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終末ゾンビと最強勇者の青春  作者: 緑豆空
第四章 逆襲編

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第237話 中性子爆弾が単なる口封じの可能性

 俺達は水戸周辺の生存者を救い、しばらく滞在した後に生存者達に別れを告げた。今は筑波山に登って東京方面を眺めている。皆が水戸での話をしており、俺達が伝えた情報をどこまで消化するかは彼ら次第と結論づく。


 俺達は、そこでどちらに向かうべきかを話している。東京に核弾頭が落ちたのは半年ほど前、ミナミの話では放射線量は格段に落ちているという事だ。


 話の焦点になっているのは、ファーマ―社がなぜ東京に核弾頭を落としたかの理由だ。


 ミナミが言った。


「ヒカルが軍隊ごとやっつけたからじゃない? 恐らくは東京に敵対勢力の軍隊がいると思ったのよ。それを町ごと滅ぼそうとしたという事じゃないかしら?」


 ヤマザキが答える。


「確かにな。大隊何個分が潰されたんだ、大きな武装勢力がいると思ったんだろう。まさかたった一人で壊滅させたなんて誰も思っていないだろうからな」


 俺達が見下ろしている方角に東京があるようだが、雲がかかっていてよく見えなかった。ミオが言うには天気のいい日には見えるし、ここから東京の夜景が見えるらしい。だが今は電気も通っておらず、東京が光を放つことは無かった。


 ユリナが言う。


「福島第一原子力発電所のように、何かを隠蔽しようとしたって事はないかしら?」


「あるかも」


「そうだな」


 そこで俺は皆に聞いた。


「どう思う? 東京に何かあるとすれば、その情報は重要じゃないのか?」


「かもしれないけど。焼けちゃったんじゃない?」


「そうか?」


 そこでユリナが言った。


「もし秘密の施設が東京の地下にあったとしたら? 地表にいる私達だけを焼き払ってそこを守ろうとしていたとか? 原子力発電所の研究所の結果を見たらそれもあり得るんじゃない?」


「無いとは言えないだろうな」


 ヤマザキが言うが、彼は東京に入るのには反対の意思を示していた。だがそこで俺が言う。


「直撃して焼ければゾンビは死ぬが、放射線ではゾンビは死なん。むしろ生きた人間を放射線で殺せばゾンビが増える。もしかしたらゾンビを早急に増やすために、核弾頭を投下したと考えられないか?」


 するとミナミが言った。


「かもしれない。もしゾンビを大量に破壊する為なら水爆を使うと思うけど、あえて中性子爆弾を使っている。生きている人間を早めに殺したかったという意図があったりして」


「水戸の被曝している人らは、放っておいたらすぐにでもゾンビになっていた。関東周辺の生存者のゾンビ化は急速に進んだと考えていいだろう」


 それを聞いていたタケルが不満げに呟く。


「中性子爆弾でゾンビドーピングって事かあ? ふざけてんな」


「第一原子力発電所にも敵は中性子爆弾を落とそうとしていたんじゃないか? 落ちていれば周辺の生存者は急速にゾンビ化が進んだことだろう」


「それをヒカルが阻止して、更に研究所を消し去った…。それによって核弾頭を追加で落とさなくても良くなったって事?」


「それだけ人が、研究所へ近寄って欲しくなかったのだろう」


 皆が納得してくれた。そしてマナが言った。


「なるほどね。茨木の海沿いではネット回線も遮断されたし、あの情報を海外に漏洩させないようにしてるって事かな?」


「そう思う」


 俺が頷くと皆もウンウンと頷いていた。そこでユリナが言った。


「世界に気づかれては困るという事よね」


「そうだろう」


 リコが信じられないと言った表情で声を荒げた。


「証拠隠滅の為に核弾頭を使って虐殺? 冗談じゃないわ! たかが口封じの為に?」


「まったくだぜ! ぶっ殺してやりてえ!」


「本当ですね、死ね! って感じです」


 タケルとオオモリは全く性格が違うが、考える事は似ている。オオモリもタケルに似て熱い性格をしているようだ。レインとエルヴィンの面影を見たような気がした。


 そしてヤマザキが言う。


「と、言う事はだ。やはり東京には隠したい情報が眠っているという事なのだろうか?」


 俺が答える。


「その可能性が高いだろう。ゾンビが繁殖しているうちは大丈夫だと思っていたファーマー社だったが、俺がそのゾンビを減らして行った事に危機感を持ったのかもしれん」


 そしてユリナが言った。


「その確率は高いでしょうね」


 俺達はじっと東京方面を見つめている。そして俺が皆に言った。


「中性子で人が殺された場所を周ろう。まずは東京周辺の生存者を救出する事から始めた方がいい。だが俺は一つ懸念している事がある」


「なに?」


「あの福島第一原発の研究所は地下深くにあった。核弾頭はあの地下に影響を及ぼせるのか?」


 するとミナミが言う。


「影響はないかも。外には出られなくなるけど、核シェルターの役割も果たしそうだから」


「もし東京にも同様の物が存在していたと仮定した場合、福島原子力発電所の研究所にいた試験体のような物がそこにいないだろうか? 奴らが地上に這い出して来ると、また多くの人が犠牲になってしまう」


「確かに…」


そこで結論が出た。まずは東京周辺の生存者を速やかに救い出し、出来るだけ東京から離れるように伝える。東京を調査するならば、まずはそれを先に終わらせる必要があった。


 そこでミオが地図を広げる。ミナミが隣に座り、地図に赤いペンで線をひいて行った。そのラインは東京全域を含む千葉の一部、茨城と栃木の一部、埼玉と神奈川の一部が含まれていた。


「このラインから外の人達を助けていきましょう」


「そうだな」


「いっそがしくなりそうだな!」


 そして俺が言う。


「今日はここで一夜を過ごす事にしよう」


 するとミオが嬉しそうに言う。


「コマ展望台に来ることになるなんてね。私の小学校はここが遠足の場所だったの」


 するとツバサが言う。


「美桜って松戸だっけ?」


「そう」


「いい思い出ね」


「そうだねー。なんか楽しいよ」


「じゃ今日は皆で星空でも眺めましょう」


 皆が嬉しそうにしている。俺はコマ展望台と言うところで、皆と一晩をすごす事にしたのだった。

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