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終末ゾンビと最強勇者の青春  作者: 緑豆空
第六章 青春の冒険編

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第425話 イタリア軍に包囲されるローマ

 建造物を巧みに活用し、遮蔽物の陰から、上から飛び降りて、挟み撃ちをしてと、クキとタケルがゾンビ化兵を行動不能にして屠っていく。倒した敵の武器を奪っては音をたて、外のゾンビを呼び寄せた。それを繰り返しているうちに、コロシアム周辺はゾンビで埋まって来る。


「おおー! きたきた! 集まって来たぜえ!」


 タケルが通路の手すりに乗り出して、外のゾンビの群れを眺めていた。


 そしてクキが言う。


「連中。そろそろ異変に気が付いて、警戒し始めたな」


 俺が頷く。


「これ以上は時間がかかりすぎるか」


「ちぇっ、結局は九鬼さんのレベルが一個上がっただけ。俺は変化なしだぜ」


「タケルの場合は、試験体で無ければ上がらんかもしれん」


「そうか。まあでも九鬼さんのレベルが上がった事で、戦いがまた有利になったって事だもんな」


「そういうことだ」


 ブーブーブーと三人のスマートフォンが震えた。俺達がそれを取り出してみると、どうやら法王達がデータを見終わったらしい。クキがポツリという。


「潮時だ」


「クキ。こいつらの銃は撃てるようになっているか?」


 転がっているゾンビ化兵の自動小銃を指して言う。


「ああ。安全装置は外れているぜ。引鉄をひけば撃てる」


 俺は二体の死体から、自動小銃を取り上げて二人に言う。


「ショーを見せてやろう。二人は客席からでも見ていてくれ」


「何をするつもりだ?」


「ここは闘技場なんだろう?」


「そうだ」


「なら戦いを見物してると良い」


 そうして俺達は三階の観客席に出た。俺はそのまま走り出し、一気に五十メートル先の闘技場の底まで降りた。両手には自動小銃を構えており、それを空に向かって撃つ。


 ガガガガガガガガガ!


 チュィン!


 遠距離から俺を狙撃した奴がいるらしい。だがもちろん俺はその弾丸を易々と避けている。


 遅いな…。


 次弾が来ない。クキならもう三発は撃っているが、この狙撃者は時間がかかるらしい。また射撃の音が聞こえたので、俺はそちらに自動小銃を構えて撃つ。


 ガガガガガガガガ!


 既に気配感知には、周辺の構造物の影にいるゾンビ化兵を感知していた。俺がそいつらをじっと待っていると、後ろと前から挟み撃ちをするように銃を撃ってきた。


 シュッ!


 俺がそこから消えると、同士討ちをして倒れる。しかしゾンビ化兵は死ぬことはなく、ムクリと起き上がり始める。


 集まってこい。


 俺はその場から離れて、また自動小銃を空に向かって撃った。すると四方から俺に向かって銃を撃ち込みながら近づいてくる奴らがいる。遮蔽物を隠れながら進んで行くと、目の前にゾンビ化兵が現れて慌てていた。


 ゴン! と自動小銃の底で頭がひしゃげるほど殴った。完全に動きを止めたと思ったが、もぞもぞと動き出している。脳を破壊しても動き出すところを見ると、ゾンビ化兵は何か特殊な構造になっているのかもしれない。


 ガガガガガガガガガ!


 後ろから撃ってきた奴がいるが、俺はすぐに建物の陰に隠れてやり過ごす。数人がこちらに走ってきて、俺はその場所から消えた。それを繰り返しているうちに、次々にゾンビ化兵が闘技場に集まって来る。


「金剛、結界」


 俺は遮蔽物の上に目立つように立って、空に向かい自動小銃を撃ち続けた。俺を確認したゾンビ化兵達が、一斉に俺に向かって打ち込んで来るが結界を破る事は出来ない。


 充分だな。


 俺はチラリとタケルとクキを見てニヤリと笑う。


 ダッ! と五十メートル上空に飛び、コロシアム全体が見える位置についた。


「屍人斬! 炎龍鬼走り!」


 ドッ! 日本刀から放たれた、数十メートルの炎の龍がそのままコロシアム中央に落ちて、うねるように底を駆けまくる。 タッ! と地上におりてゾンビ化兵の気配を探った。


 全滅だな。


 シュバッ! 俺はすぐさま、タケルとクキの所に飛んだ。


「すげえぜヒカル! 炎の龍が走ったな!」


「いいものを見せてもらった」


「あとは外に集まって来たゾンビだ」


 俺達は通路まで戻り外を見る。するとゾンビが次第に重なり合って盛り上がってきていた。


「先に行く。後から来い」


 俺はゾンビの山に飛び降りつつ剣技を放った。


「重力天雷斬」


 ドン! ピカ! ゴロゴロゴロ!


 極端な重力に雷撃の合わさった剣撃が、俺の真下にいるゾンビの山を五十メートル四方の円形に潰した。更にその落ちた剣撃から電撃が走り、周りのゾンビ達を倒す。俺がこの技を使ったのは音が大きいからだ。ゾンビの血も蒸発し、降りたところが汚くならないのも良い。俺の両隣にクキとタケルが降りて来る。


「雷様かよ」


「みろ! ゾンビがわさわさと来たぞ」


 コロシアムの広場はゾンビで埋め尽くされていた。


「いい感じだな」


「だいぶ片付くんじゃねえか?」


「飛空円斬!」


 めちゃくちゃ大量にいたゾンビの首が飛ぶ。一気に倒れたのを見てタケルが言う。


「気持ちいいくらいだ。まあ少し前までは、生きてた一般市民だってのが申し訳ねえけどよ」


「こうなってしまったら終わりなんだ」


「わかってるよ」


「コロシアムの周りを片付けて戻るぞ」


「おっけー」


 俺達がコロシアムの周りを掃除し、何千のゾンビの骸で広場はいっぱいになった。その屍の上を走り道路に出ると、すかさずタケルが車を盗む。いつものようにクキが拍手をしていた。バチカン市国に近づくと、警官隊が俺達を出迎える。三人が車を降りると、俺がさっき話した警官達がやって来た。


「し、市内の様子はどうだった!」


 それにクキが答える。


「ゾンビであふれかえってはいたが、市民達は家に隠れ建物に登ったりして逃れて居た。今ならたくさんの命が救えるはずだ。警察はどれほど残ってるんだ?」


「情報が錯そうしているが、あちこちでゾンビを食い止めているらしい。そしてイタリア軍が郊外を包囲しているようだ」


「包囲しているか…。連携を取ってゾンビを駆逐する事だ。頭を破壊すればゾンビは機能停止する」


「入ってくれ。謎のヘリコプターの集団がいるが、義勇兵だと言っている」


 警察がバリケードを開けて俺達を招き入れた。


「周辺のゾンビは一旦おとなしくなっている、音をたてなければゾンビは近づいてこない」


「わかった」


 警察にそこを任せ、宮殿に向かっている時にクキが言う。


「まずいな」


「どうした?」


「イタリア軍はローマを総攻撃するかもしれん。どう見てもこの都市はゾンビで壊滅しているように見えるからな」


「なんだと…」


「じゃあ、なんとかして止めなきゃだろ!」


 俺達は急いで宮殿に戻る。すると情報を見終えた法王と、アビゲイルが話をしているところだった。


 ミオが聞いて来る。


「ファーマー社は?」


「仕留めた。とりあえずゾンビの拡大は収まるだろう」


 そしてクキが言う。


「だがちょっと問題が発生した。どうやらイタリア軍がローマを包囲しているらしい。状況次第では、市民がいるのに砲撃を開始しかねない。どうにかそれを避けたいんだが」


 それを聞いた法王が頷いて行った。


「ならばバチカン放送を使いましょう」


「バチカン放送?」


「バチカンにはテレビ局があるのです。聖教放送に使われる物ですが、それを使って情報を発進すればよい。そこの日本人の彼がインターネットにも接続できるらしいのでね」


 オオモリが親指を上げてにっこりする。


「了解だ。イタリア軍がミサイルなんか使ってくる前に知らせよう」


 俺達はバチカン放送を使って、今起きている状況を知らせる事にしたのだった。

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