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終末ゾンビと最強勇者の青春  作者: 緑豆空
第六章 青春の冒険編

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第460話 コンゴ民主共和国で車を買う

 チェンナイ、ファーマー社同時爆破テロ! と銘打った記事が、テレビやネットをにぎわしている。俺達はそれを、カリムが手配した飛行機の中で見ていた。


 飛行機は一路、次の目的の地であるコンゴ民主主義共和国へと向かっていた。


 そのニュースを見ながら、クキが嬉しそうに言う。


「流石に世界は、無視できなくなってきたな」


 オオモリも楽しそうに答える。


「もう火消しは無理です。記事によると、ファーマー社との取引をやめる所も出て来たようですね」


 それを見てシャーリーンが複雑な顔をしていた。


「それが、テロによる影響だとは皮肉なものです」


 そう。世界がファーマー社から手を引き始めたのは、自分らもテロリストの標的にされるのを恐れたからである。既に正義の女帝や陰の組織は、テロリストとして世界中で指名手配を受けていた。そのテロリストが、ファーマー社を徹底的に叩いているというニュースが、世界を震撼させているのである。


 そこでミオが言う。


「どうでもいいんです。とにかくファーマー社の首を絞める事が出来るのなら、私達は悪にでもなります。世界中が目覚めるまで、私達は徹底的に打ちのめします。それが私達の使命だと思うのです」


 それを聞いてシャーリーンが言う。


「素晴らしい。流石は正義の女帝ですね」


「その呼び名は不本意ですが、私が悪になる事でファーマー社を倒せるならいくらでも悪になります」


 俺はミオに言った。


「ミオだけが背負う訳じゃない。ここにいる全員、いや日本で待っている全員が背負う」


「うん」


 そこでマナが言う。


「衛星通信が繋がったわ」


 するとスマートフォンに、日本にいるカブラギからの通話が繋がった。


「応答せよ」


「あー、こちら潜入部隊」


「派手にやりましたね」


「そちらでも見れてるか」


「はい。このニュースが入った途端、我々はガッツポーズでしたよ」


「世界の目は既にファーマー社に向いている」


「ここまでの成果が出るとは思っても見ませんでした。流石は隊長」


「作戦中に知り合った人らのおかげだ」


 そしてカブラギが言う。


「では。博士の要望で高島教授を呼んでいますので」


「頼む」


 するとカブラギからタカシマに変わった。


「こりゃどうも。命がけの作戦ご苦労様です」


「あ、こちらも代わります」


 そしてアビゲイルが通信に出た。


「ミスタータカシマ」


「これはこれは! 稀代の天才であるアビゲイル博士」


「よしてください」


「本当の事だよ」


「これからコンゴ民主共和国に向かいます」


「危険だなあ」


「治安がですか?」


「治安? ヒカル君がいるんだから、そこは全く気にしとらん」


「そうですよね。ではエボラの方ですね?」


「そう。エボラ出血熱は危険ですな」


「ですが、どうしてもゾンビ因子に対抗する為に、現地に行ってエボラの宿主をつかまえる必要があるのです」


「ゾンビ因子とは違って、自然界で一番危険なウイルスです」


「分っています。だからこそゾンビ因子に抵抗できる可能性があるのです」


「では、こちらで分析しているエボラ出血熱のデータや、解析の情報を全て流します。アビゲイル博士の方で見てもらい、どうにか対抗手段を見つけ出してください」


「ありがとうございます。私達は先生が発明した、ゾンビ破壊薬のおかげでかなり助かっております。ですがいろいろと弊害があるようですので、更なる改良が必要になります」


 タカシマが乾いた笑いをする。


「そこで、エボラに目をつけるあたりが…本当に天才と言ったところでしょうかな」


「必然です」


「よろしく頼みます」


「はい」


 そしてカブラギに代わる。


「とはいえ、コンゴ民主共和国は治安が悪い。武装集団もいるので、くれぐれも気を付けてください」


「了解だ」


 するとマナが言う。


「そろそろハックを回避する為に回線を切ります」


「わかった。それじゃあ」


「はい」


 そうして衛星回線は切断された。


「ふう。日本も頑張ってるんだ。我々ももう一息だな」


「「「「「はい」」」」」


「これから行く先にもファーマー社はいる。武装集団より厄介だ」


 それに俺が言う。


「立ちはだかる者は、全て潰せばいい」


 そしてシャーリーンが俺に言った。


「それよりもミスターヒカル。その格好でコンゴ民主共和国を歩きますか?」


「変えるつもりはない」


「わかりました。まあミスターヒカルなら問題ないですが、金目の物に悪党が寄ってきますのでお気を付けください」


「ファーマー社より悪くはないさ」


「そうとは限りません。殺人や誘拐など当たり前にしてきます」


「なるほどな。気を付けよう」


 だが、ここにいる誰もが不安を抱いていなかった。それぞれに普通ではない力を持っており、皆が切り抜ける自信があるからだ。


 そしてシャーリーンが言う。


「皆様、くれぐれもお気を付けください。これから先の国ではカリム様の影響は届きません。完全に自力で突破する必要があります」


「全く関係ない。今までと同じだ」


「分かりました」


 そして俺達はコンゴ民主共和国の大地へと着陸する。空港に降り立った俺達は、直ぐに荷物を降ろした。飛行機はすぐにここから飛び立つらしく、俺達は飛んでいく飛行機を見送ってから空港を出る。


「明らかに今までの国とは違うな」


 クキが言うと、皆が気を引き締めた。


「空港の人も言ってたけど、空港周辺から離れないようにって」


「治安が悪いからだろうな」


「まあ、離れるんだけどね」


「背負子に入ってるのは、ほとんどが食料とゾンビ破壊新薬だ。食糧調達もままならないこの地では生命線だ。奪われたりしないように気を付けてくれ」


「「「「「「「はい」」」」」」」


「では、目的地に向かう為に足を確保するか」


「了解」


 金は持っているので、まずはこの土地の車屋に向かう。そして車屋に到着すると皆が驚いている。


「日本車だぜ」


 それにオオモリが答える。


「古ーい日本車ですね」


 クキが言う。


「古いが日本車は丈夫だ。RV車を二台買うぞ」


「見立ては任せとけ」


 だが現地の言葉は、シャーリーンしか話せずミオが聞き取り出来るくらいだった。シャーリーンに来てもらった事が、ここでも大きく役立ったのである。


 値段を聞いてタケルが言う。


「随分吹っ掛けられたなあ」


 だがシャーリーンが言った。


「問題ありません。古くても程度の良いものだと言っております。それにこんなところで揉めていたら先に進めません」


「んじゃそれでいっか」


 そうして俺達はRV車二台を手に入れて乗り込む。荷物を入れるとぎゅうぎゅうだが、後ろの荷台にも乗らないと全員が乗りきれないので、俺とタケルが乗った。シャーリーンやアビゲイルが乗ると言ったが、彼女らでは体がもたない。一番頑丈な俺と二番目に頑丈なタケルが荷台に乗る事にしたのだ。


 後の十人はそれぞれ座席に座り、俺はクロサキが運転する車に乗って、タケルはクキの運転する車に乗り込んだ。そこでアビゲイルが俺に言う。


「窮屈ではないですか? ミスターヒカル」


「悠々自適だ。クロサキ! 出して良いぞ!」


「はい」


 そうして俺達の車列は、目的地の村に向かって出発するのだった。

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