表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女神様の愛し子じゃないから!  作者: 梨香
第三章 防衛都市

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

68/139

食物ダンジョン十階を目指そう! 1

 転移陣で地上に戻り、荷物待ちの背負い籠から、トレントからドロップした肉、ギルドに依頼があるオレンジ、林檎、それとロイヤルゼリーの瓶を退けて、周りの商人に売る。


「アレク、欲しい物は退けておけよ!」


 ポポとバナナと林檎とオレンジ、そしてメープルシロップは少し欲しい。

 袋に入れて、ロイヤルゼリーと中級薬草と一緒にルシウスに渡す。


「ギルドに納める品と一緒に預かって貰うぞ」

 半券を貰って、やっと食事だ。


「あれっ? 売った代金は?」

 屋台でエールでパンを齧りながら、気がついた。

「あれだけの食品をすぐに勘定は出来ないさ。後で貰う」


 ふうん? いつも金勘定はシビアなルシウスなのに、変なの?


 疑問が顔に現れていたみたい。ジャスに笑われた。


「食物ダンジョンの引取値段は、あそこに書いてあるだろう! ギルドの依頼品以外は、あの表のまんまなのさ」


 なるほどね! それにしても、ルシウスとジャスの食べる速度、速すぎるよ! 

 荷物待ちの四人は、各自持ってきたパンを食べたり、屋台の焼き串を食べている。大人だし、面倒をみなくて良いのは楽だ。


「よし! 十階まで頑張るぞ!」

 昼休憩を終えて、五階の転移陣に行く。


「六階から花とキノコが出る。キノコは、胞子に毒があったり、眠らされるから注意しろ!」

 

 ふうん、ルシウスの注意を聞き流していたけど、花って私のイメージと違いすぎるよ!


「あれって化け物じゃん!」

 全く花とは違うよ! ラフレシアみたいだけど、根が脚みたいで、枝で攻撃してくる。


「トゲに気をつけろ! 毒があるぞ!」


 バラっぽい花だけど、バラだとは認めたくない。


「メシベを攻撃したら良いのさ!」

 矢でメシベを貫くと、消えた。


「矢と相性が良いかもな!」

 周りにバラの化け物がいっぱいだ。ジャスにおだてられたから、矢でメシベを攻撃していく。


 二人は斧で叩きつけているけどね。ワイルドさは負けるけど、討伐数は勝ったかも。


 ドロップ品は、香料とローズヒップの袋、バラの花弁のジャム、そして何故か紅茶の袋も。神様(ガウデアムス)は、絶対に遊びながら設定を考えたと思う。


「花のドロップ品は、高価買取りが多い!」

 相変わらずルシウスは金の亡者だよ。でも、クランが作れたら良いのは、ちょっと分かってきた。


 中級者用のダンジョン、十階までなら日帰りでも行けるけど、ここから十五階とかなると泊まりが必要になる。


 セーフゾーンがあると、これもジル達から聞いたけど、他の冒険者達と一緒だと見張りも必要になるからね。相変わらず、魔物より冒険者の方が注意が必要だ!

 つまり、人数が多くないと、十五階には達せられないのだ。


 それに、その間、宿屋を借りておくとか、戻った時に宿が満室だとか、クランがあれば心配しなくて良い。


 それに……初心者の冒険者を育成できるんじゃないのかな? ジャスに甘い! って笑われそうだけどね。


 先ずは、銀級になる事! そしてお金だ! だって、家を買うか借りる資金、そして維持する為に人を雇わないといけないからね。


 そんな事を考えながら、六階を進む。林から森っぽくなった。


「嫌な感じだなぁ」

 ジャスじゃなくても、ヴリシャーカピが好きそうな環境だと眉を顰めたくなるよ。


 ヴリシャーカピだけなら楽勝だけど、トレントや花も攻撃してくるから、厄介だ。


 脳内地図(マッパエムンディ)で確認したら、大きな群れがいる。


「あちらからヴリシャーカピの群がくるぞ! その上、トレントもやってくる」


 ルシウスは、リーダーとして指示をするのも上手い。荷物持ちを集めて、私にバリアを張らせる。


「そこを動かなければ、攻撃は受けない! アレクは、ヴリシャーカピ! ジャスは私とトレント、その後でヴリシャーカピだ!」

 

 二十頭以上のヴリシャーカピ! こんな時は、ボスからやるに限る。


遮断(ディスコンティ)!」で一撃する。後は「バリア!」で十分だよね。


「おお、アレク! やるじゃないか!」

 ジャスに背中をバン! と叩かれたよ。油断しちゃった。


「俺に触ると手を無くすぞ!」と警告しておくけどね。


 林檎が山になっているから、ルシウスはホクホクだ。ギルドの依頼は、これで十分だろう。


 ヴリシャーカピは、肉が多いけど、バナナとかポポはまだ理解できるが、何故、砂糖? 


「ボスは偶に変わった物をドロップする。しかし、砂糖は初めてだ。まぁ、高く売れるからラッキーだな!」


 深く考えたら負けだ! 神様(ガウデアムス)の気紛れだからね。



 七階も六階と同じ感じだったけど、ファイヤーウルフの群れが加わった。


「名前が嫌なんだよな!」


 馬鹿な奴らを思い出して、ナタでぶった斬る。やはり一人よりも三人だから、討伐は楽だ。ファイヤーウルフのドロップ品、肉だけど?


「ウルフの肉って食べられるの?」

 肉食獣の肉って不味そうなんだけど?

「普通に食べるけど、食物ダンジョンだからな!」

 鑑定したら、アルミラージやビッグエルクの肉もある。不思議設定だよ!


 段々、食物ダンジョンにも慣れてきた。矢は、花の時に使う! 魔法はボス戦に残しておく作戦だ。

 トレントは、ルシウスとジャスに任せる。私は、その間に魔物討伐!


「あっ、キノコだ!」

 これも私のイメージするキノコとは大違い。子どもぐらいの大きさで、ぶっふん、ぶっふん、飛びながら攻撃してくる。


「アレク、傘と軸の間が急所だ!」


 キノコの胞子には毒や眠りの効果があるので、近接戦のルシウスとジャスより、矢か魔法の攻撃の方が良い。つまり、私がキノコ係だ。


 矢で射ると、消える。でも、どんどん仲間を呼んで増えてくる。


「早く倒さないと囲まれるぞ!」

 ジャスに言われなくてもわかっている。それに、トレントとヴリシャーカピもやってきた。


「バリア!」を横に放って、キノコを全滅させる。


 トレントは、二人に任せて、ヴリシャーカピのボスをやっつける。他のは、一緒に討伐したよ。


「やれ、やれ、もっと弓矢の練習が必要だな。スピードアップしなきゃ! キノコに囲まれるところだった」


 むぅう! 確かに連射速度は課題だけど、ジャスに言われると腹が立つ。


 キノコのドロップ品、トリュフにルシウスが小躍りしている。きっと凄く高いのだろう。それと、松茸、マッシュルーム、舞茸! シチューにしたら美味しそう。



 八階からは、ビッグベアも出てきた。ドロップ品が肉とハチミツ! 


 ここで少し休憩! 水を飲んで、林檎を齧る。


「ジューシーで美味しい!」

 ジャスとルシウスは、林檎は食べない。肉と酒だけで、栄養は偏らないのか?


「アレク、魔力の減りはどうだ?」


「まだまだ大丈夫!」

 一人だと大変だったけど、三人だとやはり楽だ。


「それなら、十階まで飛ばすぞ!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 低階層で穀物が収穫出来て、階層上がると嗜好品が増えて、アレク達の実力あってのものだけど食料迷宮はなかなか良い場所ですね。お肉類が突然落下してくる光景はとてもシュールだなと思いつつも。 …
[気になる点] 銀級になるなら、ある程度ギルドの依頼をこなす必要がある ダイションの依頼だけでいいのか? ダイション以外の依頼もこなさないと、なれない仕組みなのではないか? 討伐とか、護衛とか、引き受…
[気になる点] 初心者と中級(基礎)の、待ち伏せしやすい構造変えてください、女神様 地上での、需要と供給のバランスを考えると、ある程度、一定期間毎に、ドロップ率が決まってそう それに、常連冒険者がい…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ