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女神様の愛し子じゃないから!  作者: 梨香
第ニ章 防衛都市《カストラ》へ!

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アルシア町防衛戦

 やはり、このオークは普通じゃないよ!


「おぃ、おぃ、あれは梯子車か?」


 梯子の下に荷車がついている感じだ。オークって、こんなのを作る知能があるの?


「あちらには、カタパルト擬きがあるぞ。拙い、これなら門には破城槌(はじょうつい)があるかもしれない」

 

 門を破られたら困る。でも、そんな事を言っている場合ではなかった。


 梯子車が何台も裏手の城壁に近付いている。

「アレク、オークを近づけるな!」

 ルシウスに言われなくても、矢を放っているよ。

『草原の風』のルシアに習ったから、命中率はアップしている。


 それに、矢はアリシア町から大量に寄付して貰っているから、ジャンジャン使う。

 兵士や町の男たちも、矢を放っているけど、オークも賢いから、梯子車の影に隠れて近づいてくる。


「俺達は、城壁に着いた梯子車を倒す! 一頭たりともアリシア町に入れないぞ!」

 ルシウスが兵士や町の男たちに指揮をとる。


「煮立った油だ!」

 戦闘能力の無い町の人は、岩や煮立った油を持って来てくれる。


「よし!」ジャスが煮立った油を、防衛壁に取りつこうとしている梯子車を押しているオークの上に撒き散らす。


 ついでに、火をつけたので、一台は使用不可能になった。でも、まだ何台もあるんだよね。


「火矢は有効なのか?」と思うけど、油があったから燃えたのだ。

 火矢を何本も梯子車に当てている間に、防衛壁に届いてしまう。


「ジャス、あちらを任す!」

 ルシウスとジャスが分かれて、防衛壁に届いた梯子を押し倒す。


「こりゃ、フランク商会だけじゃ無さそうだ!」

 どう見ても、十台ではきかない木材量だ。

 それに、横手からのカタパルトからの石攻撃が、かなり痛い。


 まだ防衛壁を壊すまではいかないが、町の建物を破壊していく。下で、油を煮たてていた鍋にも当たり、火事になっている。


 消火は、町の人に任せるしかない。オークが防衛壁に上がってきたのだ。

 接近戦になったので、魔法とナタでオークと戦う。


「こちらは、何とかなりそうだが……門が危ない!」

 ボスは、まだ動いていない。これも、門から防衛力を削ぐ作戦だったのか?


「倒れた梯子車に岩を落として、破壊するぞ!」

 焼いたら良いのだけど、煮立った油の部隊は、今は消火活動中で使えない。

 

 ジャスとルシウス、怪力だな。岩をドガン、ドガン、落としていく。


 梯子車を全て破壊したので、周りを見渡す。

 横手のカタパルトがうざい。


「俺は、横のカタパルトをなんとかする!」

 星の海(シュテルンメーア)の持ち場は、裏手だったけど、今のうちボスは動いていない。


「アレク、頼む! 俺とジャスは、門に行く。ヤバいからな!」


 一番、強いボスは何を考えているのか動いていない。オークの考えなんて読めないから、こちらは問題を一つずつ潰していくしかない。


「ボスが動いたら、知らせる!」

 今、町長の家にバリアを張り、脳内地図(マッパエムンディ)も時々チェックしている状態だ。


 バリアを外しても良いのか? いや、それは駄目だ。


 脳内地図(マッパエムンディ)は、時々だから大丈夫だろう。なんて思って横に行ったら、大惨事だった。


「クレア、大丈夫か?」

 血塗れのクレアが、オークと戦っていた。オークの首をバリアで刎ねてから、治療(クーラーティオ)を掛ける。


「あいつら、壁を壊した!」

 横の防衛壁の一部が壊れかけている。

「拙い! ボスも来るぞ!」

 咄嗟に脳内地図(マッパエムンディ)を掛けてチェックする。


「門にいるルシウスとジャスを呼んでくれ!」

 治療したけど、血をかなり失ったクレアに叫んで、穴が開いた場所の防衛を手伝う。


「バリア! バリア! バリア!」

 オルフェと一緒に穴から中に入ろうとしているオークを討伐する。


 ウザいカタパルトに「(フルメン)!」を落とす。


 バリバリバリ! カタパルトが粉砕された。


「よっしゃ!」

 オルフェが吠えて、オークに突っ込んでいく。


 カタパルトが無くなっても、オークはまだ多い。『クレージーホース』はいつもはスレイプニルに乗っているから、突撃が得意なのだが、今は違う。


「オルフェ! 戻れ!」

 ルシウスが後ろから指示をしながら、オークに突っ込んでいく。


 二人でオークをやっつけながら、壁の中へと撤退していく。

 私は、その援護だ。

「バリア! バリア! バリア!」

 二人に近づくオークの首を切り飛ばす。


「アレク! 助かった!」

 壁の中に撤退したオルフェに礼を言われた。


「ふん、クレアが怪我をして冷静さを失ったな」

 ルシウスがオルフェを揶揄っている。えっ、二人はそういう仲なの? 


「ジャスは?」

 一番に飛んできそうなのに、ジャスがいない。


「彼奴には、門を護ってもらっている。破城槌(はじょうつい)がヤバい!」

 

 門を破られると、オークが雪崩れ込んでくる。ジャス! 頑張れ!


「ボスが来るぞ!」

 ルシウスの叫び声で、皆の視線が集中する。


 オークのボス、普通のオークの三倍の大きさだ。

『鑑定!』を掛ける。ふむ、ふむ、えっ! 


「ルシウス、気をつけろ! 彼奴は、オークジェネラルだ。軍隊鼓舞を持っているぞ!」

 

 だから、作戦を立てたり、夜でも行動させられるのか? ああ、そんな事を考えている場合じゃない。


「グアアアアア!」

 大きく吠えると、周りにいたオーク達が赤く光り、一回り大きくなった。

 ボスも、赤く光って巨大になる。


「バリア!」でオークの首を狙うけど、やはり効きが悪い。

(フルメン)!」なら、なんとか倒せる。肉が駄目になるけど、そんな事を言っている場合じゃない。

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― 新着の感想 ―
[良い点] なんと、このオークたち高度な頭脳持ちなんですか?!これはびっくり。 でも、食用とお互いがみなす以上、亜人としてのお付き合いはできませんね。
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