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終末ゾンビと最強勇者の青春  作者: 緑豆空
第六章 青春の冒険編

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第477話 ミサイルを飛ばした地へ

 コロンビアのグアルーリョス国際空港に向かう車中で、俺達は緊急会議を行っていた。


 オオモリが言った。


「恐らくヒカルさんが軍事衛星を落として間もなく、ファーマー社は緊急で軍事衛星を打ち上げたのでしょう。流石に命取りですからね、最重要事項だったはずです」


 何故そんな話になっているのか? それはローマだけじゃなく、ここブラジルでも核弾頭が使用されたからだ。人工衛星が無ければ、正確にミサイルを撃ち込むことが出来ない。


「うーん…どうだろうかな? ローマでも核を撃たれたからな。国家でもないファーマー社が、そこまで迅速に復活できたのかは疑問だが…」


「さすがに軍事衛星がないままでは、軍事バランスが崩れ紛争がおきまくっていましたからね。大国は早急に衛星を打ち上げたでしょうけど」


「国…ならな」


 クキが言うとシャーリーンがそれに答えた。


「こちらの調査では、恐らく国家かそれに準ずる者が後ろ盾についていると見ています」


「だろうな。一企業では、そんな直ぐに軍事衛星を打ち上げる事など出来ないだろう」


 それを聞いてアビゲイルが言う。


「すみません…私は一研究者で、そこまで知らないのが申し訳ないです。でも調査内容からすれば、本社がある国が後ろ盾についているのでしょうか?」


「そうとも限らないです。そこを隠れ蓑にしている可能性もあります」


 そこで、俺が思った事を言った。


「国より力のある組織や、財力のある個人はいないのか?」


 するとシャーリーンが答えた。


「その可能性も考慮に入れています。カリム様がいうには、自分らのような財力を持っているものが集まれば、一国の資金力を超えるだろうと」


「ファーマー社を動かす組織か」


「はい」


 オオモリが言った。


「回収したデータから考えても、あちこちに軍事施設がある馬鹿げた財力ですしね」


 あの軍事組織や核弾頭を考慮に入れると、ファーマー社単体ではそこまで出来ないだろうと考えていたのだ。だとすれば後ろに国か、もしくはそれ相当の組織が付いていると考えられる。


「とにかくミサイルが飛んだ海域は、カリブ海域だ。確かめる為にも行く必要がある」


 シャーリーンがそれに答える。


「ベネズエラ行きのチケットは全員分抑えています。旅客機で申し訳ないのですが、まずは観光客として向かってください」


 俺が言う。


「助かる。シャーリーンが来てくれたおかげで、俺達の動きが随分早くなった」


 ミオも言った。


「そうね。こんなに頑張ってくれているんだから、きっといい結果が待っているわ」


「ありがとう美桜さん」


 そしてオオモリがニュースを見ながら言う。


「ようやくサンパウロの山の事件がニュースになってますね。大量火薬引火による、大爆発という事になっているようです」


「ミサイルを確認する時間も無かっただろうからな」


 それにマナが言う。


「やったのはヒカルだけどね」


「なおの事分からないさ」


 そして俺達は空港に着く。普通にゲートをくぐり、オオモリのハッキングで荷物は全てパスできた。飛行機に乗り込むと、他の観光客たちが荷物を収めており、まもなく機内の放送が流れる。


「アビアンカ航空に、ご搭乗いただき誠にありがとうございます。機長はテッド、チーフパーサーはレニータでございます。まもなくグアルーリョス国際空港を離陸いたします。シートベルトをしっかりとお締めいただき、テーブルトレーをたたんで、座席の背もたれを直立させてください」


 そして飛行機は飛び立った。飛んでしばらくすると、ベネズエラに関して注意事項が流れる。


「バスや地下鉄は、スリやひったくりに遭う可能性があるため注意が必要です。移動は信頼できるタクシー会社を利用し、料金交渉は事前に済ませておきましょう。屋台での食事は、食中毒のリスクがあるため避け、生水は飲まずミネラルウォーターを購入して飲みましょう。安全な場所に立地しているホテルを選び、治安面で不安な場合の観光は避けた方が良いでしょう」


 それを聞いて隣に座っているミナミが言う。


「また危ないとこか」


「コンゴ民主共和国も危険だったからな」


「ピリつくからイヤなのよね。出来れば平和な国が良いわ」


「ふふ、ミナミは面白いな。危険な冒険をしているというのに」


「女の子はね。危ない事は嫌いなの」


「日本刀は好きなのにか?」


「それとこれとは別よ。あんなに美しいものはないわ」


「武器なんだがな」


「いいえ。芸術品よ」


「そうか……。最初に日本刀を取りに行った時を思い出すな」


「ふふっ。あの時は楽しかったわ」


「怖がりまくっていたように見えたが?」


「怖かった。だけど…ヒカルと二人きりだった」


「それはそうだ」


「それだけで楽しかったの!」


「そうか」


 そんな話をしていると、俺の反対側に座っているエイブラハムが俺に聞いて来た。


「ヒカルよ」


「なんだ」


「わしゃ最初、アビゲイルにゃおまえさんがいいんじゃないかと言ったんじゃ。だが…他に思い人がいるらしい。誰か分らんかの?」


「聞いた事がない」


「そうか」


 するとミナミが目を輝かせて聞いた。


「先生。その話詳しく!」


「わしはヒカルの嫁候補に孫を推薦したのじゃがな、どうやら他にいるらしいのじゃよ。わしが聞いてもなかなか答えんし、いったい誰なのかなと思うて」


「えー! 誰かしら? でも…対象は限られるわね」


「ほう。誰じゃ」


「ハンジさんはおじさんだから違うでしょ。カリムさんは結婚しているから違う。桑田さん、それかジュリオ、もしくは…」


 そう言ってミナミは、通路に頭を出して前に座っている奴らを見る。


「あと、九鬼さんか…まさか大森君?」


「ふむ。確かにそれくらいしか思いつかんのじゃ」


「まさかだけどね。お付き合いしていた恋人とか、居たんじゃないの?」


「どうかのう。その辺りの話を孫から聞いた事は無いのじゃ」


「そりゃそうよね。私だって自分のお爺ちゃんには言わないわ」


「そうか…」


 謎は深まる。それからしばらくミナミは推理をし続け、俺にあれやこれやと話をしていた。飛行機は途中乗り継ぎをして、十二時間ほどかけてベネズエラに到着するのだった。


 するとすぐにオオモリが言って来る。


「まずは宿泊場所ですよね」


 それにマナが呆れたように言う。


「また…何か企んでるでしょ」


「はい」


 オオモリはおもむろにタブレットを取り出し、パチパチとやり出した。


「なるほど…」


「なにがなるほどよ」


「機内放送で言ってたじゃないですか。安全な地域のホテルにした方が良いって」


「確かに言ってたわね」


「ここです」


 俺達が見ると、ベネズエラ沖に浮かぶ島のようだった。


「島?」


「アルバ。ここにあるこのホテルです」


「…えっ! 一泊一人十七万円もするじゃない!」


「余裕です」


 するとミナミが言う。


「愛菜いいじゃない。どうせ危ないことするんだから、泊るところくらい安全な場所にしましょう」


「そうか…そうね」


 それを聞いたシャーリーンが言う。


「オランダ領アルバでございますね。流石は大森さん良い所に目を付けました。目的はカリブですからね、ベネズエラでなくてはならない理由はない。直ぐに出国の準備をいたしましょう」


「おねがいしまーす」


 そして俺達はベネズエラの滞在を数時間とし、オランダ領アルバへと出航するのだった。

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