表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
終末ゾンビと最強勇者の青春  作者: 緑豆空
第六章 青春の冒険編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

560/661

第560話 ロサンゼルスに忍び寄るゾンビの陰

 縋りつく息子を説得したルーサーは、俺達とバイクに乗ってロサンゼルスを飛び出した。出来上がったゾンビ破壊薬を、リュックサックに入れてハー〇ーダ〇ットソンに跨るルーサーは凄く様になっている。


 荒野の、高速を途中まで一緒に走っているとき……。


 俺が手を上げてバイクを止める。後ろをついてきたルーサーと、タケルが俺の合図に停まる。


「どうした?」


「やはり、完全には防ぎきれていないようだ」


「マジか」


 そしてルーサーが聞いて来る。


「どういうことだ?」


「ゾンビに感染した人間は、ラスベガスを抜け出して来ているということだ」


「そんな……」


 タケルが俺に言う。


「ヤベエな、ロサンゼルス……」


「ああ。既に入ってしまったかもしれん」


「下手をすれば、ファーマー社が来るか……」


 乾いた風が吹き、砂埃が舞う高速道路。だが明らかに、ゾンビ因子の気配はある。そうなれば、途中の町にも入り込んでいる可能性が高い。するとルーサーが俺達に言う。


「あんたらは、ロサンゼルスに戻ってくれ」


「だが、軍隊が待っているかもしれんぞ」


「なあに、真っすぐいかなければいいんだろう」


「アメリカ軍が、いるところは通れない」


「ベガスは庭だって言ってるだろ。それに、俺も体は強くなっているんだ」


 確かに普通の人間ではない。下手をすれば、米軍の銃撃を受けても死なない可能性はある。


「ゾンビだと認識され、攻撃される可能性も否定できん。入ったはいいが、出て来れないかもしれない」


「覚悟の上だ。早くしなければ、核弾頭が打ち込まれてしまうんだろう?」


「そうだな」


「それに、ロサンゼルスが何かあれば、アメリカは終わってしまう。あんたらは、工場と仲間達を守らなければならない」


 ルーサーは、覚悟が決まっており、俺とタケルは目を見て頷いた。そして俺が言う。


「数棟の高層ビルの屋上に噴霧器を設置したら、とにかく急いで脱出するんだ。時間で噴射が始まるようになっているらしい、その前に必ず息子のところに帰ってこい】


「そうだぜ。チャンピオン、あんたにゃ待ってる人がいるんだ」


「……あんたらは優しいんだな」


「あんたもな」


「んじゃ、行って来る」


 そしてバイクのアクセルを握り込み、ルーサーはラスベガスに向かって行った。


「やつは、自分のプライドをかけて行ってしまった」


「流石はチャンピオンだ」


「タケル。こちらも、悠長なことは言っていられない。恐らくゾンビはロサンゼルスに入り込んでいる可能性が高い」


「どこで気が付いた?」


「途中の壊れた車から、反応がした。間違いなく、ここまでゾンビ因子は来ている」


「急がねえとな」


「ああ」


 俺達は踵を返して、真っすぐにロサンゼルスに向かって走る。本来ならもっとルーサーを警護するところだったが、俺の感覚が警戒しているのである。


 そして、人のいないロックダウンのロサンゼルスを走っていると、出てくるときには居なかった警察の車がいた。俺達はそれを避けるように、迂回し他の通りを走り始める。だが、その先にも警察が居たので、俺達はバイクを止めて様子を見た。


「なんか、警戒体制がきつくなってるよな」


「そのようだ。出てくるときは、こんなに出回っていなかった」


「なんか、問題あったんだろうなあ」


「出た可能性がある」


「ゾンビか」


「もしゾンビを、暴徒だと思って捕えたら警察はどうする?」


「とにかく、スタンガンを使ったり、銃を使ってでも鎮圧して手錠をかけて警察に連れてくだろうな」


 それを聞いた俺は、スマートフォンを取り出して言う。


「ヘイオオモリ」


「なんです?」


 直ぐに出た。アイツは、いつ繋げてもすぐに応答する。


「ちょっと気になる。ロサンゼルスの警察所の位置をしりたい」


「すぐ送ります」


 オオモリが送ってくれた地図に従い、そのまま警察所に向かって走った。すると警察署の周りに、パトロールカーが乱雑に止まっており、忙しなく無線などが流れていた。


「タケル。建物の中にゾンビがいる」


「うわ。やっぱり、暴徒だと思って、連れて来てしまってるか……」


「ラスベガスか、シアトルか、閉鎖が遅かったのだろう」


「そりゃそうだ。ロックダウンしたところで、自覚症状のない奴は多分いたはずだぜ」


「どうするか?」


「……警察所に突撃して、いきなり狂ったように暴徒を殺し始めたら、俺達は大量殺人犯になっちまう」


「確かにそうか……だが、放っておけば、拡大してしまうかもしれん」


「帰ってオリバーさんに相談してみようぜ」


「わかった」


 俺達は再びその場を離れ、真っすぐに秘密の研究所に到着した。俺とタケルは急いで、オリバーを探し話を始める。


「オリバー。話がある」


「ど、どうしたね。ラッキーボーイ」


「ロサンゼルスの警察署に、ゾンビの気配があった」


「なんだって?」


 タケルが俺に合わせて言う。


「多分。警察は暴徒だとでも思ってるんだ。放っておけば、じきにゾンビが広がるぜ」


「わかった。一応根回ししてみよう」


 直ぐにスマートフォンを繋げて、どこかに電話をし始めた。そして仲間達が聞いて来る。


「とうとうゾンビが……来ちゃったかあ」


 ツバサがおでこを押さえて、残念な表情を浮かべる。そこで、ミナミが言った。


「ありったけのゾンビ破壊薬をルーサーが持って行ったけど、また新しいのが作られてると思うし、それを持って各警察署に回ったらどうかしら?」


「なるほどな」


「空調に仕掛ければ、警察所に行き渡るでしょ」


「ミナミの言うとおりだ」


 そこに電話口を抑えたオリバーが言う。


「どうしたらいいだろう?」


「暴動を起こしている奴は、即射殺なんだがな」


「そういう訳には……」


 そこでシャーリーンが言う。


「手分けしてゾンビ破壊薬を、街で噴霧するしかないのでは? 警察所に侵入して、空調に仕掛けるのも手分けしてやりましょう」


 するとオリバーが言う。


「そういう事ならいい考えがある」


「なんだ?」


「ロサンゼルス市警の制服がある。装備もな。それを着て動き回れば、ロックダウンの町でも動き回る事が出来るだろう」


 それを聞いて皆が頷いた。


「では、用意するまで三時間ほど待ってほしい」


「わかった。待つ事にしよう」


 そしてオリバーが、すぐ電話をつづけた。


 それから、きっちり三時間後に、人数分のロサンゼルス市警の制服と装備が揃う。


「だが、警察との接触は避けなければならない。すぐにばれる」


「了解だ」


 全員が警察の格好をして、ゾンビ破壊薬を持ちロサンゼルスの町に散らばっていくのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ