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終末ゾンビと最強勇者の青春  作者: 緑豆空
第三章 逃亡編

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第203話 変化していく人間達

 俺達は女の研究員から急いで離れ遠巻きに見た。そいつはしばらくバタバタとしていたが、ぴたりと動きを止めて静かになる。


「なんだよこれ?」


 タケルが言うが、どうしてこうなったのかは分からない。するとツバサが言う。


「死んだのかな?」


 それにはミオが答えた。


「近寄っちゃダメよツバサ、何が起きるか分からないわ」


「わかってる」


 更に女の気配が止まり、俺がそれを皆に伝えた。


「死んだ」


「突然?」


 するとタケルが言う。


「確か脱走すると遠隔で殺されると言っていたよな…」


「でもここ、研究所内だよ」


「わかんねえけどよ」


 だが俺はすぐに女の気配を感知する。


「そいつ変わっていってるぞ! 皆! 俺の後ろに!」


 皆が俺の後ろに回った時、女が寝ている状態からビュッっと跳ねて勢いよく俺に向かって飛んで来た。直前でそいつの首を刎ねて、蹴りで横に跳ね飛ばした。


「なんなんだよ! これ!」


 タケルが叫ぶが俺もよくわからない。生きたまま突然ゾンビに変化して俺に突撃をかまして来た。まるで前世で討伐した、ヴァンパイアの眷属のような早変わりだった。


「どう言う事だ? 生きながらにしていきなりゾンビに変化したようだ」


 するとミオが思い出したように言う。


「なんか変よね? だってさっき研究員達は、ゾンビにならないような薬物を定期投与してるって言ったよね?」


「ああ」


「ならなんで変わったんだろう?」


「薬が効かなかったという事だろうか?」


「それか…もしかしたらだけど、その薬物が原因だったりしないかな?」


「可能性はある」


 それを聞いたミナミが言った。


「調べる必要があるんじゃない?」


「その薬品は保健センターとやらに保管しているらしい」


「保健センターに案内する女が死んでしまった」


 するとオオモリが言う。


「ちょっとまってください!」


 オオモリはリュックから黒い板を取り出して画面を見始める。それを見たタケルが言った。


「タブレットで分かんのか?」


「基地立体見取り図がありましたよ。既にデーターは取ったので見れます」


 オオモリはそれを俺達に見せた。それを見たマナが言う。


「ちょっとまって、この階層より下にも階層があるんだね」


「どうやら五階層に分かれているようです。保健センターは三階で、ここが一番上の一階になります」


 俺達がそれを見ていると、赤く塗り分けられている区画がある。それを見てオオモリが言う。


「多分。ここは進入禁止区域か危険地帯ですね。最下層は入らない方が良さそうです」


「そうか、あまりゆっくりもしていられない。じきに兵隊が介入してくるはずだ」


 俺の言葉を聞き、皆がサーバールームの外に出た。左手に人の気配が多数あるが、下に降りるエレベーターはそちらの方角だ。


「あっちに人がいっぱいいるわ。階段を探した方が良くない?」


「ミオの言うとおりだな。階段はどのあたりにありそうだ」


「残念ながらそれも左ですね」


「そうか、なら行くしかない」


 俺達はそのまま左方向に向かって進んでいく。しばらく進んでいくと、逃げて来た研究員達が入り口の方を見ながら話をしていた。


「開かないのか?」

「システムが反応してない」

「閉じ込められたって訳か」


 どうやら俺が空けた穴に気が付いていないのか、研究員達はそこで立ち往生していた。俺達は気づかれないように後ろを通り抜ける。俺達がその騒ぎに乗じて通り過ぎると、突き当りの入り口がしまっていた。ツバサが手をかけて開けようとするがミオがそれを止める。 


「ドアの向こうにも人がいるわ、このドアの前に集まっているようよ」


「でも階段はこの先よね?」


「突破するしか方法はあるまい」


 ツバサがグイっと扉を引いて言う。


「開かないわ」


「俺が開ける」


 俺は身体強化を施し、ドアに手をかけてグイっと横にひく。鉄がひしゃげる音がして扉は勢いよく開いた。ドアの向こうには数人の研究員がいたが、突然開いたドアに驚いていた。


「開いた!」

「あんたら救助隊か?」

「開かなくて困っていたんだよ」


 研究員達はそう言った後で、小刻みに震えはじめる。


「あ、ああああああああ」

「ぐガガガガガガガガガ」

「おぉおおおおおおおお」


「ま、まただ! また変化し始めたぜ!」


「突破する!」


 俺達が研究員の間をかき分けて進んでいくと、バタバタと体をひしゃげさせながらのたうち回り始めた。


「走れ!」


 俺達が走り抜けると、倒れた研究員がばねのように俺達に飛びかかって来る。


「危ない!」


 俺が言った瞬間、ミナミが飛んで来たゾンビの首を斬る。それを皮切りに、次々と倒れた研究員達が俺達に飛びかかって来るのだった。


「俺の後ろに!」


 ミオとマナとオオモリが俺の後ろに隠れ、ミナミとタケルが飛び跳ねて来る突然変異ゾンビを狩り始める。そして俺は日本刀を腰だめに構えタケルとミナミに叫んだ。


「伏せろ!」


 二人が瞬時に伏せたのを見て、次々に飛んで来るゾンビに向けて剣撃を放った。ゾンビはボトボトと落ち、いずれ全てが静かになった。


「マジかよ! いまの今まで生きてた人間だぞ!」


「ファーマー社は恐ろしいものを開発したようね…」


 そして俺はタケルとミナミに言った。


「お前達も俺の後ろに!」


 入って来た入り口を見ると、先ほど立ち往生していた研究員達がゾンビになってこちらに押し寄せてきていたのだった。俺が前に出て入って来るゾンビを次々に切り捨てていく。普通のゾンビと違って、跳躍力が強いらしく動きが俊敏だ。


 全てを斬り捨て、気配感知を巡らせた。既に立ち往生していた研究員は一人残らずゾンビと化していたようだが、すべて斬り落とす事が出来たようだ。


「どうするよ?」


「進もう。情報が欲しい」


「よっしゃ、行くか!」


「タケルとミナミは殿を頼む! 俺が先を行くからマナとオオモリとミオは間に入れ」


「わかった」

「はい!」

「足手纏いになっちゃってごめん」


「そんなことはないさ。皆がそろっていなければ情報は取れなかった」


「うん」


 そして俺は先を進んでいく。オオモリが俺の後ろに付いて行く先を指示するのだった。

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