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終末ゾンビと最強勇者の青春  作者: 緑豆空
第六章 青春の冒険編

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第467話 刑務所暴動ニュースとキンシャサの治安

 俺はキンシャサの町を飛び回り、ゾンビの気配を調査して周った。だが何処にもゾンビの気配を確認できず、しばらく走り回って皆の待つホテルに戻る。すると皆がニュースを見ているところだった。


「おっ! ヒカル! どうだった?」


「ゾンビの気配はない」


「どういうことだろうな」


 ニュースでは、キンシャサの刑務所で暴動が起き鎮圧したと報道されていた。ゾンビには特に触れられておらず、いったい何が起きたのか分からなかった。


「本当にゾンビいたんだよな?」


「間違いない。通常のゾンビだった」


 それを聞いてアビゲイルが言う。


「どういう事でしょう?」


「わからんが、突発的に感染者がでたんだろうか?」


「ゾンビ因子が無ければあり得ないです」


「そうだよな」


 そこでミオが言う。


「念のため、ゾンビ破壊薬を屋上から撒いたらどうかしら?」

 

 アビゲイルが頷く。


「そうしましょう」


 そして俺達は薬の入った段ボールを持って屋上に昇り、四方からゾンビ破壊薬を振りまいた。恐らくこれでこの周辺にゾンビが発生する事は無いだろう。皆が部屋に戻り、これからどうするかの話し合いになる。


「これはスルーしていいのかしら?」


 マナの言葉に皆が考え込んだ。


「薬を撒いたんだから、この周辺ではもうないだろうがな」


「確かに」


 するとオオモリが俺に言う。


「えっと、ヒカルさん。僕を連れてもう一度刑務所に潜入出来ますかね?」


 それには俺じゃなく、クロサキが答えた。


「厳重な警備態勢で捜査されていると思いますよ?」


「そうですか……」


「どこまで連れて行けばいいんだ? オオモリ」


「刑務所の事務所までです」


「可能だろう。オオモリと二人ならば、脱出もすぐに出来る」


「じゃあ、連れて行ってください」


 オオモリがパソコンを背負子に入れ、俺がベランダに出ると付いてきた。


「おぶされ」


「はい」


 俺はオオモリを背負い、十階のベランダから飛んだ。


「ひっ!」


「声を出すな」


「は、はい」


 そしてビルや建物を飛び回り、俺は再び刑務所へとやって来る。オオモリと二人で屋上から見ていると、刑務所の周りに捜査官らしき人間と軍人のような奴らがうろついている。


「厳重ですね」


「問題ない。行くぞ」


 俺はオオモリを背負いながら、その屋上の反対側まで行って一気に走る。


「うっ!」


「声を出すな」


「んぐ」


 そして俺は三百メートルほど飛んで、刑務所の一番深いところに降りた。


「振り落とされるな。必死にしがみつけ」


「はい」


 背負ったまま走り込み、人を避けながら再び侵入する。先の通路を覗くと、沢山の警備や軍人がうろついているようだ。


「なるほど。この先にあるようだが」


「どうします?」


「ここでまっていろ」


 そして誰もいない部屋にオオモリを押し込み、俺がするりと廊下に出る。認識阻害により俺に気が付かないようで、ざっと見積もっても三十人程度しかいない。


「思考加速、脚力強化、敏捷性上昇」


 そして俺は仕込み杖を握り、鞘を抜くことなく突進した。三十人の意識を刈り取るのに五秒ほど、直ぐにそのフロアは沈黙する。直ぐにオオモリの所に戻り、ドアを開けて言う。


「来い。急げ」


「はい!」


 オオモリを連れて走っていると、パソコンなどが置いてある部屋があった。


「ここです」


「よし!」


 俺達がそこに入り、オオモリがパソコンを立ち上げて接続をする。そして自分のパソコンをパチパチとやり出し、何かを操作していた。


「データの吸い上げに三分かかります」


「わかった」


 俺は入り口付近に立って、他に誰かが来るかどうかを見ていた。


「なんでゾンビが出たんでしょうねえ」


「わからん」


「あと、一分五十秒です」


 すると下の階から人が上がって来る気配がする。それも相当な数が来ているようだ。


「かなりの人間が上がってきているぞ」


「あと一分十秒です」


「そうか。制圧するか?」


「いえ、間に合いそうです。あと四十秒です」


 すると廊下に倒れている人間を見て、騒ぎになり始めたようだ。


「気づかれた」


「あと十秒」


 もう目の前まで来ている。


「ダウンロード終わりました」


「よし。脱出するぞ」


 カチャリとドアが開けられるのと、俺がオオモリを背負って屋上に飛ぶのが一緒だった。そのまま屋上を端まで走り、一気に遠くのビルの屋上まで飛ぶ。


「うはっ」


 それからまもなく、俺とオオモリはホテルの十階へと戻った。直ぐにオオモリが背負子からパソコンを取って、データの解析を始める。面会や差し入れなどを重点的に調べて行き、違和感のある差し入れを突き止める。その動画データを拡大し、スローで動かして止めた。それを見てオオモリが言う。


「これ…なんですかね?」


 アビゲイルがそれに答える。


「画像が不鮮明ですね」


「ちょっと待ってください。僕のAIちゃんで補正をかけますから」


 するとマナが言う。


「キモ!」


「あ、そ、そう言わないでください」


「早くやりなさいよ!」


 オオモリは気持ちを持ち直し、もう一度パソコンを操作し始めた。画像がどんどん拡大されて、その瓶のラベルの拡大図が表示された。


 それを見たアビゲイルが言う。


「ファーマー研究所内で使われる、薬剤精製の瓶です」


 そしてクロサキが言った。


「なんでこんなところに? 大森さん。これを差し入れした人の画像を出せますか?」


「もちろんです。記録もあります」


 オオモリがパソコンを触り、出て来た男の画像とデータが並ぶ。


「ポエナ・イカーブ。マフィアの一員だな」


「こいつが犯人ですかね」


 そこでクキが言う。


「まあ放ってはおけんな。コイツの身元を洗おう」


「わかりました!」


 そしてオオモリがハッキングを行い、そいつの組織のアジトを突き止める。


 そしてタケルが言う。


「とりあえずポエナをさらうか」


「それがいいわ」


 俺達はポエナ・イカーブを探す為の作戦を練り始める。


「まずは、この組織に行くしかないだろう」


「ならそうしよう」


「誰が行くかだな」


 するとクロサキが言う。


「マフィアの潜入なら私が」


「なら、俺とクロサキで行こう」


「分かりました」


 俺とクロサキがすぐさまホテルを出た。そしてクロサキが道で黄色いタクシーを拾う。タクシーが出発してしばらく経つと、スマートフォンに連絡が入った。


 それをクロサキがじっと見て言う。


「大森さんからです。方向が違うそうです」


「なるほど。クロサキ、翻訳の機械を入れてくれ」


「はい」


 そしてスマートフォンを入れて、タクシーの運転手に告げる。


「道はこっちじゃない。戻れ」


「いや、こっちだよ。間違いない」


 するとクロサキが言う。


「降りましょう」


「停めろ」


 だが運転手は無視をした。それでクロサキが気づいた。


「キンシャサでは、タクシーを使った誘拐が頻繁に起きていると聞いた事があります」


「なるほどな。余計な事があるもんだ」


「どうしましょう?」


「問題ない」


 俺はするりと日本刀を抜く。


「大龍深淵斬」


 シュパッ!


 運転席と後部座席に分かれて、車が真っ二つになった。俺はクロサキを抱き、一気に歩道に飛ぶ。すると前側の車が電信柱に突っ込んで、煙を上げて止まる。


「とにかく戻りましょう」


「ああ」


 そして俺達はキンシャサを歩き始める。すると物の五分もしないうちに、ずらりと周りを囲まれた。何を言ってるのかよくわからないので、俺がスマートフォンを出して翻訳をする。


「スマホと財布を出せ」


 俺はクロサキに聞く。


「どういうことだ?」


「まあ……強盗ですね」


「またか……」


「気を悪くしないでください。多分ヒカルさんのル〇ヴィ〇ンのスーツが原因だと思います」


「俺のスーツがか?」


「あからさまに、お金がありますと言っているようなものですから」


 だが俺が男らに言う。


「あー、俺達をンジンジファミリーの所に連れていけ」


「なんだ。あ、あんたらはンジンジファミリーの関係者か?」


「そうだ。早くしろ、殺すぞ」


「わ、わかった! おい!」


「へい!」


 俺達はそいつらの後ろをついて行く。そこでクロサキが日本語で言う。


「この国の愚連隊について行くなんて、私達公安でも恐ろしいわ」


「大丈夫だ。もし何かしたら本当に殺す」


「は、はは…。本当に怖いのは誰かって事ですね?」


 そして俺達はそいつらの車のあるところに到着する。そして俺が言った。


「早くしろ。殺されたいのか」


「へい!」


 俺達はキンシャサの愚連隊に連れられて、ンジンジ・ファミリーのアジトへと向かうのだった。

2024年!大変お世話になりました。

来年は書籍化に向けて頑張ろうと思ってます。

この物語を実写ドラマで見てみたい!などと夢をみつつ…

来年も何卒よろしくお願いします!

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新年明けましておめでとう御座います。 旧年中はご作品とご創作のおかげでたいへん充実していました。 書籍化進行、嬉しいです。 ますますのご活躍を祈念申し上げます。 実写だと、トムクルーズか阿部ちゃんか…
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