


「食っていい」


 俺の合図に皆が食い始めた。


「毒は持ち込めなかったんじゃないかな?」


「そのようだ」


「薬品の管理は、現状、アビゲイル博士がやっているわけだし」


「ああ」


 皆が食っている間も、オオモリは施設に備え付けの端末をパチパチと操作している。そして俺達が飯を食い終わろうかという頃に、オオモリがにんまり笑って俺達に見せた。


「ヒカルさん。見取り図ありました」


「そうか」


 見取り図が映し出されており、俺とクキがそれを見て話しを始める。


「これは…通気口。これは……エレベーターか。他に地上に通じる道は無さそうだ」


「四カ所の通気口。そしてエレベーターが六基だな……」


 クキがオオモリに聞く。


「ここから、外に連絡は取れるか?」


「通信は無理でしょうね。恐らくやりとりが出来るのはエレベーターのみです」


「なるほど、一応は袋のネズミという訳だ」


「今のところは」


 俺達が警護を続けていると、今度は大統領と専門家の一部がやってきた。もちろん、オオモリがハッキングした画面は消している。


「早速、薬の開発をしてくれているんだね」


 クキが対応する。


「そうです」


 クキが話している間も俺達は、ついてきた専門家たちと補佐官に目を光らせていた。下手をすれば、この情報を敵に流される可能性もある為、絶対に逃す事は出来ないからだ。


「では、何かあれば、教えてくれたまえ」


 去ろうとしている大統領に俺が言う。


「この施設の管理はどこでしているか?」


「おお、それならば管理室に案内しよう」


「じゃあ、俺が行って来る。クロサキも来てくれ」


「わかったわ」


 俺とクロサキは、大統領について施設の管理室に向かっていく。歩いている会話は、全てクロサキと俺が聞いていたが、今のところ怪しい者はいなかった。


 入っていくと、数人の係の人間が居て、映し出されたパネルを見ていた。


「ここだよ」


「すまない」


 あちこちの施設の監視カメラや、電子の立体映像が映し出されている。何処も正常に動いており、今のところ異変は無さそうだった。


「大統領、よろしいですか?」


 クロサキが聞くと大統領が答える。


「なんですかな、日本の方」


「この施設の出入りは、大統領だけの権限でよろしかったのでしょうね?」


「その通りだ。核と同じで、私の許可なく出入りは出来ない」


「わかりました」


「あと、今、残存兵力の調査をしている。分かり次第お伝えするよ」


「ありがとうございます」


 全て覚えた。間違いなく、場所がバレれば試験体は進入可能だという事がわかった。俺はクロサキに目配せをして、皆がいる場所へと戻って行くのだった。

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