表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女神様の愛し子じゃないから!  作者: 梨香
第三章 防衛都市

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

81/139

アイテムボックスの使い方

 空中公園のドロップ品、機械花の宝石は嵩低い。機械ハチドリの青色の部品は、ちょっと複雑で細かい。


「それは、こちらの袋に入れろ!」

 アイテムボックスに入れたら、同じだけど、細かいから籠の網目から落ちそうだもんね。


 鑑定! を掛けたら、機械ハチドリの部品だ!


「機械ハチドリって何の役に立つのかな? 氷魔法で攻撃してきて、鬱陶しかったけど、そんなに強くはないよね」


 白猫(レオ)が「伝令になるし、空から斥候もできる」と言う。


「へぇ、なるほどね!」と私が納得しているとジャスが慌てている。


「人前で話して良いのか!」

 コソッと白猫(レオ)に注意する。そうか、ここには星の海(シュテルンメーア)だけじゃなく、荷物持ちの四人もいる。金熊亭の部屋で白猫(レオ)が話しているから、鈍感になっていた。


「大丈夫! どうせ記憶を改竄するから」

 怖い事を平然と告げる白猫(レオ)


「ちょっと……そんなのできるの?」

 小声で聞いたら、簡単な改竄だけだと言う。殆どの能力を全能神様(オムニス)に封じられているからと悔しそうだけど、そうして貰って良かったよ。ほんの少しでもヤバいじゃん。


「お前達、何も考えていないのか? 秘密の隠し部屋の出来事は、我と相性が良いから記憶の改竄ができるのだ。大体、ルシウスが口止めしても、拡散されると思わないのは愚か過ぎる」


 ケチなルシウスとしては、口止め料を出していたんだけど、確かに隠し部屋はバレるかもね。


「同じメンバーを雇って、秘密にするようにとは言ったが、確かに目をつけられるかもな。魔導灯は、シャンデリアと蝋燭のドロップ品だから、まだ問題は少ないけど、機械兵、機械騎士は駄目かもしれない」


 金になるけど諦めようと、ルシウスがガックリと肩を落とす。


「愚か者! 機械兵と機械騎士が広まらないと、護衛として召喚し難いではないか! オークダンジョンを制覇するのは、一日ではできないのだぞ。ダンジョン内で野営する時、機械兵に見張らせたら良いのだ」


 白猫(レオ)の言い分も理解できるけど……従魔が見張っておけば良いんじゃない?


「レベルが低いから、睡眠が必要なのだ! それに食事も!」

 えっ、食べなくても死なないって言っていたよね? ミルクはあげているけど……足りないの? これからは、ちゃんと食事をあげよう!


 白猫(レオ)が出口で「記憶改竄(ニャニャニャン)!」と鳴いたら、一瞬だけ荷物持ちの脚が止まったけど、そのまま歩き出した。


 ちゃんとできているの? って頭で考えたら「馬鹿者(ニャニャン)!」と叱られた。態度デカいよ!


 それにしても危険な能力だよね。悪用されないか不安! 私の記憶も改竄されたりして……。


できない(ニャニャン)!」

 えっ、できないんだ! 少しホッとしたよ。

愛し子だから(ニャニャニャン)!」と悔しそう。


「他の人もしちゃ駄目だよ!」と言ったけど、荷物持ちの記憶は改竄しちゃっているんだよね。


 ルシウスが荷物持ちに日当を払い、さりげなく今日の迷宮ダンジョンで変わった事がなかったか訊ねている。


「三階に行けなかったですね。行けると思っていたのですが、明日も雇ってくれるのですか?」


「ああ、よろしく頼む! 馬車代は渡すから先に帰ってくれ」

 

 明日も雇うので、背負い籠ごと預かる。借りている部屋で、あれこれ作業するからね。



 部屋に入るなり、白猫(レオ)が「アイテムボックスの使い方が下手すぎる!」と文句を言う。

 生意気! 腹が立つけど、可愛い見た目に絆されちゃう。


「機械兵、機械騎士は、上の階で遭遇する。だから、パーツがドロップするし、自由都市群(パエストゥム)では作っている筈だ。ただ、その階に到達するまでは、販売しない方が良いだろう。だから、荷物持ちの籠が午前中で満杯にならないように、アイテムボックスに嵩張るのは収納しながら攻略していけば良い」


 そうか、荷物持ちの記憶を改竄できるなら、秘密の部屋のドロップ品はアイテムボックスに入れたら良いんだ。


「それで良いのか?」とジャスは心配しているけど、ルシウスはマジックバッグを早く見つけたいから、効率的にダンジョンを攻略するのに賛成みたい。


「今日のを収納するね!」

 籠の中のドロップ品を収納して、白猫(レオ)に教わった遣り方で、インデックスで整理する。


「魔導灯は四個できる。機械ハチドリはええっと三羽。冷風機は四台!」

 

 それと、メイド服とか要らない物を出していく。


「おっ、綺麗にたたんであるじゃん!」

 メイド服は、十枚あった。


「メイド服、銀食器、銀のトレイ、ナイフ、ハサミ、蝋燭、葉巻、魔石……これらは、籠に入れて持って帰って売ろう」

 

 金貨(ゴルディ)銀貨(クラン)銅貨(ペニー)はその場で分けた。


 問題は、半端な部品! かなりインデックスに溜まっている。


「部品も買い取ってくれるけど、できたら製品にしてからオークションに掛けたい。魔導灯は、オークションに掛ける必要はなさそうだけどな」


 王座の細い金の冠、家礼の金の懐中時計はオークションに掛ける。機械花の宝石は、小さいし、ギルドの買取りかな?


「温熱冷風機は? 冷風機が四台作れるけど、どうするの? それと片眼鏡は?」


 温熱冷風機と片眼鏡は、高価買取が期待できるけど、売るか皆も悩む。


「アレクがいるから、片眼鏡はオークションに掛けても良いが、不審がられそうだ。温熱冷風機も、もう少し上の階を攻略してからの方が良いだろう」


 つまり、今はアイテムボックスの中で保管しておく事になった。


「機械ハチドリが見たい」

 ジャスに言われて、アイテムボックスの中から機械ハチドリの部品を組み立てる。


 青い機械のハチドリが三羽! ドロップした魔石も入れてあるので、パタパタ飛んでいる。


「敵だった時は、可愛いとは思わなかったが……」


 ジャスが手を差し出して、指に止まらせている。大男の指に可愛い機械ハチドリ……何だか笑いそうだけど、我慢する。


「これで斥候させる練習をしてみたいが、ダンジョン内だと他の冒険者に攻撃されるかもな」


 ルシウスが心配するのも分かるよ。私も、機械ハチドリが飛んできたら(フルメン)で攻撃しちゃうだろうから。


「それなら、何か自分達の印を身に付けさせたら良いだけだ」

 

 白猫(レオ)も偶には良い事を言うね! 三人で『星の海(シュテルンメーア)』の印を考える。


「三つ星で良いだろう」

「ジャス、単純だね! 人数が増えたらどうするんだ?」

「印なんだから、それで良いだろう!」


 リーダーがそう言うなら、別に良いけどさ。地図の裏に三つの星を描く。

 防衛都市(カストラ)に戻ったら、絵の具を手に入れて、これを機械ハチドリに描こう。


「冷風機も組み立てよう!」

 四台の冷風機を組み立て出す。


「一台ずつ使おう!」と三人とも賛成する。

「魔石をどのくらい消費するのか、チェックしようぜ」

 ルシウスは節約しそう。部屋を冷やしたら、寝る前に消すタイプかも。あれって途中で暑くて起きちゃうんだよね。


「一台は売るのか?」

 ジャスは思案顔……きっとルミエラちゃんにプレゼントしたいのだろう。


「まぁ、今は売らないけどな」

 ルシウスは、ジャスの思惑に気づいていないのか、気づいても無視しているのかわからない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
マジックバック作れるようになるのかなあ(すっとぼけ) とりあえず、荷物持ちから籠を預からなくていいように、俺達との探索中は、これを使え!か、こっちに移し替えろ!的なものを作っておこう 荷物持ちとは、…
ジャズくんよ、あまりに高価なものや貴重なものをおくってると、はめられて借金奴隷にされ、金品か品物を要求され続けるか、誘拐される可能性もあるぞ? ルミエラの背後にろくでもない連中がいるかももしろないよ?…
どんどん高額商品が出てるけど、魔導灯の値段を考えると機械兵士を運用できるような冒険者のパーティが存在するのかどうか悩ましい所ですね。1機を運用するのに3機くらい補修用にパーツが必要になったりとか、補修…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ