表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
終末ゾンビと最強勇者の青春  作者: 緑豆空
第三章 逃亡編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

200/661

第199話 敵情視察

 第一原子力発電所にあるファーマー社研究所は、恐ろしいほどの厳戒態勢が敷かれていた。軍隊が集結しており、先の火力発電所や第二研究所のように無防備ではない。そして恐らく第二研究所同様に周辺には罠が仕掛けられ、周辺は兵隊だらけのはずだ。それを調査する必要がある。


 オオモリも俺達に協力すると言いだし、一緒に行動する事になった。まずは第一原子力発電所から数キロ離れた場所に、三つの隊に分かれて潜伏し監視する事にする。


 隊の編成も戦力ごとに分けた。


 研究所に一番近づく部隊は俺とミオの二人で、ミオはすぐに土地勘を発揮する能力を持っており、俺の足りない部分を補ってもらう事になる。俺達は二人で敵の配置を一日で掴む予定だった。


 第二部隊は第一原子力発電所から北の海岸沿いに潜むタケル、ユミ、ツバサ、ユリナ、マナ、オオモリだ。船舶やヘリコプターの出入りと軍隊の動向監視してもらう事になる。


 第三部隊は退路で避難場所の確保をしている、ヤマザキ、ミナミ、アオイ、ユン、リコだ。ここでも同様にヘリコプターの飛翔時間の確認をする。


 俺がミオに言った。


「皆大丈夫だろうか?」


「大丈夫よ。これまでさんざん鍛えられたから」


「そうか…そうだな」


「ヒカルのおかげで不思議な力があるし」


 俺とミオは森林地帯を進んでいた。恐らく研究所近くには罠が仕掛けられているだろうが、ミオは気配感知の能力も高く簡単には引っかからないだろう。


 ミオが地図を見ながら言った。


「第一原子力発電所から、ここまで三キロくらいよ」


「ああ。ヘリコプターが頻繁に飛ぶようだ」


「全く厄介ね」


「よっぽど近づいて欲しくないんだろうな」


 街道沿いの森林地帯を進んでいくと、道路に檻のような物が設置されているのが見えた。


「あれはファーマー社のものかしら?」


「周辺に気配はないが…」


「近くに行って見てみましょう」


 俺達が側によると、ここより先は立ち入り禁止地域と書いてある看板があった。それを見てミオが言う。


「たぶん、原子力発電所の事故があった時の名残だわ。軍隊のではないと思う」


「先に進もう」


 その檻を越えてしばらく進んでいくと、俺の気配感知に人間の気配がひっかかった。


「ミオ。一キロ先に人間がいる。恐らくは軍隊が封鎖しているんだろう」


「確認しに行きましょう」


「ああ」


 それから森林地帯を進む事、四十分ほどで敵の部隊がバリケードを作っているのが見えた。それを見てミオは地図にバツ印をつける。


「ここは完全に軍隊が守っているってことね」


「そのようだな」


「次、行きましょう」


 俺達はそのまま森林に潜り、再び南に向かった。目視で軍隊を確認するたびにミオが地図にバツ印をつけていく。そのまま敵の拠点を中心に円を描くように進んでいくが、どこの街道にも軍隊がおり完全閉鎖されていた。もちろん俺が敵の動向を掴んでいるため、俺達が見つかるようなへまは起こさない。


「海だわ」


 俺達はとうとう、第一原子力発電所の南側の海岸沿いに出た。そしてミオが双眼鏡で先を見渡す。


「海岸沿いにまで敵がいるようよ」


「なるほどな。先に襲った研究所の時のように、容易に侵入は出来なそうだな」


「後は、街道以外の森林地帯がどうなっているかね」


「確認しよう」


 俺達が森林地帯を通り第一原子力発電所に近づいて行くと案の定、罠が仕掛けてある。


「かなり厳重だわ」


「二の轍は踏まんというところだろう」


「どうする?」


「このまま確認しながら、北で監視しているタケル達と合流しよう」


「わかったわ。朝までにたどり着けるかしら?」


「急ぐしかあるまい」


 俺達は罠が仕掛けてある場所を確認しつつ、数時間かけて北に移動し湾岸市場付近で監視をしているタケル達と合流した。驚かれないように俺達は姿を現わして手を上げながら近づいた。


「ヒカル!」


 ツバサが名前を呼んで近づいて来た。


「敵の様子はどうだ?」


 するとマナが言った。


「ヘリが飛ぶ時間とサイレンが鳴る時間と船舶の動きを全てパソコンでデータ化しているわ」


 オオモリも言う。


「一日だけなのでデータとしては弱いですが、ある程度規則性があるようにも思えますね」


「規則性?」


「明日も測ってみないと分かりませんけど」


「わかった。そろそろ陽が昇るだろう、その前にヤマザキ達の居る避難所へ合流するぞ」


「「「「「はい!」」」」」」


 それから皆が無言で進み、ヤマザキ達がいる場所に陽が昇る前に合流する事が出来た。


 ミオがリュックサックを下ろしてため息をつく。


「ふう」


「お疲れ様」


「かなり厳重だったわ。つけ入るスキが見当たらなかった」


「やはり警戒しているようだな」


 それに対してマナが言う。


「敵の動きの詳細をつかめれば、手薄な時間とかを見つけられないかしら?」


「また明日も探ってみるしかあるまい」


「そうね」


 そこで俺はマナに聞いた。


「船舶の動きはあったのだな?」


「動いてた。恐らく周辺の監視に戦艦を動かしているんだと思う」


「後は定時で動くかどうかの確認か…」


「何か考えがあるの?」


「まあな」


「そうか」


 ミオが言う。


「とにかく街道からの侵入はやはり無理かも。どこかから一点突破で入ったとしてもすぐに軍隊が駆けつけてくるわ」


 それに俺も頷いて言う。


「軍隊を全て始末する事は可能だが、そうすれば研究の情報や6Gの情報が取れなくなってしまうだろう」


 タケルが答える。


「情報を取ってしまえば、ヒカルなら何とか出来るだろうな」


「あとは核弾頭だけだ。それはオオモリに協力してもらうしかない」


「わ、わかりました!」


 検証初日では確実な計画は立たなかったが、間違いなくつけ入るスキはあると信じる。


 そして俺達はあるホテルを見つけてそこを拠点にした。昔なら皆が同じ部屋に入るのが普通だったが、ゾンビの対処が出来るようになったので部屋を三つに分けた。男達の部屋ひとつと女達の部屋が二つ。ホテル内のゾンビは全てミナミが始末したので、ゾンビを気にする事なく動く事が出来た。そこでも敵の動きを監視し交代で睡眠をとり、夜になったら再び情報収集に走る事となる。


 オオモリも引き続きパソコンを開いて、ヘリコプター飛翔時間を記録していくのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ