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終末ゾンビと最強勇者の青春  作者: 緑豆空
第六章 青春の冒険編

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335/661

第335話 富士山頂での攻撃準備

 自衛隊や仲間達が、ヘリコプターで富士山の頂上に運び込んだ大量の機材を設置している。今日は既に二日目で、一日目に設置していた機材の不良もあり交換作業に集中していた。山頂は平地とは違い気温も低く、皆が防寒具を着て作業をしている。風があるが、天候がある程度落ち着いているうちに作業を終わらせようと必死だった。


 俺は特にする事も無かったが、空を見上げてその先を飛ぶ衛星に意識を巡らせる。するとマナが俺を呼びに来た。


「大森君が呼んできてほしいって」


「わかった」


 俺が行くとオオモリが言った。


「よくスーツで寒くないですね」


「全く問題ない。これが一番動きやすいんだ」


「まあ、カッコイイですけどね」


「どんな状況だ?」


「はい。昨日の不具合を修正し、既に全ての機材の調整を終えました。試験していたこれをつけてください」


「わかった」


 俺はオオモリに渡された、目隠しのような機械をかぶる。


「昨日より確認しやすくなっているはずです。VRの電源を入れますよ」


「頼む」


 暗い目隠しの中に何かの文字が浮かび上がり、それらがパチパチと点滅する。そして画面が切り替わり、一気に星空が広がった。


「星が見える」


「はい。地球の周りをまわる衛星を、地上側から見た映像になります」


「まるで手が届きそうだな」


「僕が開発した、最新のVR技術です。AIを介在させて、よりラグを無くすように設計してあります。予測演算によって回って来る衛星を、先に知らせている感じですね」


「なにを言っているか、わからん」


「えっと。とにかく感覚的に攻撃できるように寄せたって感じですかね」


「まあ、よくやった」


 オオモリの言っている事の半分も分からんが、とにかく俺の視界には空を飛ぶ衛星が映っていた。


「では衛星の説明をします」


「ああ」


「まず青色に光っているのは、全部日本の衛星群です」


「これは破壊しちゃいけない奴だな」


「はい。そして、白っぽく黄色に光っているのが、一般の衛星と放送衛星とか気象衛星の類ですね。これらは無視していいです。GPSにも使われる物もありますが、軍事利用の出来ない作りになっている物をチョイスしてます。これを落とすと世界中で大惨事が多発します。飛行機が落ちたり車が言う事を聞かなくなったり、誘拐された人を見つける事も出来なくなるかも」


「無視か。わかった」


「そしてオレンジに点滅しているのが、軍事利用にも転用できる一般の衛星ですね」


「なるほど。予備軍って事か?」


「はい。いざという時に、軍事衛星の代用になる奴ですね」


「わかった」


「そして次に赤く光っている奴が」


「ああ」


「他国の軍事衛星や攻撃衛星の類です。それは構わずやっちゃっていいです」


「全部か?」


「ええ。出来る事なら一掃しちゃいましょう」


「わかった」


 そこで話を聞いていたクキが言う。


「これで…世界の戦いは一世紀前に戻るって事だな」


「そうなりますね」


 俺が目に取り付けているVRという機械には、それこそ幾百もの衛星が飛び交っている。あれからしばらくプログラムの為に部屋に籠っていたが、こんなへんてこな物を作りだしていたのだ。やはりオオモリという男は天才なのだろう。


 そこにカブラギがやって来る。


「通信機器の設置も終わりました。一つが壊れても、予備が動くようになっています。これをつけてください、タクティカルヘッドセットでこちらの呼びかけが聞こえます。またそのマイクに話しかければ、こちらと会話できます。話してみてください」


 俺がそれを耳に取り付けて、そのまま話をする。


「聞こえるか?」


「聞こえます。こちらの声は聞こえますか?」


 ヘッドセットの向こうでハルノの声がする。ハルノは麓にいるので、試験は問題ないだろう。俺がヘッドセットを外しながらカブラギに言う。


「はっきり聞こえる」


「良かったです。というかVRをつけるヒカルさんが何故か新鮮ですな」


「そうか?」


「それで使う武器が日本刀って言うのが、なんともアンバランスです」


「これでなければ、空は貫けない」


「ははは…。意味が分かりませんが、何度も見ていますからね。準備は以上です」


「わかった」


 そしてオオモリが俺に言う。


「では、こちらもモニターで確認しつつ指示を出します」


「頼む」


 そしてミオが心配そうに言った。


「じゃあ行くね」


「ああ」


 するとクキが笑う。


「食料はいっぱいあるんだ。ヒカルなら骨休めだろう」


「わかってます!」


「おお、こわい」


 ミオがぎろりとクキを睨んでいる。そして俺が言った。


「まあ、しばらくは籠る事になりそうだが問題ない」


「山の天気は!」


「変わりやすいんだろ? 分かってるさ」


 するとカブラギがミオに言う。


「あの…隣国から沖縄まで泳いでくる人ですよ? この場所の気象環境でどうにかなるような人じゃないと思います」


「わかってます」


 するとそこにユミがやって来て言った。


「まったく。無粋な男連中は嫌ねえ、でもヒカルは大丈夫だわ。それは私達が良く知っている」


「うん」


 そしてタケルが言う。


「じゃあ派手にやってくれ。俺達は富士の裾野あたりで見物させてもらうさ」


「きっと目視できるはずだ」


「期待してるぜ」


 最後にカブラギが言う。


「では皆さん! 陽が落ちる前に山を下ります!」


 カブラギの指示で皆が下山していった。あっという間に静かになり、臨時で建てた小屋で唸る発電機のエンジン音だけがなっていた。やる事が無くなったので、みんなが置いて言ってくれた飲み物の中からコーラを取り出して飲む。確かに冷蔵庫に入れなくてもよく冷えている。


 それから数時間後、陽が落ちて富士の山頂には星が瞬き始めるのだった。するとヘッドセットにオオモリの声が聞こえて来る。


「そろそろ始めます。ヒカルさん、VRを取り付けてください」


「わかった」


 俺は再びVR機器を頭にかぶった。すると遠隔で、オオモリがそれを操作し始める。


「見えてますか」


「問題ない」


「準備をお願いします」


「ああ」


 それを聞いた俺は、穴を掘って埋めた鉄缶の鉄の扉を開き、大量にある日本刀の一本を抜き取るのだった。


「準備した」


「では、やりましょう」


 VRとヘッドセットをつけた俺は、日本刀をかまえて空を見据えるのだった。

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