表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
終末ゾンビと最強勇者の青春  作者: 緑豆空
第六章 青春の冒険編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

514/661

第514話 フォートリバティからの緊急脱出

 空港の建物は、一部が破損しているものの潰れたりはしていなかった。そのため掘り起こす事は無く、壊れた場所から建物内に進入する事が出来た。気配探知で下にいる人々を探り、一気に地下まで降りると、俺の気配を感知したミオが出て来た。


「ヒカル、どうしたの? 十分も経ってないと思うけど、避難が終わったか確認しに来た? まだ避難している途中よ」


「終わった」


「えっ?」


 後ろからクキが出てきて言う。


「終わった? という事は、もうダメだったって言う事か……残念だ」


「いや。生きている人は全て助けた」


「そうか……えっと……はあ?」


「行こう」


 すると制服を着ている職員の男が言う。


「今、上がるのは危険では?」


「ミサイル攻撃も収まっている」


「どういうことです?」


「とにかく一度外に」


「そ、そうですね。非常電源が動いているうちに出た方が良い。地下は真っ暗になります」


「ならばなおの事、早く出よう」


 そうして俺は皆を連れていく。さっき下に行けと言ってから、そう時間が経っていないので、皆は俺が何を言っているのか分かっていないらしい。一階に出て建物が一部壊れている事に対し、空港関係者が驚いており、生存者達も青い顔をしている。そこで俺はクキに耳打ちした。


「壊したのは俺だ」


「黙ってれば分からない」


「ああ」


 そして空港関係者が言う。


「確かに爆発音は消えている。むしろサイレンが鳴り響いているようだ」


 それを聞いてクキが答えた。


「救助の車だろう」


「い、いきましょう!」


 俺が皆を連れて外に出ると、仲間も空港関係者も生存者も唖然としていた。皆が無表情になり、その風景を見て固まっている。そして空港関係者が、慌てて口を開いた。


「核を使用したのでは? ひ、被爆してしまいます!」


「大丈夫だ」


「どこが……」


 それもそのはずで、目の前に広がる光景には都市の面影は残っておらず、更地になったような場所にポツリポツリと人々が佇んでいるだけだった。


「いや……建物の名残もあるし、あちこちに吹き飛んだ瓦礫はある。これが核じゃないとすると、ヒカルのあの技か? いや、あれを使えば生存者など居なくなるか…‥なんだこれは?」


「究極奥義とレベル開放を行った。助けている間に、ゾンビ因子に犯された人は全て除去している」


 するとアビゲイルが俺を見て言った。


「ミスターヒカルのその姿を見るのは初めてですが、もしかしたら疲れていますか?」


「魔力を大量に消費しただけだ。最善を尽くすために、究極の集中を行ったためだ」


 目の前に広がっている平野には、次々に軍の車両や救急車両が到着していた。俺が助けた生存者を救出する為に、軍や救急隊が駆けつけてきているらしい。


 そして空港の女の係員が言った。


「あなたがどうにかすると言ってましたね? まさかこれはあなたが?」


「さて、どうだったかな?」


 そこでオオモリが俺にこっそり言う。


「あのー、ヒカルさん? 怖いおじさん達がいっぱい来たみたいですよ?」


 クキが頷いた。


「大森の言うとおりだ。ここに居たら、またいらぬ騒ぎになりそうだ」


「クキ。ファーマー社はどうする?」


「この状況を見て、奴らがどうにか出来ると思うか? 特殊部隊がぞろぞろ出てきているぞ」


「なるほど」


 俺達は空港関係者や生存者が話しているのを尻目に、こそこそとその場所から離れた。一旦、空港に逆戻りし、建物に入らずに滑走路の方に向かった。


「クキ、どこに行く?」


「空港内を見ていたんだが、プロペラの双発機があった。あれを盗む」


「わかった」


 そしてアビゲイルが聞いて来る。


「あの、試験体の一部は取れましたか?」


「これだ」


 俺が完全結界で包んだ試験体の一部を、ポケットから取り出す。


「こ、これは安全なのですか?」


「完全停止している。これ以上ない低温で凍らせて結界で包んだ」


「絶対……零度……」


「そうだ。結界内では温度は変わらない」


「すばらしいです」


 滑走路にはジェット機などがあり、俺達はそこを通過して先に進む。するとそこに、小さなプロペラの飛行機があった。


「定員オーバーかもしれん。座席がいくつか足りんだろう」


 そして乗り込むと、操縦席二つと後ろに八席しかなかった。それを見てタケルが言う。


「定員オーバーで墜落とかしねえのか?」


「定員三人オーバーだが、女達は軽いから大丈夫だ。タケルとヒカルとミナミは床でいいな?」


 三人が頷く。


「シャーリーンもある程度、知識があるのだろう?」


「はい」


「ではナビを頼む」


「わかりました」


 そして二人は操縦席へと移動し、俺がハッチを締める。


「九鬼さん。撃墜されたりしませんよね?」


「さあてな。何とかしてみるが、この機体は旅客機だから武装が無い」


 そして俺が言う。


「その時は俺が何とかする」


「一定の高度までだ。そこまでになにもなければ大丈夫だ」


「わかった」


 そして飛行機が動き出し滑走路に出ると、操縦席に通信が入る。


「そこの民間機! 飛行許可は出ていない。待機せよ」


 そこでクキが答える。


「緊急の要人を運んでいる。国家機密である。オーバー」


「聞いていない。確認を行うまで少し待て」


「ならば、五分以内にワシントンに連絡を取れ」


「無理だ。もう少し時間が欲しい」


「待てない。最高の要人を乗せている」


 連絡を取り合いながらも、クキはどんどん滑走路の端の方に行って飛行機を回頭させた。


「まて! まだ確認が取れていない。正体不明の攻撃を受ける可能性がある」


「離陸する」


 航空機は一気に加速してフワリと浮かび上がった。


「まだ確認を取れていない! 撃墜されるぞ!」


「お好きに」


 空港を飛び立ち、ぐんぐんと上空に上がっていく。そして俺の気配感知に、何かが近づいて来るのが分かった。


「何か来たな」


「どっちだ?」


「いずれにせよ。俺は外に出る」


 するとクキが言う。


「米軍ならすぐには攻撃してこない!」


「わかった」


 ハッチを開けると、風が吹き乱れて皆がその辺りをしっかりと押さえる。


「タケル! 俺が出たら締めろ! 俺はずっと外でも大丈夫だ」


「おっけ。堕ちんなよ」


「誰に言っている?」


「へいへい」

 

 俺が外に出ると、タケルが馬鹿力でハッチを締める。飛行機の上に飛び乗り、近寄って来る二機の飛行機をみるが、俺にはファーマー社なのか軍隊なのか分からなかった。


 だがすぐにわかる。クキが言っていたように、こちらに向けてミサイルを撃ってきたからだ。


「次元断裂」


 ミサイルは次元の隙間に入って消えた。


「さて」


 次に、その二機にめがけて剣技を振るおうとした時だった。一機が突然爆発し、高速で二機のジェット機がすれ違うように飛んだ。


「なんだ?」


 するとその二機と、攻撃を仕掛けて来た一機が交戦状態に入った。


「米軍が助けてくれたのか……。いや、民間機を助けたという事か」


 そうして俺達の飛行機は、その空域を離脱しアトランタに向けて進路を取るのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ