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終末ゾンビと最強勇者の青春  作者: 緑豆空
第六章 青春の冒険編

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第532話 退却するSWATと消し飛ぶ施設

 俺達はスワットらを引き連れて、研究所内をくまなく探し、捕らえられた治験者たちを探し続けた。時おりゾンビ化兵の襲撃を受けるが、スワットが応戦している間に俺が適当に始末をする。


 スワット達が不思議な顔をしつつも、先に進んで行くと、ドアが沢山ある牢獄のような広い場所に出た。だがそこで、俺の気配感知には人ならぬ者が反応する。


 ビー! ガッシャン!


 俺が注意を促す前に、見える限りの多くの扉が開く。


「ゾンビだ」


「ウウウウ」

「アアアア」


 入り口から、ゆっくりとゾンビ達が這い出て来た。病衣を来ている、治験者の成れの果て。


「遅かったか」


 だがスワットにはそれが分からなかった。


「生存者発見! 救出する」


「まて!」


 スワットがゾンビらに近寄ると、ゾンビ達は一斉にスワット達に襲い掛かって来る。


「な、なんだ!」

「放せ!」

「助けに来たんだぞ!」


 直ぐに刺突閃で、一体一体の脳を破壊する。だが数人が噛まれてしまった。

 

 後から後からぞろぞろ出て来るゾンビを見て、タケルがスワットに説明をする。


「もうダメだ。ゾンビになってる。噛まれないようにしてくれ」


「そんな……ゾンビなど。まさか」


 俺は噛まれたスワットに、ゾンビ因子除去施術を行った。


「ここは放棄しよう」


「しかし!」


「見切りをつけないと。隊が全滅するぜ」


「市民を見捨てて……」


「もう死んでるよ」


 スワット達は目の前で起きてるのが受け入れられないのか、その場に立ち尽くしてゾンビ達が近づいて来るのを黙って見ていた。


「早く!」


 タケルの怒号に、ようやくスワットが動き出した。するとゾンビたちも、一斉に逃げるスワットを追いかけて来る。


 ダダダダダ! とスワットが恐怖に駆られて銃を撃ち始めた。だがもちろんゾンビには効かずに、そのままゆっくりと迫って来る。


「退却!」


 隊長の号令に、銃を撃ちながらも後ずさっていくスワット。


「飛空円斬!」


 俺が斬ると、ザン! とゾンビ達が一斉に転がった。


「なっ!」


 そこでタケルが言う。


「退却じゃねえよ。先に進むんだよ!」


「危険だ!」


「まだ、生きてる人間がいるかも知れねえじゃねえか!」


「「「……」」」


 隊員たちが顔を見合わせる。そこで俺が言った。


「俺の指示に従え。相手がゾンビか人間かを見極められる。勝手に動くと餌食になるぞ」


「わかった」


 そしてまた違う棟へと進み、多くの扉がある通路のような場所に出る。


「……ゾンビ因子を含んではいるが……」


 俺が一つの扉を開けると、一人の女がこちらを振り向いた。


「あ……あなたは?」


「助けに来た」


「あ、ああ……」


 女に向かってゾンビ因子除去施術を行った。すると真白になって、因子を全て排斥する。


「わ。私」


 そこで俺はタケルに言った。


「ここの入り口を全部破壊しろ!」


「あいよ」


 タケルはモーニングスターを振り回し、次々に入り口を破壊していった。


「よし! まだゾンビになっていない。集めてくれ!」


「「「わかった!」」」


 そしてスワットが病衣を着た人らを連れて来て、俺はすぐさまゾンビ因子除去施術を施した。

光り輝いて、一気に白くなっていく人達を見て、スワット隊員が何事かと目を見開いている。


「よし! 連れて行こう!」


 と、その時だった。


 バシン! と館内の電気が落ちて、赤いランプが点滅し始めた。キュイキュイキュイ! とけたたましく、サイレンが鳴り始めタダならぬ雰囲気になる。


「こ、これは」


 スワット隊員に俺が答えた。


「ここまでだ……残念だが、この人らを連れて地上に出よう。急いでここを離れるんだ」


「なぜだ?」


 それにはタケルが答える。


「爆弾だよ。恐らく、証拠隠滅の為に施設を爆破するんだ」


「そんな!」


「今までも同じような事があったから間違いねえ。退避させろ」


「わかった!」


 そして俺達は来た道を戻る。すると分かれ道になっている向こうから、試験体の気配がしてきた。


「タケル。先に行け」


「あいよ」


 そして俺が、試験体のいる方向へ向かう。


 だが……そこは、培養槽の並ぶ施設だった。そして培養槽の中には、試験体に生まれ変わろうとしているゾンビ達が蠢いていた。


 俺はそこで、ゾンビ因子除去の魔法を発動する。すると培養液の中で蠢いていた大量の試験体のなりたてが、次々に動きを止めていくのだった。


「許せ」


 そして俺はすぐにタケル達を追いかけ、地上へと向かって行った。生き残った治験者たちは、スワットに肩を貸されおぶさりながら連れていかれる。


「こっちだ!」


 タケルが先を行き、俺が殿を務める。唐突に、ドゴン! と、横の壁を突き破って、筋肉がつぎはぎされたような三メートルくらいある試験体が出て来た。


「ちっ」

 

 スワットが横から急襲され、俺は縮地で試験体に飛び蹴りをくらわす。ボゴン! と試験体が壁にめり込むが、体からうねうねと触手が伸び、それがスワット達を襲い始めた。


 ジャキン!


 そのこと如くを屍人斬で切り落とす。


「また、バケモンだ!」


 そこで俺が言う。


「元は人間だった物だ」


「なんてことだ……」


 ズッズズズズズ!

 

 しかし、そいつはどんどん膨らみ始めていた。どうやら増殖型の奴らしい。


 ガガガガガガガガ!


 スワットが撃ち始めるが、俺はそれを止めさせて言う。


「弾の無駄だ! 早く先に行け!」


 俺の言葉に、ひとり、またひとりとスワット達がタケルについて出て行った。


「蘇生斬!」


 試験体の細胞のひとつひとつが、ゾンビ因子から解放されていく。元よりゾンビ因子で動かされていた試験体は、縮み始めて小さくなりその動きを止めた。


 それから俺は、地上に出てスワットの部隊と合流する。警察たちもたくさんおり、治験者たちが次々と救出されて行った。


 するとスワットの隊長が俺達に言う。


「あんたらに話が聞きたい、一緒に来てもらおうか!」


 それにタケルが答えた。


「わりいけど、早く動画配信したいんだ」


「そんな訳には行かん。あんたらに対しての捜査が必要だ。目だし帽を取って顔を見せろ」


 なるほど。俺達もやはり捕らえられるという訳だ。だがその時、ズズズズと地鳴りがし始めた。


 俺が大きな声で言う。


「爆発する! 急いで離脱しろ! 出来るだけここから離れるんだ!」


「わ、わかった!」


 スワットが次々に指示を出して、警官たちも一斉に敷地から出て行った。そして俺とタケルはどさくさに紛れ、敷地から飛び出し荒野の暗闇へと身を隠す。バイクに向かって真っすぐに走っていくと、警察車両やスワットのランプが次々に飛び出していくのが見える。


「よし」


 その時だった。


 ドン! ドン! ドン!


 研究所のあちこちから火柱が上がり、それを尻目に黒塗りのヘリコプターが飛び立った。


「逃がさん」


 俺は、ファーマー社のヘリコプターに向かって剣技を繰り出した。


「閃光孔鱗突! 三連」


 そして次々にヘリコプターが落ちて、爆発していく。


「これで、研究物資は持ち出せまい」


「俺達も捕まる前に行こうぜ」


「ああ」


 そのとたんに、ドゴォオオオオオ! と研究所が大きな炎に包まれ、大きな火柱があがる。


「スワットは逃げられただろうか?」


「既に気配はない。大丈夫だ」


「ファーマー社は、また爆発事故で片付けるつもりなんだな」


「だが、今回は目撃者がいるぞタケル」


「ああ。集団で証言するだろ」


「そう願う」


 そして俺達はバイクに辿り着き、ライトをつけずに暗い荒野を走り始めるのだった。

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