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終末ゾンビと最強勇者の青春  作者: 緑豆空
第四章 逆襲編

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第241話 地下鉄のスナイパー

 エンジン音が消えたであろう都市の周辺を探り、ようやくビルの瓦礫の下に停められているオフロードバイクを見つける。それはガラスが割れて焼けたビルの軒下にあり、全く破損している様子がない。周辺の車が完全に破壊されているのに対して、止めてあるバイクだけが無傷だった。


 俺とタケルがバスを降りて確認すると、そのエンジンはまだ熱を持っている。タケルが俺に言った。


「コイツに乗っていた奴は、地下に行ったって事か?」


「そうだろう」


 その先には地下鉄の階段が続いており、どうやらバイクに乗っていた者は地下に下りたようだ。タケルが装甲バスにいる皆に向かって手招きをすると、皆がここに集まって来る。


「バイクが温かい。恐らく地下に潜んでいる」


「どうするの?」


「確認するしかあるまい。だが俺から離れるのは得策じゃないな」


「放射線の影響もあるしね」


「みんな武装してくれ、全員で地下に下りてみよう」


 そして皆が武装し、瓦礫を乗り越えて地下鉄の階段を降りる事にした。俺達は息をひそめ、足音を立てぬようにして地下に下りて行く。


 ミオが言う。


「不思議だわ」


「ああ」


「ゾンビが倒れてるな、動くヤツがいない」


 俺が階段の途中にいるゾンビを足で転がす。すると眉間に銃痕があり、一発で仕留められていた。他の仲間がゾンビを見ても、どれも一発で眉間を撃ちぬかれているようだった。


 俺が言う。


「手練れだ」


「軍の人間かな?」


「その可能性が高い」


 皆が足を止めて顔を見合わせる。万が一、地下に軍隊が潜んでいるとなると、このまま潜るのは危険だ。


「俺の気配感知には大勢の気配はない。微かに感じるが少数かもしくは一人だ」


「微かに感じる? はっきりとはわからないの」


「気配を断っているようだ。何故か分からないが、はっきりとはしていない」


 するとミナミが言った。


「特殊部隊とかじゃない?」


「トクシュブタイ?」


「戦いのエキスパートよ」


「…危険だな。一度引き返して俺だけが出直すか…」


 だが皆が首を振った。


「せっかくの情報を逃してしまうかもしれないわ。ずっとこんなところにいるとは思えないし、接触するのは今しかないんじゃないかしら」


 リコの言葉に皆が頷く。そこで俺は皆に告げる。


「俺が先行する。タケルの隊とミナミの隊に分かれて、周囲を警戒しながら進もう」


「わかった」


 俺が一人

 タケル、ユミ、ミオ、マナ、リコ、アオイと

 ミナミ、ヤマザキ、ツバサ、ユリナ、オオモリ、ユン

 に分かれる。


 俺が先に進んで行くと、階段の終わりに違和感があった。俺が足元を確認すると、何かの線が張り詰められていた。


「ミナミ」


 俺はミナミを呼んでそれを見せた。


「罠ね。恐らくこのワイヤ―に足をかければ何かが作動するわ」


 皆がそれをまたいで反対側に降り、端っこを見てミナミが言う。


「やばっ! 手榴弾だわ。足を引っかけてたら爆発してた」


 そう言うと、一気に皆に緊張が走った。


「懐中電灯を用意しよう」


 皆がリュックから懐中電灯を取り出して、地下一階の周辺を照らす。そしてミナミが言った。


「あちこちに不自然に缶詰とかが置いてある。恐らく罠だと思う」


「慎重に進もう。ゆっくりでいいぞ」


 皆がコクリと相槌をうつ。そして罠に気を付けながら先に進むとマナが言った。


「左手は商店街。駅の改札は奥だわ」


「恐らく相手は更に下に潜ったようだ。この階層に気配はない、改札に向かう」


 俺の言葉に皆が静まり返る。ゾンビも一発で仕留めているし、この地下にゾンビの気配はしない。恐らくゾンビに罠を無効化されないようにしているのと、自分の安全を確保しているのだろう。かなり徹底しており、そのやり口はプロだろうと結論づいた。更にピリピリとした空気が漂う。


 俺達が言葉を発することなく、ゆっくりと地下を進んでいくと改札が見えて来た。俺は身振り手振りで、しゃがんで進むように指示をした。皆がしゃがみ込み、罠に気を付けながら改札の脇の壁に張り付く。


「認識阻害、気配遮断」


 俺は自分に魔法をかけて、スッと改札に近づいて中をのぞく。するとご丁寧に、改札を越えた足元にも一つずつ罠が仕掛けてあった。そのまま改札を飛び越えれば、爆弾の餌食になっていただろう。


 俺は一度、皆のもとに戻り小さい声で伝える。


「改札にも罠だ。恐らく相手は奥にいる」


 するとヤマザキが言った。


「危険だな」


 改札のフロア図を見ながら、ツバサが言った。


「降り口は二カ所あるわ。分かれたほうが良さそう」


「わかった。俺が左から回るから、全員が右から回り込もう。くれぐれも罠に気を付けるんだ」


 皆が相槌をうつ。罠に気を付けながら改札をそっと乗り越え、俺達は駅の構内へと侵入したのだった。俺が左に、全員が右に分かれて相手を追い詰めていく。地下二階に下りるエスカレーターにも罠は仕掛けられており、俺はそれを乗り越えながら下へと下った。エスカレーターの一番下に到着し、ゆっくりと頭だけを出して中を確認する。


 電車が止まっている。そして間違いなく、対象者は電車の中に潜んでいるようだ。


 そこで俺は一つの失敗に気が付いた。俺がライトをつけないで地下二階に進入して来たのに対し、タケル達の隊は恐らく懐中電灯をつけている。彼らは罠を避ける為にライト無しでは進めなかったのだ。キラキラと何度かライトが動いた後、ようやくライトの光が消えた。下に降り立ったので、警戒してライトを消したのだろう。


 俺は完全に失策だと悟った。敵の気配が更に落ち込み、それがゆっくりとライトに向かって動き出したからだ。ここまで気配を落とせば、ミオの気配感知やツバサの耳で見つける事は不可能だ。


 俺が慌ててホームの反対側に向けて走った。その瞬間だった。


 ズドン!


「くっ!」


 一発の銃声がした。俺はその銃声に聞き覚えがあった。核弾頭が落ちた東京から逃げた時に、俺達を狙撃した銃の音に似ている。だが敵は一人だと確認できたため、俺は腰だめに日本刀をかまえた。


「冥王斬!」


 電車の上側をスッパリと斬り、俺は電車の上を蹴り飛ばす。するとその車両の上半分が吹き飛び、すぐに俺は電車内に入り敵に縮地で敵に迫った。そいつは長い銃を窓から構えていたが、電車の上側が消え去って慌てて逃げようとしていた。


 そいつが振り向く前に、俺はそいつの意識を刈り取った。

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