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終末ゾンビと最強勇者の青春  作者: 緑豆空
第六章 青春の冒険編

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第321話 生存者無き救出作戦

 沖縄本島を出た俺達の船が南下し宮古島へと上陸した。結果、宮古島には国外の軍隊はおらず、ゾンビを処理して僅かに残っていた生存者を救出するに至る。直ぐに宮古島を発ち、石垣島の生存者を救出しに行くことになった。


 俺は続けて、石垣島に向かうタンカーの甲板上でも周辺を警戒していたが、敵が近づいて来る気配は一向に無かった。オオモリの流したAIの情報で攪乱されているという事もあり、周辺の国家も不用意に出てくる事は無いと、クキが読んだ通りの状況になっているようだ。


 そして俺達は石垣島へと到着する。


 俺がみんなに言う。


「総力戦でさっさと終わらせよう」


 全員が戦闘準備を終えて、石垣島へと上陸していく。ゾンビがうろついてはいるが、その数はそれほど多くなく、ゾンビ破壊薬をまき散らすドローンで充分処理が出来た。バタバタと倒れていくゾンビを尻目に、俺達は更に島の奥へと進んでいく。


 するとクキが行った。


「おかしな感じだな。警戒したほうがいいかもしれん」


「分かった」


 クキの言葉を聞いて皆が建物に隠れながら進む事にし、自衛隊達は船と潜水艦の警護にまわった。俺達が隠れながら進んでいくと、遠くにバリケードが見えてくる。そしてクキが手を上げ、俺達はそれに従って歩みを止めた。クキは双眼鏡を取り出し、その先にあるバリケードを見る。


「一般人じゃない」


「同盟国の兵士か?」


「違うな…ありゃ、大陸の方の兵士だ」


 それを聞いたタケルが言う。


「おいおい。人の国に勝手に入り込んでるのかよ」


「だろうな。恐らくはこの島を占拠して、沖縄本島の同盟国軍の基地に睨みをきかせているんだろう」


 それを聞き仲間達が悔しそうな顔をした。ミオがクキから渡された双眼鏡を覗きながら言う。


「本当だわ。自衛隊も同盟国軍も来ないからって、日本で好き勝手やってるのね」


 それを聞いて俺は言う。


「やる事は一緒。侵入者を排除して生存者を救って帰る、それだけだ」


「そうね」


 俺達はその場で話し合いをし、想定した作戦の確認をした。そこにいたメンバーは二手に分かれ、先のバリケードを迂回する方向へと進んでいった。俺が単独で全滅させる予定ではいるが、万が一逃げおおせた兵士がいた場合は、仲間達の狙撃で仕留める事になっている。


「よし」


 俺は自分に認識阻害の魔法をかけ、一気に正面のバリケードに向かって進んだ。兵士達は雑談に花を咲かせており、侵入者などこないとでも思っているようだ。一気に跳躍して、バリケードの奥へと侵入する。あちこちに車両があり、結構な人数がいるようだ。


 バリケードの奴らは無視し、内部に潜入してしらみつぶしにする戦法を取る。俺が最初の建物の内部を探ると十名ほどの人の気配がした。どうやら敵はここのビルなどを占拠し、拠点にしているようだ。


 スッ。


 そっと内部に侵入し、音も無く部屋の中にいた軍服達を真っ二つにする。ドサドサと転がる兵士には目もくれず、俺は次の気配がする建物へと進んだ。そこにも兵士達はいて、まるで警戒をしている様子はない。一瞬にして血の海に変え、俺は次の屋敷へと侵入する。ここまで三十秒、もっと駆逐速度を上げるために自分に身体強化を施した。


「ふぅ」


 深く息を吐いて、その建物から消える。それからは単純作業の繰り返しだった。無防備に待機している兵隊を殺し、次の建物に進んでいく。その周辺にいる兵隊達の半数以上を倒した時だった。


 ウーッ! と警報音が鳴る。恐らくは俺が先に倒した兵隊を確認した奴が、警報を鳴らしたのだろう。あっという間に兵隊達が建物から出て来て、俺が倒した方角へ向かって走って行った。


「足並みがそろっていていいな」


 そいつらが大通りに出て来たので、俺は後方から剣撃を繰り出した。


「真空乱斬」


 すると走って行進している兵隊の一番後ろの奴から、次々に細切れになって血しぶきを上げて消し飛んでいく。それが一番前の兵士まで到達するのにそれほど時間はかからなかった。


 すると俺の後ろの戦闘車両のエンジンがかかり出す。俺はすぐさまそちらに縮地で移動し、剣撃を繰り出した。


「冥王斬!」


 周辺にあった戦闘車両は、その車体ごと人間を切り裂いて沈黙する。次の瞬間、俺に殺気が向けられた。


 ギイン! 


 どうやら狙撃をされたらしい。だがそれはすぐに沈黙する。どうやら反対側に駆けつけたクキが、狙撃を行い俺を狙撃した奴を倒したらしい。俺は更に身体強化をかけて、消えるように敵に向かった。


 それから十分が過ぎた頃ようやく敵が沈黙する。俺が立っていると、そこに仲間達がやって来た。そしてクキが言う。


「大量破壊攻撃ならもっと早かったろうがな」


「生存者がいたら巻き込んでしまうからな。しらみつぶしにするしかあるまい」


「まあ、そんな芸当が出来るのはヒカルだけだがな」


 そしてタケルが言う。


「恐らく南側の港に敵がいるんだろうな」


 それに俺が答えた。


「俺が始末して来る。周辺に兵隊の気配はないから、救出作業を進めていてくれ。若干敵兵が残ってるかもしれんが、自衛隊にもそう伝えろ」


「こっちは問題ないぜ! 始末しておくから派手にやってきてくれ」


「ああ」


 その場を仲間達に任せ、一気に大量の人の気配がする方に向かった。港には軍艦が停泊しており、俺はすぐさま破壊行動に移る。同盟国軍よりも無防備で、攻撃される事など想定していないかのようだ。


「人の国に来て好き勝手やった報いだ」


 俺は軍艦の真っ只中に出没するのだった。次々と軍艦を沈めてから、陸地にいた兵隊も全て始末する。港に降り立った俺は周辺を確認した。


「よし」


 敵の気配が無くなったのですぐに周辺の生存者を探し始める。


 だが…その後…この島内をくまなく探したが、生存者は一人もいなかった。あちこちに撃たれて死んだ死体があり、どうやら大陸の兵士が片っ端から日本人を殺して回ったらしかった。一日探し回っても見つからず、俺達はこの島を離脱する事に決めたのだった。


 タンカーに戻った俺達に自衛隊員達が聞いて来るが、俺達の答えに険しい表情を浮かべるだけ。そしてカブラギが言う。


「では石垣島での作戦はこれで終了です」


 タケルがペッと唾を吐く。


「クソが。随分と徹底してやってくれたもんだ」


 そして俺がタケルに言う。


「いつか思い知らせるさ」


「ああ。それまでに俺も、もっと強くなんねえとな」


「そう言う事だ」


 俺はタケルの肩に手を回し、一緒にタンカーに乗り込むのだった。

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