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終末ゾンビと最強勇者の青春  作者: 緑豆空
第二章 東京

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第124話 鳴り響く砲撃の音

 むしろ俺達はついている。スカイツリーへ行ったのはアオイの為だったが、そのおかげで敵勢力の侵攻を知る事が出来た。敵の侵攻速度がどのくらいかは分からないが、遅かれ早かれこの国立図書館も脅威にさらされるだろう。それによって俺達は、これからどうすべきかの選択を迫られる。


 国立図書館の地下で俺達は話し合いをしていた。


 ヤマザキが言う。


「敵さんは、そっとしておいてくれないんだな」


「徹底的にやったつもりだったが、ヤクザはよほど根性があるようだ」


「まあ、ヤクザって言うのは面子が大事だって聞くからな」


 ヤマザキが言うがそれにしては、よほど肝っ玉が据わっている。今度はタケルが言った。


「煙が上がってるつー事は燃やしてるか爆破してるって事だよな。いったい何やってんだろ」


「見にいかないと分からんだろうな。少しずつ侵攻しようとしているのか、それ以外にもいろいろ考えられる事はある」


「そうか。そうだよな、なら見にいくか?」


「行くなら俺一人で行く」


「俺達だって少しは戦えるようになったぜ。ヒカル一人で行くより情報は多く取れるだろ」


「危険すぎる」


「ヒカルよ。ここまできたら一緒に戦うか、一緒に逃げるかだよ。もう俺は決めた」


「タケル…」


 ミオが俺の腕に触れて言った。


「異世界から来た人に守られっぱなしでいるわけにもいかないよ。それにほらヒカルが居なかったら何も出来ないようじゃ、私達これから生きていけない」


 確かに俺に万が一の事があれば、彼らだけで切り抜けていかねばならない。だが敵がどんな状態か分からない以上は下手に動けない。しかも今回はそれほど悠長に構えてはいられない状況だった。


 俺は少し考えて言う。


「少数精鋭で行く」


「おうよ!」


「人選は俺がしていいか?」


 皆がコクリと頷いた。


「まずはタケル」


「おう!」


「ミオ」


「はい」


「そして…ミナミだ」


「私? 分かった」


 タケル、ミオは純粋に体力で選び、ミナミは銃の組み立てが出来るという理由で選んだ。銃に不良が出た場合、ミナミに見てもらう必要があるし俺の予備の剣の運搬をしてもらう。


 それから俺は皆に言った。


「皆はすぐに脱出できるようにしておけ。重くならないように食糧をリュックに詰めろ」


「「「「「「はい!」」」」」」


「すぐに動くぞ」


 皆はすぐに取り掛かった。俺はミナミを連れて日本刀がしまってある部屋に行く。そして俺が使う剣を二本と短剣を選んで身に着ける。そして予備の剣二本をミナミに託した。


「日本刀が破損してしまった場合の為だ。頼む」


「わかった」


「ミナミは荷物を持たなくていい。それと銃で十分だ」


「はい」


 そして俺はすぐにタケルとミオの所に行った。彼らは既にリュックに物資を詰めて、銃と弾を並べていた。俺が各人のリュックを確認していき、不足している物を入れ込んでいく。


 更に俺はヤマザキ達のもとに向かい、一人一人に声をかけていく。


「ヤマザキ。いざという時は逃げてもらう、明後日の陽が落ちるまでに俺達が戻らなかったらその時は地下鉄を使って逃げろ」


「わかった」


「ユリナは引き続き皆の体調管理を頼む」


「ええ」


「ツバサは皆の中では体力があるから、護衛を頼むぞ」


「うん」


「マナとユミはアオイを頼む」


「わかったわ」

「任せて」


「アオイはお姉ちゃんたちの言う事を聞くんだ」


「うん!」


 皆は緊張の面持ちで俺の言う事を聞いていた。タケルとミオ、ミナミが俺の元へやって来たので三人にも声がけをした。


「覚悟は良いか?」


「出来てるよ」


 タケルが言うとユミが真剣な表情で言った。


「武! 戻って来なかったら承知しないからね!」


「まかせとけ」


 ユリナがミオに言う。


「美桜。ごめんね、若いあなたに任せてしまって」


「ううん。皆が生き延びる為の最善の方法だと思うから、友理奈さんも皆をよろしくお願いします」


「はい」


 そしてツバサがミナミの手を握って言う。


「頑張って…」


「そんな泣きそうな顔しないで。翼も由美も葵ちゃんをお願いね」


「そうね」

「任せて」


「うん」


 ミオとミナミがしゃがんでアオイに声をかけた。


「大丈夫よ。皆が守ってくれる」

「葵ちゃんは強い子だもんね! でも必ず戻って来る」


「うん…」


 アオイが二人に抱かれている。俺が最後にヤマザキに言う。


「地下一階に移動しておけ。音で判断する必要がある。寝具などは地下一階に持って行くと良い」


「わかった」


「よし。皆行くぞ」


 俺が言うとタケルとミオと、ミナミが頷いて俺について地上に出るのだった。地上に出ると既に夕方に差し掛かっていた。


「急ぐぞ」


 俺達はそのまま虎ノ門の地下鉄に置いてあるバイクの所に向かう。俺がバイクにまたがり、その後ろには俺の武器を持っているミナミが座った。タケルのバイクにはミオが座る。

 

 俺は三人に行った。


「さっさと終わらせて帰るぞ」


「わかった」

「「はい」」


 そして俺達は一路、元の拠点にしていた渋谷に向かうのだった。敵がどのあたりまで侵入しているかは分からないが、スカイツリーから見た限りではそこまで内部には来ていない。渋谷に到着した俺達は、そこにバイクを置いて行く事にする。


「バイクは置いて行く」


 俺が言うと皆が黙ってうなずいた。そして俺達が地上に出ると、辺りは薄暗くなってきている。流石にゾンビの数は多いが、俺が剣技で斬り捨て元の拠点にしていた近くのビルにたどり着いた。


 ビルを見たミオが言う。


「セル〇アンタワーっていうのね。拠点の近くだわ」


「ああ。この高さなら東側の情況を確認できるだろう」


「わかったわ」


 ゾンビを排除しつつ、一気に入り口に行く。扉は鍵がかかっていたがすぐに破壊し、内部に侵入した。階段を見つけて上階を目指して走るが、三人とも息を切らす事は無くなった。もちろん俺は全力ではないが、全く足手纏いという感じではない。三人も手ごたえを感じているようだ。


「体が軽いぜ」

「ほんと」

「自分の身体じゃないみたい」


 三人は自分の身体能力の向上に感動していた。


「訓練の成果が出てきたんだ」


「こう言う事の為にやってたのね?」


「ああ」


 そして俺達はセル〇アンタワーの最上階にたどり着いた。すぐに東側の窓に行く。


「本当だ。燃えてんな」


「ああ」


「だけど、ここからもまだ距離がある」


「完全に日が暮れたら動き出そう」


 俺達が東側を見ていると、新たに爆発が起きた。


「爆発したぞ!」


「煙が出ているところよりこっちの方だったよ」


「砲撃じゃねえのか?」


 俺はタケルに尋ねた。


「砲撃ってどういうものだ」


「わかんねえけどよ。ロケットランチャーとか大砲みたいなもんだ。遠くに居ても爆発する武器だな」


 どうやら敵は爆炎魔法のようなものを使うらしい。俺は煙の上がっている場所と、その周辺を見ていく。そして一つの事が見えて来た。


「これは…まずいな」


「どういうことだ?」


「スカイツリーから見た時よりも拡大している。というか都心を包囲しているように広がっているように見える」


 三人がそれを見て顔を見合わせる。


「首都高速から撃ってる?」


「そうだ…」


「ていうか、このビルの目の前を高速が走ってるんだけど」


「すぐに降りるぞ!」


 俺は慌てて言う。その砲撃が狙っている先が、どれも高層ビルだったからだ。俺達が急いで降りて外に出ると、また砲撃の音が響いて来た。俺が池袋サンシャインでやったゾンビ作戦により、敵は高層ビルに目を付けたのだ。鳴り響く爆発音を聞きながら、俺達は再び地下鉄に向かって走るのだった。

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