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終末ゾンビと最強勇者の青春  作者: 緑豆空
第六章 青春の冒険編

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第491話 タイムロスを取り戻すために

 皆のいる場所に向かっている途中でも、次々とヘリコプターが飛び去って行くのが見えた。俺達が人の気配を避けながら進みつつ、タケルが空を見ながら言う。


「またヘリかあ。ニューオーリンズはどうなってるんだろうな?」


「拡大してるだろう」


「タイムロスだ。こうしている間にも、絶対にゾンビは広がってるよな。マジでなんとかしねえと」


「仕方あるまい。まずは合流だ」


「しかも、靴がブカブカでうまく走れねえ」


「そいつも問題だ」


「なんとかなんねえかな!」


 イライラして文句を言うタケルと俺の前に、ショッピングセンターが見えて来た。


「タケル。あそこでお前の靴を仕入れるぞ」


「おっしゃ」


 俺達はそこに何食わぬ顔で入り込み、出てきた時には全く違った格好になっていた。盗んだ服をそこに残し、丁度良いサイズの服に身を包む。


「やっとしっくりくる」


「俺は気に入らん」


「ヒカルのデニム姿を初めて見た。GジャンとTシャツを着るとめっちゃ若く見えるぜ。アメリカ人って言われても皆が信じる」


「タケルみたいな恰好だ」


「おりゃチノパンだけどよ。いつもとあんまり変わってねえ。でもこのスタジャンいいな」


「それは何のマークだ」


「野球チームだな。そのチームのジャンパーだよ」


「俺はとにかく、スーツに着替えたい」


「濡れてるから仕方ねえよ。ほんと、スタイリッシュだよなあ…ヒカルは」


 俺達はGPSを頼りに向かっているが、クキ達もこちらに向かっているようだった。するとようやく相手から連絡が入る。


「おう! 武だ!」


 相手はクキだった。


「武か、俺達はバラバラに動く事にした。十人でぞろぞろ動くと目立つ。お前達は動くな、こちらからそっちに合流する事にしたんだ」


「あー、んじゃホームセンターを見つけたから、そこに入ってるぜ」


「そうしてくれ」


 俺達は見えて来たホームセンターに入る。買い物客もいっぱいいるので、俺達は難なく紛れ込むことができた。そこで客のようにしながら、タケルと二人で話をしていた。


「タケル。日本を彷徨っていた頃を思い出すな」


「ああ。あんときゃホームセンターが、生命線だったよな」


「こんなに充実しているものなんだな」


「ヒカルは荒らされた店しか見てねえもんな」


「ここにある物資を使えば、ゾンビの防ぎようはいくらでもある」


「俺も見方が変わったぜ」


 俺達がしばらく物色していると、ようやく声がかかった。


「ヒカル!」


「ミオ!」


「カジュアルな格好してるから分からなかったわ。何処からどう見てもアメリカ人」


 ミオとマナとオオモリだった。スマートフォンで俺達の位置を確認しつつ、店の中を探していたらしい。


 するとオオモリが言う。


「ゾンビはかなり拡大しています。軍隊も動いているみたいですが、パンデミックの勢いの方が大きいみたいです」


「マジかよ! ロスもいいとこだ」


「はい」


「航空機も、もう何機飛んで行ったんだか分からないわ」


「車の手配は?」


「シャーリーンさんがしたけど、もう少し時間がかかるみたいよ」


「そうか」


 そしてミオが言った。


「仕方ないわ。ひとまず、ここのカフェで待ちましょ」


 店舗脇にファーストフードの店があり、俺達はそこに入って待つことにする。するとようやくクロサキとミナミ、アビゲイルとエイブラハムがやって来る。だが固まると目立つので、彼らは違う席に座るようにした。その間も俺達は時間を気にし、オオモリが告げるゾンビの被害を聞いている。


 そしてスマートフォンを見ていたタケルが言う。


「ようやく九鬼さん達が来た」


 クキとツバサとシャーリーンが来たので、俺達は店を出て店から少し離れた所にある道で合流する。


 俺が聞いた。


「シャーリーン。車は?」


「すみません。あと二時間ほどかかります」


「なら誰かが先行するべきだ」


 オオモリが言う。


「この近くにバイクショップがありますね」


「どうしてもバイクを手に入れたい。大型の車でもたもたしていたら、更に被害は拡大する。ニューオーリンズは、かなり危険な状況にあるはずだ」


 ミオが俺に言った。


「ヒカルと武が先行するという事ね?」


「そういうことだ。俺達なら、警察に追跡されても逃げ切れる」


「わかったわ」


 皆でオオモリが調べたバイクショップに行き、中に入るとタケルが湧いた。


「マジか、日本車だらけだ」


「よし。俺はこれにする」


「おっ。Z900Rか! んじゃ俺はこれだ」


「それは?」


「CBR1000RRだ」


 そしてシャーリーンがキャリーケースから金を出し、店の主人は喜んで売ってくれた。最初に免許と言われると思ったが、プレゼントだと言ったら了承してくれた。店を出てバイクを引っ張っていると、シャーリーンが手配した車がようやく届いた。バスだと目立つので、RV車を二台用意したらしい。


「よし。じゃあ俺は着替える」


「あ、待ってるぜ」


 俺は荷物から、スーツを取り出してそれに身を包んだ。やはりこのスーツは凄く着心地が良い。そして俺とタケルがバイクにまたがり仲間に言った。


「スピード違反に気を付けろ」


 それにはシャーリーンが答えた。


「分かっています。それと…全員分の免許証が届きました」


 俺とタケルもそれを受け取り、バイクのエンジンをかける。そこでアビゲイルがリュックを差し出して来た。


「ここにゾンビ破壊薬が入っています」


「わかった」


 俺がそれを背負い 日本刀を仕舞いこむ。俺とタケルはヘルメットをかぶり親指をあげた。


「ヒカル! 武! 充分に気を付けてくれ。軍隊も不審者には容赦のない状況だと思う」


「わかってる。クキ、皆の事を頼む。先に行ってまってる」


「ああ」


「よっしゃ。んじゃヒカル! いくぜ! 遅れんなよ!」


「誰に言っている」


「言うねえ」


 俺とタケルはアクセルを開け、皆と離れてニューオーリンズへと向かうのだった。

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― 新着の感想 ―
青春な感じになってきました! こうしてご作品を読ませていただくなかで、青春って、仲間がいたら、よりはっきりと感じるものなんだなと思いました。
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