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女神様の愛し子じゃないから!  作者: 梨香
第ニ章 防衛都市《カストラ》へ!

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防衛都市!

 アリシア町から、町長の息子がグレアムさん達の馬車に乗った。

 防衛都市(カストラ)で、冒険者の中から兵士になりたい人をスカウトするみたいだ。


 オーク戦で二人亡くなった補充と、これからも魔物が襲ってくる可能性も高いからだ。


「それと、交易都市(エンボリウム)防衛都市(カストラ)の両方の冒険者ギルドに警告をしなきゃな!」


 歩きながら、ルシウスが難しい顔をする。


「ああ、防衛都市(カストラ)の北にダンジョンが湧いたのは間違いないな。それもオークがいるダンジョンだ!」


 ふぅ、私には分からないから、女神様(クレマンティア)に貰った知識を探索する。ダンジョン関係は、前の神様(ガウデアムス)だからややこしいんだよね。

 ゲームの攻略本みたいなのを読みながら、身体強化をして歩く。


「アレク、ぼんやりするな!」

 ジャスって目敏い。これは、私が悪い。休憩中とかにしなきゃいけなかったんだ。


「それにしても魔物が多いな」


 ほとんどは、クレイジーホースや草原の風が討伐している。えっ、星の海(シュテルンメーア)は? 私達は、馬車や荷馬車の横だから、ここまでくる前に討伐されているんだよ。


 昼休憩、オーク肉の焼いたのだった。それと、アリシア町のパン。固くなる前に食べなきゃね。


 昨日は、深夜番だったから、今夜は朝番だ。ジャスは嫌うけど、私は夜にまとまって眠れるから、そこまで嫌いじゃない。

 それに「へへへ、ジャス、お気の毒様!」エールも飲めるからね!


 生ぬるいエール、前世だったらキンキンに冷えたビールが好きだったのに、不思議と口に合う。


 とはいえ、護衛の最中だから、一杯しか飲まないけどね。


 アリシア町に遠回りしたけど、街道に戻って防衛都市(カストラ)へと向かう。


「こりゃ、異常事態だぞ!」

 ルシウスが次々と現れる魔物をぶった斬りながら、ぼやく。


防衛都市(カストラ)の北にかなり大きなダンジョンが湧いたか? それとも、何ヶ所も未発見のダンジョンが放置されて成長して魔物が湧き出しているのか?」


 前の神様(ガウデアムス)の情報で、私にもダンジョン関係の知識が増えた。でも、かなり端折って読んだから、細かな注意書きとかはスルーしちゃったんだ。


 あれは、防衛都市(カストラ)に着いて、宿で読もう。マジックバッグだけじゃなく、他にも細かい字で書いてある注意書きには、有益な情報がありそうなんだ。


 ただ、攻略本とか教科書の下の注意書きって、字も小さいし、読むのが面倒臭いんだよね。テストにも下の注意書きから出される場合があるのは知っているのに、読んでなかったりして失敗したんだ。


 今回は、テストの点が悪くなるだけではない。命に関わる場合もあるから、ちゃんと読まなきゃ! でも、前の神様(ガウデアムス)って、本当にゲームを作る気分で魔物を作っていたから、注意書きが多すぎて、全部は無理かも?


 街道を通れば、交易都市(エンボリウム)から防衛都市(カストラ)は一週間から、十日で着くけど、途中でヴリシャーカピの集団に襲撃され、休憩に寄ったアリシア町ではオークの襲撃に遭ったから、二週間かけての護衛になった。


「おお、防衛都市(カストラ)が見えてきたぞ!」


 先頭を行くクレイジーホースのクレアが皆に知らせてくれた。


「アレクは、防衛都市(カストラ)は初めてだな」


 防衛都市(カストラ)に近づくにつれて、暑くなったし、雨もよく降るようになったから、宿に着くのは嬉しい。


 なんとか、一人でお風呂に入らなきゃ! 商隊全員に、毎晩、浄化(ピュリフィケーション)を掛けている。

 少しお駄賃を貰っているけど、これは私の為でもあるんだ。だって、臭い男の後の寝床に寝るのは御免だからさ。


「えええ、防衛都市(カストラ)ってこんな感じなんだ!」


 何となく、北の大陸の都市や交易都市(エンボリウム)の防衛壁高めを想像していたけど……これって万里の長城!? 横にうなうなと伸びている。


「ははは、横にも長いが、防衛都市(カストラ)は広いぞ。迷子になるなよ!」


 ジャスに馬鹿にされたけど、近づくにつれて防衛都市(カストラ)の規模の大きさに圧倒された。


「本来なら、防衛都市(カストラ)の南にダンジョンがあるのさ。だが、今回は北にダンジョンが湧いたようだ」


 ふうん、つまり北のダンジョンから湧き出した魔物から防衛しているんだ。


「あれっ? 自由都市群(パエストゥム)は? ここより南だよね?」


 まだ知識不足なんだ。聞ける事は、聞こう!


自由都市群(パエストゥム)は、自前の防衛力を持っている。防衛都市(カストラ)は、交易都市(エンボリウム)を護る為に作られたのさ」


「えっ、それなら北にダンジョンが湧いたのは拙いんじゃないの?」


 ルシウスとジャスが肩を竦める。


「拙いが、ないことじゃない。これまでも、小さなダンジョンが湧いて、魔物は出ていた。今回は、オークジェネラルが湧くダンジョンだから問題なのさ」


 ああ、南の大陸って、そんな感じなんだね。北の大陸もいずれはそうなるのかな? クズ王家やクソ聖皇国だから……。


 北の民を心配する前に、私が生き残らなきゃいけないのだ。

 防衛都市(カストラ)の大きな鉄製の門を潜りながら、気を引き締める。


「先ずは、俺たちは金級を目指す! アレクは銀級を目指してくれ!」

 ルシウスに言われたけど、銀級になれるのかな? 前は、楽勝だと思っていたけど、ボス戦では魔法の掛かりも良くなかった。


「もっと強くならなきゃ!」

 ジャスがバン! と背中を叩く。


「痛い! ジャス! 手を落とすぞ!」


 ちょっと気を抜くと、ジャスがスキンシップをするから、警告しておく。




これで二章はお終いです。

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― 新着の感想 ―
[一言] 待ってました。更新、ありがとうございます。(人´ з`*)♪
[良い点] 更新ありがとうございます。 魔物の特性を覚えてそれぞれにあった効率的な攻撃をできれば、それは素晴らしいことだけれど膨大な量の暗記が必要ですよねえ。しかも魔物と対峙しているという緊急事態に冷…
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