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終末ゾンビと最強勇者の青春  作者: 緑豆空
第四章 逆襲編

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第225話 被災地からの復興

 俺達が仙台の青葉城に戻ると更に生存者が増えていた。新たに合流した人達には、すぐに施術を行いゾンビ因子を取り除く。それが終わった俺達は代表者のもとに行って話をした。


 ヤマザキが代表して言う。


「俺達は燃料の入ったタンカーを見つけた。それを仙台火力発電所に横づけしたんだが、知識が全く無くてな。出来れば手伝ってほしいんだ。知識のある者を集めて欲しい」


「わかりました。すぐに」


 男は携帯電話を取り出して何かを打ち込む。それを見ていたマナが聞いた。


「携帯で連絡を?」


「メール機能が使えるようになりました。周囲の電話局を稼働させてくれたおかげだと思います」


 それから俺達がしばらく青葉城で待っていると、一人また一人と人がやって来た。


「発電所が動かせる人を集めています!」


 とマナが言った。すると一人の男が言う。


「発電所では働いた事無いけど。ボイラー技士の資格がある」


「それはありがたい!」


 すると他の男が言った。


「僕は施設管理の仕事をしてました。ビルのガスタービンで発電させる仕事もありました」


「すばらしい! 探していました!」


「私は。石油会社の事務をしていました。事務ですが多少の知識があります」


「おねがいします!」


 半日ほどで十人が集まり、それぞれ直接的にではないにせよ知識があるようだった。俺達が装甲バスの他にもう一台のバスを用意していたので、それに彼らを乗せて火力発電所を目指す。


 電波外に出るとゾンビがいるものの、それを装甲バスで蹴散らしながら進む。発電所に到着した俺達は、早速タンカーの事や火力発電所の事を説明した。火力発電所内部のゾンビは全て処分してあるので、この敷地内であれば安全だと伝える。


 俺達は彼らの指示を聞きながら、どうにかタンカーから燃料を発電所に移す事に成功する。彼らも直接的に仕事をしていた訳ではないので、最終的に運用できるようになるまでは、かなり時間を要してしまう。ざっと五日位かけての出来事だった。


「では! 火を入れてみます!」


 生存者の一人が言う。


「おねがいします」


 鍵を開けてスイッチを入れると、ゴーンゴーンと言う音と共に発電施設が動き出したのだった。


「これで、電気がつくのかな?」


 とユンが言う。既に他の人らが電気をつける作業をしていた。どんどん日が暮れてその日の作業も、もう終わりかと言う時だった。


 いっきに発電所内の電気が灯ったのだった。


 それを見たみんなが言った。


「やった! ついたわ!」

「火力発電所が復活した!」

「これでだいぶ進むわね」


 ハイタッチをしてミオも喜んでいる。俺達が外に出てみると、街の周辺にある街灯が明るく輝き、町全体を照らしているようだった。


 それを見たオオモリが言う。


「ヒカルさん! これで仙台周辺全域を生き返らせますよ!」


「よし!」


 俺とオオモリもハイタッチを決める。そしてオオモリが言った。


「早速、発電所周辺の基地局から動かしましょう!」


「わかった!」


 それから俺達は発電所の周辺から始め、次々と電話の局舎を動かす事に成功していった。ゾンビが動きを止めた事により、更に生存者が出てくる事だろう。


「後は電気が通った事と、携帯に気づいてくれればいいんですけどね」


「きっと気が付くさ。仙台市にもあれほどの生存者が現れたんだ。まだまだいるはずだ」


「ですね!」


 発電所を復活させた俺達は、更に広範囲のゾンビを止める事に成功する。仙台から松島、北は石巻、南は岩沼までの電力を供給する事に成功したのである。それから一週間もすれと数千人単位の生存者が現れ始めた。


 流石に争いごとや各地の騒動を俺達だけでは管理する事が出来ず。各地が混乱状態に陥ってしまう。後はオオモリの流した情報を信じて、自分らの信念のもとで行動してもらうしかなかった。


 さらに石巻市の大型ショッピングセンターに集まるように誘導すると、多くの人が集まって来る。そのころには俺の蘇生魔法のレベルもかなりアップしていた。


「自分でも信じられん」


「ヒカル! レベル千でもアップすんだな」


「俺は戦闘特化のレベル千だからな。治癒に関しては一か二だったんだ。だがこれほどの人数を治癒する事など前世でもなかったから、俺はそこが伸びてしまったんだろう。そして元々のレベルが千を越えていたからな、それにつられるように能力が向上したんだと思う」

「これを見てくれよ」


 タケルが左手を上げる。


「なんだ! タケル! 手が全て復活したのか!」


「ようやくな」


 俺はタケルの手を取ってじっと見つめる。


「思えばここから始まったんだ。お前の手を治す事からな」


「それが今や、こんなに大勢の人間を助けられるようになるなんてよ。やっぱヒカルってすげえよな」


 相棒の手が完全復活したのを見て俺は感動していた。俺が斬り落としてしまったあの手が、長い時間をかけて復活した。そして今、俺は大勢の人の体からゾンビ因子を取り除くことが出来ている。


 そこにユリナが来た。


「ヒカル! ショッピングセンター内は人でいっぱいよ! いつでもいいわ!」


「わかった。すぐに始める!」


 俺はすぐに集中し、自分の体内に魔力を貯めこんだ。そして蘇生魔法のスキルを開放し、それを一気に四方に放出したのだった。次の瞬間ショッピングセンター全体が光に包まれ、しばらくしてその光が収まる。


 するとショッピングセンター内から叫び声が聞こえ始めた。


「きゃぁぁぁ! 真っ白!」

「なんだこれ? パウダーでもかぶったみたいになってんぞ」

「俺もだ! なんだ!」

「私も。真っ白!」

「怖い! どうして!」

「いや、確かホームページに書いてあったろ!」

「本当に…ゾンビ因子なんてあったって事?」


 ショッピングセンター内は騒然としているが、これでまた大勢の人がゾンビにならずに済んだ。


「じゃあ館内放送で流すね」


 ユリナが言う。


「ああ」


「ショッピングセンターにお集まりの皆さま。良くゾンビから逃げきって生きてこられました。流石は災害の地の人々だと心より尊敬しております。他の地域より生存者が多いのは、きっと災害を乗り切った経験が生きているのだと思います。そして皆が白くなってしまったのは、ゾンビ因子を取り除いたからです。これでもう皆さんはゾンビになる可能性は限りなくゼロになりました。これからは日本人の復興の為に力を合わせて行きましょう!」


 すると館内からウォオオオオオオ! と歓声が上がった。体調不良も回復し、皆も生きる力が漲って来たのだろう。ここは地震の時の最大の被害の地だと聞いているが、生存者達の力強い声に俺は更に感動してしまう。


 被災者達が生き延びるためにやって来た事は間違いではないのだ。一度未曽有の災害を体験したからこそ、こんなに多くの人が生き延びる事が出来たのだと思う。


 そして俺はミオに言った。


「ここからだ。ここから世界を復活させることができるだろう。この人達は生きる力に満ちている。力を合わせれば日本の復興は夢じゃない」


「うん。そうだね! うん」


 俺の言葉を聞いて仲間がみんな涙を流していた。間違いなく日本は復活すると確信した瞬間だった。

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