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終末ゾンビと最強勇者の青春  作者: 緑豆空
第六章 青春の冒険編

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第459話 インドのファーマー社拠点大爆破

 調査の結果、インドで行われている実験の全容が分かった。それをアビゲイルが説明し始める。


「ファーマー社の狙いは、抗体を持つ者や特別体質の人間を探し出して、試験体の完成版である実用体を作る事です。このインドの人口はそういった体質を探すうえでは、この上なく条件が良いのです」


「人間の意識を保ったままの、怪物を作り出したいという事だな」


「そう言う事です」


 それを聞いていたミナミが言う。


「知恵のある試験体なんて、悪夢以外の何物でもないわ」


 マナも頷いた。


「今まで試験体は、運搬や運用が難しくて実戦投入が出来ていなかったから、運用しやすい化物を作るって事か…。ファーマー社って、やんなっちゃうわね。反吐が出る」


「もう歯止めが効かないんでしょうね」


「そうね」


「どうしてデリーやムンバイじゃなかったのかしら?」


 それにはシャーリーンが答える。


「デリーは内陸なので船が使えない。ムンバイではその反対側にあるソマリア海賊が邪魔だったのです。海賊に道理は通用しませんので、下手をするとファーマー社の船が沈められてしまう。そうすればファーマー社でやっている秘密が、漏えいする恐れもあったのです。そこで一番利便性のあるチェンナイが選ばれました」


「試験体のようなバケモノが、世界中にばらまかれたらもうどうにもならない。どうやったところで、その拡大を止める事が出来なくなるだろう。各国の軍隊では、知恵ある試験体を止める事は出来ない」


 クキの言うとおりだった。試験体は脳をやっても生きているため、この世界の兵器では倒す事は無理だろう。世界のあちこちにあんなものがばら撒かれたら、ゾンビの拡大は絶望的になる。


 そしてクキが皆に聞いた。


「カリムが用意した、爆弾を使って一気に各拠点をやるという事でいいな?」


 皆が頷いた。


 そこでシャーリーンが言う。


「本来なら不可能な作戦でした。ですがあなた方の潜伏能力の高さに、この作戦を思いついたのです。既に物資は届けられています。港で回収をしてすぐに取り掛かりましょう」


 俺達が港に行くと、大型のコンテナを積んだトラックが用意されていた。秘密裏に運ばれたそれは全てが爆薬で、拠点を破壊する十分な量が積まれていた。


 タケルとクキがコンテナを運転し、キャンピングカーの後ろをついて来る。これをカリムの関係者が所有する秘密の倉庫に運び込み、爆弾を準備して各拠点へと運び込むことになる。俺達のトラックが巨大な郊外の倉庫に運び込まれると、そこには十台の二トントラックが用意されていた。これから夜にかけて、爆弾を分配して行くのである。


 そしてクキが言う。


「ここからは慎重に行わねばならん。指揮は俺が取る! 作業は慎重に行ってくれ」


「「「「「「はい!」」」」」」


 爆発物の取り扱いは、クキとシャーリーンしかわからない。特にクキは爆破作戦を行った事があり、これについては隅々まで知り尽くしているのだとか。だから俺達は二人の指示をよく聞いて、爆弾を各トラックに取り分けて行った。


「決行は、社員が帰った後。それまでに準備を終わらすぞ」


「「「「「「はい!」」」」」」


 事故なく夜までに全てのトラックが準備できた。


 そして俺達の前にクキが立って話を始める。


「どうやらファーマー社は、湖の研究所がやられた事で、一般の社員を全て自宅待機させているようだ。研究施設と思わしき二つの拠点には、私兵が配備されたようだが、そこはヒカルが制圧する事になっている。その二つの拠点を制圧している間に、一気に全ての拠点へと爆弾を運ぶ」


「「「「「「はい!」」」」」」


「だが捕まるわけにはイカン。無理だと判断したら爆弾は設置せずに逃げてくれ」


「「「「「「はい!」」」」」」


「全ての配置が終わったら作戦を敢行するぞ」


「「「「「「はい!」」」」」」


「では健闘を祈る!」


 そうして各自がトラックに乗り込んで言った。


 そしてクキがアビゲイルとエイブラハムに言った。


「すみません。博士とドクターの手まで借りてしまって」


「いいんですよ。私はミスター九鬼と一緒ですね?」


「そうです」


「わしゃ。黒崎嬢とじゃな」


「はい。くれぐれも無理はしないように。そしてシャーリーンさんも」


「私は特殊な訓練を受けています」


「わかりました」


 そしてそれぞれが拠点に向かって出発していった。俺はバイクを用意してもらったので、それに乗って研究施設へと走る。十五分もかからずに到着し、俺はすぐにそのビルの屋上へと飛んだ。屋上にいた銃を構える私兵を、一瞬で斬り捨てて入り口から侵入する。


 前世のダンジョンよりもはるかに簡単な作業だった。脅威となるものはゾンビ化兵と試験体しかおらず、最深の地下迄一時間もかからずに一棟の処理を終えた。


「よし」


 俺は一気に地上に上がり、ミオのトラックとすれ違いで次の研究所へと向かった。バイクを止めて同じように屋上に飛び、同じように私兵を斬り捨てていく。どちらのビルにもゾンビ化兵がいたが、敵にはならず一気に最深部へと降りていった。


 地上に戻ると今度はマナのトラックがやって来た。それを一階付近に置いて、俺はマナをバイクに乗せてその場を去る。全ての工程を二時間以内に終わらせて、倉庫に戻ると既にみんながトラックを置いて戻ってきていた。既に大型コンテナも無くなっており、証拠になるようなものは消え去っていた。


「俺が一番最後か」


 クキが笑って言う。


「珍しい事だ。ヒカルが最後だ」


 そしてクキがシャーリーンに言った。


「あなたとカリムのおかげで、今日ファーマー社のチェンナイ拠点は消える」


「いえ。優秀過ぎるスパイの皆さんのおかげです」


「僕らがスパイですかあ?」


「「「「「「ははは」」」」」」」


 そしてクキがオオモリに言う。


「さて。時間だ大森。花火を打ち上げてくれ」


「分かりました」


 オオモリがパソコンを操作した次の瞬間だった。


 ドゥ! ドゥ! ドゥ! ドゥ! 


 各地から爆発音が聞こえて来た。拠点の玄関口に密接して置いて来た、二トンのTNT火薬がビルを爆破したのである。そして俺達はキャンピングカーに乗って、チェンナイ空港へ移動するのだった。 

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